北海道キャンプ場見聞録
サンマ牡蠣祭りキャンプ
カムイコタン公園キャンプ場(9月15日~17日)
カヌークラブの9月例会は恒例の歴舟川。
私達は前日からカムイコタン公園キャンプ場入りして、ゆっくりと過ごすつもりでいた。
大樹町のこの日の天気予報は曇りだったけれど、キャンプ場に近づくに従って雨が降り始める。
これは全くの想定外の雨で、テンションも下がってしまう。
キャンプ場に到着したのは午後5時近く。
本当はもっと早い時間に来たかったのだが、この雨では早く着いても時間を持て余していたかもしれない。
バーベキューハウスは既に冬囲いされていた
キャンプ場は既に9月3日に閉鎖されていたが、その後は駐車場横のトイレと水飲み台が使えるだけで、キャンプ場は自由使用となっている。
今回のキャンプでは釧路直送の牡蠣とサンマを食べようとの企画があったので、中央にバーベキューハウスがあるBサイトを利用するつもりでいた。
しかし、そのバーベキューハウスの炉は既にブルーシートで冬囲いされていて使うことができない。
しょうがないので、駐車場横の芝生の広場を利用することにする。
バーベキューハウスが使えない時のためにビッグタープを持ってきたのは正解だった。
タープを設営している最中に雨が上がる。
それから自分達のテントを張る頃には辺りは暗くなり始めていた。
秋になって日が短くなってきたことを実感する。
明日のキャンプは30名くらいは集まりそうで、とても一つのタープの下には収まりきらない。
ウッチーさんに連絡して、スクリーンテントを一張り持ってきて貰うことにした。
誰もいないキャンプ場の大きなビッグタープの下で二人っきり。
軽く夕食を済ませて、ひっそりと焚き火にあたる。
誰もいないキャンプ場での二人だけの焚き火
午後9時前にN島さんとsenちゃんが到着。
今年の5月に東京転勤になってしまったsenちゃんは、この例会に参加するため来道し、N島さんの車に同乗して歴舟までやって来たのである。
3名到着
北海道に転勤してきて私達のクラブに入会し、クラブに馴染んできた頃にまた転勤で北海道を離れてしまう。
そんな人がこれまでも沢山いたけれど、その年のうちに例会参加のために北海道まで戻って来たのはsenちゃんが初めてである。
尻別川の二叉の瀬でsenちゃんが見せたハイジャンプは、クラブのメンバーの脳裏に今でも焼き付いており、明日は皆から歓待されることだろう。
間もなくして、仕事を終えてから釧路を出てきたO橋さんが到着。
近頃は、例会の時に皆が集まってくる時間がとても早くなっていて、決められた集合時間に合わせてやって来ると、遅刻したような目で見られてしまう。
その傾向は益々強まり、最近は前の日に集まってしまう人達まで出てくる始末なのである。
夜中に到着していたウッチーさん
少人数にもかかわらず、前夜祭は深夜まで続き、日が変わる頃になってようやくテントに潜り込んだ。
寝るのが遅くなっても、目が覚める時間に変わりがない。
シュラフに潜ったままフェイスブックを見ていると、ウッチーさんから「着いた!おやすみなさい」のコメントが。
時間を見ると午前3時頃のコメントである。
集合時間より早く集まる傾向は、更に強まっているようだ。
駐車場に停まっていたウッチーさんの車の横には、小さなテントがポツンと張られていた。
ウッチーさんを起こさないようにして尾田橋まで川の様子を見に行く。
昨日の雨の効果もあって、何とか下れるだけの水量はありそうだ。
朝の歴舟川
スクリーンタープを連結
朝食を済ませ、ウッチーさんが持ってきてくれたスクリーンタープを、皆で設営。
ビッグタープと連結して、これで何とか30名は収容できそうだ。
この日の集合時間は午前10時だったけれど、午前9時頃にはもうかなりの人数が集まってきていた。
札幌から遠く離れていても、早く集まる傾向に変わりはないようだ。
結局、この日のヌビナイ川のダウンリバーには31名が集まったのである。
そして川下りを終えて、キャンプ場に戻ってきた時は既に午後4時を回っていた。
予想以上にヌビナイ川の水は少なく、下るのにも苦労して、身体は疲れ切っていた。
直ぐにビールを飲みたい気分だったが、皆が風呂へ行くというので、ビールは少し我慢する。
大樹町の公衆浴場で汗を流し、再びキャンプ場に戻って来たのは午後5時半。
既に暗くなってきているので、急いで宴会のセッティング。
そして、サンマ・牡蠣パーティーに備えて炭を熾す。
それらを終えてようやくビールに手を伸ばすことができた。
も毎な手さばきで牡蠣を焼くH山さん
それから間もなくして、O橋さんが沢山の発泡スチロールの箱を抱えて到着。
釧路から直送されてきたサンマと牡蠣は、広尾の営業所に届けられていたので、それをO橋さんが取りに行っていたのだ。
皆から喚声が上がる。
他のメンバーも炭を熾して待ち構えているのかと思ったら、意外とコンロの数が少ない。
しょうがなく、私達の周り十数人分は私とH山さんのユニセラ2台で、まずは牡蠣を焼くことにした。
ここで、活躍してくれたのがH山さんだった。
牡蠣を焼く手際の良さがまるでプロ並みなのである。
焼き上がった牡蠣を持参したナイフで次々にこじ開け、開いた牡蠣の殻は無造作に足元に投げ捨てる。
全てに無駄のない熟練の手さばきだった。
焼いた牡蠣は、N島さんが用意していた九州直送のカボスを垂らして食べる。
これがとても美味しいのは言うまでもないが、そこにかみさんがニンニクバターを添えると、これが正に絶品だった。
殻に残った汁をすすると、悶絶するくらいに美味しい。
あちらこちらから煙が立ち上る
遠くの方から「蒸し牡蠣ができたよ」と声が上がる。
大量の牡蠣を一度に処理するには蒸すのが手っ取り早いのだが、やっぱり手間をかけて焼いた方が美味しかった。
知らないところですき焼きパーティーが行われていた
牡蠣を食べ終えたところで次はサンマである。
今回は一人当たりサンマ1匹、牡蠣3個の目安で用意したとのこと。
今年のサンマは不漁で、もしかしたら用意できないと言われていたそうだが、何とか揃えられたみたいだ。
ただ、大きさは小ぶり。
おかげで、ユニセラの上に頭から尻尾の先までスッポリと収まるので、焼くのには丁度良い大きさだった。
皆、牡蠣でお腹一杯になったのか、サンマの売れ行きが今一である。
と思ったら、奥のスクリーンテントの中では料理人パムさんの高級肉すき焼きが振る舞われていたらしい。
人数が多いと何処で何が行われているか目が行き届かず、美味しいものを食べそびれてしまうのである。
タケちゃんがサンマを刺身にしていた。
H山さんの牡蠣焼きと言い、人それぞれに技を隠し持っているのである。
魚を下ろしたことがないと言うガンちゃんが、タケちゃんの指導の下チャレンジしてみたが、刺身ではなくミンチになってしまったようだ。
焚き火の後ろでは新興宗教の団体が踊っていた
タープの下の喧噪から逃れて、少し離れた場所で焚き火を始める。
最初は少人数だったが、E藤さんの下ネタ攻勢から逃げてくる人達も取り込んで、次第に焚き火の周りの人数が増えてくる。
普段から下ネタばかり話している人達が逃げてくるくらいだから、一体どんな下ネタなのだろう。
空の間から星が覗いていた。
こうなると黙っていないI山さん。
すかさず星の解説を始め、その回りに女性達が集まってくる。
空に向かって手を上げるI山さんを取り囲み、女性達も夜空に向かって手をさし上げる。
何だか新興宗教の団体が踊っているように見える。
そうしてキャンプ2日目の夜が更けていった。
翌朝は、時々青空が覗くまずまずの日和。
しかし、徐々に北上し始めた台風18号が明日北海道を直撃するのは間違いない。
例会は明日まで予定されていたが、台風が来るとなるとさすがにキャンプも川下りも無理である。
朝食を終えてから撤収開始。
そしてこの日の川下りスタート地点である歴舟川の坂下へ向けて出発したのである。
朝のキャンプ風景
川下りの方はスタート時に雨に降られたものの、キャンプ場前の川原に到着する頃には青空も広がってきていた。
senちゃんは翌々日に離道の予定だったので、何処かのバンガローでもう1泊しようとの話しになる。
私達は台風の影響が心配だったので帰ることにしたが、一部のメンバーは広尾キャンプ場のバンガローに泊まることになった。
そして翌朝、台風18号は広尾や大樹町付近に2時間で100ミリを超える雨を降らせ、歴舟川は大増水。
そんな中、残留キャンプ組も何とか無事にそれぞれ帰宅できたようで、9月例会は何事も無く終了したのである。