北海道キャンプ場見聞録
山陰九州の旅(九州を離れる)
千畳敷高原キャンプ場(4月8日~9日)
当初の計画では志高湖キャンプ場の後は、九州でもう1泊する予定になっていた。
しかし、天気予報では明後日から天気が崩れるとのことで、明後日に行く予定にしていた角島大橋は天気の良い時でなければその風景を楽しむことは出来ない。
当初計画ではこの後に別府の砂湯に入ることにしていたが、それを諦めれば今日中に角島大橋まで行く事ができる。
と言うことで、去年の九州旅行で計画していながら入ることのできなかった別府の砂湯は、今回もまた入れずに終わってしまったのである。
そこで志高湖を後にして最初に向かったのは杵築市の杵築城。
北海道では松前くらいにしか城は無いので、こちらを旅していて、城があるとどうしても寄ってしまうのである。
満開の桜も散り始めていて、杵築城のある城山公園の駐車場は桜の花びらでピンク色に染まっていた。
杵築城は駐車場の散った桜が一番良かったかも
ここの天守は模擬天守なので、写真を撮っただけで直ぐに次に向かう。
杵築では城よりも城下町の方が見ごたえがある。
武家屋敷は二つの高台にあって、その間の谷間が商人の町となりサンドイッチ型城下町となっているのが特徴である。
武家屋敷の街並みは風情があり、そこから商人の町へと降りていく坂道も味わいのある風景である。
商人の町で入った綾部味噌醸造元の建物は江戸時代に建てられたもので、買い物をしてお金を支払う時も、まるでタイムスリップしそうな感じだった。
武家屋敷の街並み
坂道を下るとそこは商人の町
お店のレジ?で支払い
次に向かったのは豊後高田市の田染荘。
去年の九州旅行で、場所が分からずに通り過ぎてしまったしまったところである。
今日回っているルートは去年とほぼ同じで、時間が無くて見られなかった場所を拾うように回っているのだ。
田染荘展望台からの眺め
中世の荘園の姿がそのまま残っているとのことで、世界農業遺産にも登録されている田染荘だけれど、まだ水が張られていない水田の風景は期待していたほどのものではなかった。
田に水が張られた風景を見たかった
その次に向かった豊後高田市の昭和の街並みは、興味があったけれどまともに歩いていては時間がかかりそうなので、車で眺めるだけに留めておいた。
次に立ち寄った宇佐神宮が九州最後の観光となる。
境内がやたらに広く、駐車場から本殿までかなりの距離があり、急ぎ足で参拝を済ませる。
宇佐神宮大鳥居をくぐる
朱塗りの建物が眩しい
クスノキの巨木に圧倒される
そして高速道路で一気に本州へと渡った。
昼食も高速のPAのコンビニ弁当で済ませる。
川棚のクスの森は残念ながらほぼ枯れてしまったようだ
本州に渡って最初に立ち寄ったのが、下関市川棚のクスの森。
1本のクスの木なのだけれど、枝を四方に大きく伸ばしてまるで森のように見えることから、クスの森と呼ばれている。
日本三大樟樹の1本と言うことでその姿を見ることを楽しみにしていたけれど、ここ数年で衰弱が進み、今はほぼ枯死してしまった様子なのがとても残念だった。
そしてようやくたどり着いた角島大橋。
旅行雑誌の写真に一目惚れして、是非訪れてみたいと思っていた場所だ。
真っ青な海に緩やかなカーブを描きながら伸びていく白い橋。
曇り空ではその魅力も半減するので、ここに来るのならば晴れている時でなければならない。
できればこの橋を渡ってみたかった
そう考えて予定を変更してまでやって来たのだけれど、陽射しはあるものの空は薄曇り。
それでもほぼ期待通りの風景を見られて満足である。
写真を撮った後は、実際にその橋を車で渡るのが普通だけれど、時間が無いので直ぐに次の目的地に向かう。
今日の行程は少々ハード過ぎる。
この写真を撮るためにここまで来たと言っても良い
向かったのは元乃隈神社。
こちらも旅行雑誌の写真を見て、海に向かって赤い鳥居が建ち並ぶ風景に「こんなところが有るんだ!」と驚かされた場所である。
そこへ向かう途中、東後畑の棚田への看板を見つけ、近くなのでそこも見ていくことにした。
日本棚田100選にも入っている棚田だけれど、水の張られていない棚田の風景はやっぱり今一だった。
ここの棚田に水が張られていれば、そこに夕日が映り込んでとても美しいらしい
元乃隈神社は大きな観光地になっていて、駐車場にも誘導員がいるくらいだ。
特に中華系観光客が目立つ。
雑誌で見た通りの構図で写真を撮った後、その鳥居の中を歩いて海岸まで行ってみる。
このような鳥居にはそれを奉納した人たちの願いが込められていて、そこを歩くと神聖な気持ちになるものだけれど、何だか観光地にするために鳥居を並べただけの様な気がしてくる。
こんな写真に一目惚れしたのだが
ここでは鳥居の他に、日本一賽銭を入れづらい神社としても名が知られている。
神社の大鳥居の上に賽銭箱があるので、そこに向かって賽銭を放り上げるのである。
キャーキャー言いながら賽銭を投げている中華系観光客の姿に、「何だかな~」と思いながら、元乃隈神社を後にした。
反対側から見れば大したことのない風景だ
鳥居の上に取りつけられた賽銭箱に賽銭を投入れる
今日のキャンプ地である千畳敷高原キャンプ場はそこから直ぐ近くである。
しかし、元乃隈神社を出た時に既に午後4時近くで、目標としている午後4時までのキャンプ場入りはなかなか達成できない。
ここのキャンプ場は駐車場から少し荷物を運ばなければならない。
海に面した高台の上にあるキャンプ場なので、場所を選べば絶景のサイトもあるのだけれど、そこまで荷物を運ぶ気力がある訳もなく、何も考えずに駐車場から一番近いところにテントを張った。
風変わりなキャンプ場だった
場所が場所だけに風を遮るものは何もなく、風が強そうな時は他に行こうと考えていたけれど、今日はそよ風程度で大して風も気にならない。
ビールを飲んで寛いでいると、空に嫌な感じの雲が広がってきていた。
そこへ突然、テントが飛ばされそうになるくらいの強烈な風が吹き付けてきて、慌ててテントを押さえる。
張り綱をかけてあったプラスチックペグが折れて飛ばされた。
どんな条件下でも普通に料理するかみさんは凄いかも
一時的な風かと思ったが、風はそのまま吹き続けた。
突然の天気の急変である。
風に潰されそうになるテントを中から押さえながら途方に暮れていた。
これでは夕食の準備も始められない。
夜中にテントが潰れても寝ていられるように、中に張ってあったMSRのソロテントを外に出して別に張ることにした。
それでソレアードの中が広くなったので、何とか夕食を食べることもでき、ソレアードが潰れないことを祈りながら、それぞれのテントに潜り込んだ。
翌朝まで風は吹き荒れていたものの、ソレアードは生き残っていた。
そんな苦労を忘れさせてくれるような美しい朝日が昇ってきた。
ボイボイキャンプ場の朝日も美しかったけれど、やっぱり海から昇る朝日の方が格段に美しい。
美しい朝日が昨夜の苦労を忘れさせてくれた
暫くこの朝日に見惚れていた
キャンプ場のレストハウス屋上に登ると「強風による転倒にご注意ください」と書かれていて、それを見て「随分大げさだな~」と笑っていたが、その注意内容は全然大げさではなかったのである。
無事に朝を迎えた3張のテント
この注意書きは大げさではなかった
今日の夜から雨が降り始める予報なので、一昨日に山口市内のホテルを予約してあった。
しかし、今日の日中はまだ晴れ間が広がっていそうで、これならば角島大橋の観光も、無理して一日早めないで、今日に回しても良かったかもしれない。