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山陰九州の旅(まずは姫路城)

牧野キャンプ場(3月31日~4月1日) 船中2泊(3月29日~31日)

去年の11月、4泊5日の日程でレンタカーを借りて九州を回ったけれど、時間が足りなくて駆け足の観光となってしまった。
その反省から、今年はキャンプしながらもっと時間をかけて回ろうと、山陰九州の旅を企画したのである。


太平洋フェリー「いしかり」

山陰や九州を回るのならば、小樽~舞鶴の新日本海フェリーを利用するのが便利である。
しかし、最近の新日本海フェリーは全然割引がなくなってしまったので、今回は苫小牧~名古屋の太平洋フェリーを利用することにした。
28日前までに予約すれば50%OFFになるので、かなりお得に旅ができるのである。
ただ、28日前ならば全て50%OFFなのかと思ったら、数に限りがあるようで、帰りの便しか50%OFFにならなかったのはちょっと誤算だった。

苫小牧発午後7時。
当日は時間がたっぷりとあるので、長沼付近でマガンの群れを観察しながら苫小牧入り。


長沼付近のマガンの群れ


出航は午後7時だけれど1時間半前には乗船できるので、出航前にのんびりと晩酌する余裕がある。
船旅にも慣れてきたので、船内での飲食は全て持ち込み。
名古屋まで40時間、船内で2泊することになるけれど、仙台港にも寄港するので2泊目の食事やアルコール類はそこで買出しできる。
午後8時からはラウンジショーもあって、フェリー初日は退屈しないで過ごせた。


船上から見る3月30日の朝日

朝日を楽しみ、朝風呂に入って午前10時に仙台着。
出航は12時50分なので、下船してゆっくりと食事や買い物を済ませられる。
ただ、この間自由に乗り降りできるわけではなく、一旦下船すると再乗船は仙台からの乗客と一緒に乗り込まなければならないので、時間を持て余すこともある。

私は東日本大震災後に東北を訪れるのは今回が初めて。
ビルの壁面に記されたこの地を襲った津波の高さに、改めて衝撃を覚えた。

イオン多賀城店で買出しをして一品堂でラーメンを食べ、笹かまぼこ、牛タンスモーク、ずんだ餅と仙台名物を買い揃え、船へと戻ってきた。
初めて食べたずんだ餅。その甘じょっぱい味は、一度食べれば2度目は無いなと思わせるものだった。

仙台からは団体の観光客も多数乗船してきて、静かだった船内が急に賑やかになる。
出港するころには雨が降り始めた。
時節柄だろうか、転勤者を見送る風景も見られる。
雨に濡れながら何時までも手を振り続ける姿、船の見送りシーンは何時も感動的だ。
ラウンジショーも昨日と同じメンバーなので、自分たちの部屋に籠もってビールを飲んで過ごす。


見送る方

見送られる方


翌日午前10時半に名古屋港に到着。
小樽~舞鶴より船に乗っている時間は長かったけれど、2泊して、仙台では途中下船もしたので、そんなに長くは感じずに名古屋までやってこれた気がした。


名古屋港に入港


そこから直ぐに高速道路に乗って、最初の目的地である姫路城を目指す。
昼食は途中のサービスエリアで食べようと思っていたが、この日が日曜日だったこともありサービスエリアは何処も大混雑。
食堂に入れるような状況ではなかったので、弁当を買って駐車場の車の中で食べることにした。

神戸、大阪の複雑な高速道路を無事に通り抜けられるか心配していたけれど、事前に多くの皆さんから情報をもらい、Googleナビにも助けられながら、何とか姫路城までやってきた。
桜も見ごろを迎えた日曜日の姫路城。大混雑が予想された。


姫路城は観光客で大賑わい

そんな中で比較的空いていそうな「城の北駐車場」に向かったところ、少し待っただけで何とか車を停めることができた。
そこからお城の外をぐるりと回って南側の入城口までやってきて、人の多さに圧倒される。
混雑する通路の真ん中でスマホで自撮りしながら通行の邪魔をしている中華系観光客が多いのは、こんな観光地ではおなじみの風景である。

姫路城を訪れるのはこれが2度目。2年前の四国の旅の際、最終日の舞鶴まで戻る途中の既に開館時間を過ぎた後に到着し、駐車場から天守閣の写真を撮っただけで慌しく通り過ぎて以来である。
その時は、満開の桜と美しい姫路城の姿に感動し、桜の咲いている時に是非もう一度訪れてみようと、今回の再訪となったのである。



2年前は4月13日、今年は3月に暖かな日が続いていたけれど、ここにきて気温の低い日が続き、姫路城の桜は5分咲きといったところだろうか。
それでも桜の花越しに眺める姫路城の姿は本当に美しい。


大天守に登るのは1時間待ちだったので、私たちは外から眺めるだけで我慢することにした。
それでも、姫路城は天守閣に登るよりも外からその美しさを楽しむ城だと思っていたので、全く不満はない。


他に観光客の姿が無くなったところで記念撮影


場内の広場は花見客で賑わっていた。
普通ならば「花より団子」といったところだが、姫路城をバックに楽しそうに騒いでいる酔客の姿は、私には「城より団子」といった風情に見えた。


城より団子の花見風景


大天守に登らなくても、時間に余裕が無いことに変わりはない。
急ぎ足で場内を巡り、好古園はパスして、お堀沿いに歩いて北側のシロトピア記念公園まで戻ってきた。
そこで姫路城を眺めながら一休みしていると、園内にあった健康歩道をかみさんが歩き始めた。
小さな石が敷きつめられたあれである。


かみさんは健康歩道の上をスタスタ歩いていたけれど・・・


かみさんが簡単に歩いている姿を見て私も試してみたが、歩くどころか上に乗っただけで足の裏に激痛が走り、一歩も動けずに終わってしまった。
足裏のつぼから判断するに、私はあまり健康とは言えなそうだ。



今日の宿泊は、そこから11キロほどの牧野キャンプ場。
旅の間に宿泊するキャンプ場は、事前にじっくりと調べておいた。
移動しながらのキャンプとなるので、車を横付けできることが条件で、しかもなるべく快適そうなキャンプ場であること。
オートキャンプ場でも、料金の目安は3000円程度まで。
1区画5000円くらいのオートキャンプ場も結構あるけれど、それだけの料金を払うのならば、素泊まり1泊3000円のビジネスホテルに泊まった方がましなのである。


牧野キャンプ場

途中のスーパーで買い物をして、Googleナビを頼りにキャンプ場を目指す。
Googleナビは、道路状況などは考慮せずに、ひたすら最短距離のルートを選ぶ傾向がある。

四国の旅をした時は、それで何度も酷い道を走らされていたが、今回もとんでもなく細い道をナビされ、目的地まで1キロ程度の場所で前進も後退もままならない状態に陥ってしまった。
近くの家の方に正しい道を教えてもらい、何とかキャンプ場へと辿り着いた時には既に午後5時を過ぎていた。

こちらは北海道よりも日没時間が遅く、午後7時くらいまで明るいので、こんな時は助かる。
前日に予約の電話を入れたとき、「テントのイベントが行われていて、何十張りもテントが張られている」と言われて驚いた。
私たちが着いた時には、撤収も全て終わっていて、「ここでそんなイベントが行われるのか?」と思えるような質素なキャンプ場に戻っていた。

管理事務所があるわけでもなく、管理は地元の自治会がやっているようで、暫くしてから管理人さんが集金しにくる。
料金は一人400円。
オートキャンプ場のように設備が整っていなくても、トイレと水場があり、車の横にテントを張って、静かに過ごすことができれば何の不満も無い。
私達向けのキャンプ場だった。

夕食はストックしてあるレトルト食品で簡単に済ませる。
日が沈むと急速に気温が下がってきた。
本州のキャンプ場でここまで寒くなるとは思わなかったので、防寒対策も真剣には考えていなかった。
服を全部着込んでもまだ寒く、直ぐに焚き火を始める。
場内に丁度良い屋根つきの炉があったので、そこを使わせてもらう。
枯れ枝も沢山拾えるので、豪快に燃やすことができる。キャンプ初日で早くも体中が焚き火臭くなりそうだった。


キャンプ初日から焚火を楽しめた


かみさんがササッと酒の肴を作ってくれる。
家から持ってきていた十勝ワインの2015ビンテージがとても美味しかったこともあり、焚き火の前であっと言う間に1本が空いてしまった。
こうしていよいよ山陰・九州の旅が本格的に始まったのである。


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