北海道キャンプ場見聞録
山陰九州の旅(阿蘇くじゅうドライブ)
ボイボイキャンプ場(4月6日~7日)
当初の予定を変更し、この日の宿泊は久住高原のボイボイキャンプ場に泊まることにしたので、時間をかけて阿蘇の観光を楽しめる。
午前8時過ぎに鍋の平キャンプ場を出発して、阿蘇南登山道から阿蘇山上を目指す。
山を登っていくと絶景が広がってきた
阿蘇らしい冬枯れた草原の風景を楽しみながら山道を車を走らせていると、荒々しい姿の山が前方に見えてきた。
阿蘇五岳の一つ烏帽子岳だろうか。
その山麓に広がる樹木が白く見えていた。何の花かと思って調べてみると馬酔木の花だったらしい。
白く見えているのは馬酔木の花のようだ
阿蘇中岳のロープウェイ乗り場までやって来た。
中岳の火口までは車で行くこともできる。
私たちが行った時の阿蘇山噴火警戒レベルは1で、これならば中岳火口まで車で行くことができるのだけれど、この日は火山ガスの濃度が高くて、ゲートは閉鎖されていた。
確かに、中岳火口付近から立ち昇る噴気は、まるで小規模な噴火を繰り返すように何度も空高く噴き上がっていた。
この後、4月14日には噴火警戒レベルが2に引き上げられ、私たちが札幌に戻ってから中岳が噴火したとのニュースも飛び込んできたのである。
時々勢いよく煙を噴き上げる阿蘇中岳
次に草千里に向かった。
火山博物館などのあるところの有料駐車場は通り過ぎて、そこから少し登った展望台の無料駐車場に車を停める。
去年はガスの晴れ間にかろうじて見えただけの草千里だったけれど、今日はその周りの山々までが青空を背景にくっきりと浮かんでいた。
草千里の風景
展望台の後ろを向くと、遥か遠くに山頂だけが雲海の上にちょこんと飛び出している山が見えていた。
近くの人の話を聞いていると、私たちが一昨日に見てきた雲仙普賢岳らしい。
直ぐ近くの杵島岳には登山者の姿が見え、眼下の草千里の中を歩いている人の姿も確認できる。
草千里くらいは歩いてみたかったけれど、そこまでの時間の余裕もなく、先に進むことにした。
草千里の池も見える
杵島岳には登山者の姿も
途中で見える米塚の姿も印象的だが、できれば草原が緑に染まる季節の姿も見てみたいものだ。
米塚は草原が緑に染まる季節に見てみたい
北登山道を下っていくと、牧場に阿蘇赤牛が放牧されていた。
阿蘇カルデラを背景に、のんびりと草を食む赤牛の姿は、如何にも阿蘇らしい風景である。
阿蘇赤牛が阿蘇の風景に似合っている
阿蘇の町まで降りてきて、阿蘇神社に参拝する。
境内で工事が行われていると思ったら、これは熊本地震で倒壊した楼門や拝殿の復旧工事らしい。
三つの神殿は既に修復を終えていたが、阿蘇神社でもそんなに大きな被害があったことを初めて知ったのである。
本当ならばこの真ん中に拝殿が建っているのだろう
境内の不老長寿のご神水「神の泉」でキャンプ用の水を汲んでいく。
買い出しを済ませ、道の駅でお弁当を買い、阿蘇カルデラを一望できる大観峰へと向かった。
阿蘇外輪山への坂道を登っている途中に山田パーキングの展望所があったので、道の駅で買った弁当をそこで食べることにした。
阿蘇五岳を眺めながらの昼食はとても気持ちの良い時間だった。
下手なレストランに入るよりもずーっと快適だった昼食
その先の湯浦パーキング、阿蘇スカイライン展望所で阿蘇カルデラの風景を楽しみ、その締めくくりとして大観峰までやって来た。
天気の良い土曜日と言うこともあり、大賑わいである。
やっぱりここからの展望が、阿蘇カルデラの全体像が一番良く分かる気がする。
カルデラ壁も間近に見えて、とても興味深い。
阿蘇スカイライン展望所からの風景
大観峰で見られるカルデラ壁の様子
そこからはやまなみハイウェイをドライブしながら、くじゅう連山の登山口となっている長者原を目指す。
前回は、完全にガスの中に入ってしまって視界数十メートル程度の中を走り続け、長者原までやってきてもそこがどんな所なのかも全く分からないままに通り過ぎてしまった、因縁の場所である。
長者原の風景
そこで温泉に入ってから、キャンプ場入りするつもりでいた。
長者原までやって来ると、駐車場には車が沢山停まっているものの、人間の姿があまり見られない。
モンベルのくじゅう長者原店がある以外は、観光施設らしきものもない。
どうやらここは、くじゅう連山の登山口としての役割しかないようだ。
筋湯温泉の打たせ湯、入り口でメダルを買って回転ドアで中に入る
ここの長者原ヘルスセンターで温泉に入れるかと思っていたが、足湯程度しか見当たらない。
しょうがなく付近の温泉を探したが、ホテルに付属する温泉は入浴料の高い所ばかりで、我が家の様にカラスの行水程度で利用するのは勿体ない。
筋湯温泉のうたせ大浴場が安く入れそうなので、そこに行くことにした。
日本一の打たせ湯が自慢らしいが、沢山の打たせ湯がある他は洗い場の蛇口からは水しか出なくて、しょうがなく浴槽のお湯で体を洗うしかない。
変わった温泉があるものだと感心する。
今日は早めにキャンプ場入りしてゆっくりするつもりでいたけれど、長者原まで足を延ばして、温泉を探すのにも手間取ったりして、キャンプ場に着いた時は今日も午後4時を過ぎてしまっていた。
この旅の間、キャンプ場には午後4時ころまでに入ろうと考えていたけれど、何時も最後は時間に追われるように車を走らせ、大体は4時を過ぎてしまうのである。
ボイボイキャンプ場は人気のキャンプ場らしく、今日は土曜日と言うこともあって、既に沢山のテントが張られていた。
それでもまだスペースは、沢山空いていた。
ただ、敷地全体が傾斜していて、平らな場所には殆ど先客のテントが張られていたので、少し傾斜している場所でも我慢してテントを張るしかない。
くじゅう連山が目の前に広がるサイト
午後5時近くになってもまだ陽射しがあるので、湿っていたシュラフを急いで乾かす。
目の前にはくじゅうの山並みが迫り、遠くには阿蘇五岳らしき姿も見えている。
期待していた通りロケーションは最高である。
霞んで見えているのは阿蘇五岳か
風がやや強く、焚き火用の薪を拾えるような場所でもないので、日が沈んだ後はテントの中に籠って寒さをしのぐしかない。
風は一晩中吹いていたけれど、午前6時に朝日が昇って来ると同時にピタリとやんだ。
この風のおかげでテントも全く結露しないで朝を迎えた。
テントの結露の有無で、朝の忙しさが全く変わる。
今朝は美しい朝日を眺めながら、ゆっくりと朝のコーヒーを味わう余裕があった。
撤収も早く、午前8時前に余裕を持ってキャンプ場を後にした。
旅の間で一番美しい朝日を見られた