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夕陽を見るなら夕陽台

国設知床野営場(8月2日〜3日)

朝5時過ぎに自宅を出発し、目指すは知床。
退職後は高速道路を使わないようにしているので、ただでさえ遠い知床が果てしなく遠く感じる。

田んぼアート2016それでも、ただ車を走らせるだけでは面白くない。
鷹栖町付近を走っている時に「田んぼアート2016」の看板を見つけ、迷わずに寄り道。
それはJAたいせつで作っている田んぼアートで、写真では良く目にしていた。

実際の田んぼアートはとても大きく、一枚の写真では収まりきらない。
イネの種類を変えるだけで、これだけ見事な絵を描けるとは驚きである。

天気が良いので層雲峡にも寄り道した。
丁度2週間前には、ここから大雪山を縦走したのである。

今回の知床での目的は、知床連山の縦走。
僅か2週間の間に大雪と知床を縦走するなんて、自分でも呆れてしまう。
相変わらず、退職後からの明日がないかのような遊び方は続いているのだ。

層雲峡に寄り道中華系観光客に占領されたかのような銀河の滝、流星の滝で写真を撮り、早々に出発する。

遠出をする時、何処で昼食にするかは結構大きな問題である。
今回狙いを定めたのは、雑誌HOの最新号で紹介されていた北見の「そば香ろあん」。
ミシュランガイドにも載ったことがあるそうだけど、これに載ったからといって驚くくらいに美味しい訳ではないことは良く分かっている。

私としては十分に満足できたけど、かみさんは「つゆがしょっぱい」との何時もの評価だった。
薄味に慣れているかみさんに美味しいと言わせるのは、なかなか難しいのである。

斜里のスーパーで買い出しをし、天に続く道を経由して、今日の宿泊地である国設知床野営場へと向かう。
ここに泊まるのは初めてだった。
ウトロで利用したことがあるキャンプ場は知床自然村。
オホーツク海の眺めが最高のキャンプ場だったが、残念なことに現在は閉鎖されてしまった。

 
天に続く道

もっと青空が澄んでいる時にこの「天に続く道」の写真を撮ってみたい


午後3時前にはキャンプ場に到着。
管理棟の事務所では年配の管理人さんが二人、気持ち良さそうに居眠りをしていた。
申し訳なく思いながらも、起きてもらって受付を済ませる。

我が家のサイト既に8月に入っていて、ウトロでは一箇所しかないキャンプ場。
相当な混雑を覚悟していたが、場内は拍子抜けするくらい空いていた。

サイトは殆どが林間である。
周りの展望はなく、何処にテントを張っても同じようなものだ。
明日の出発が早いので、早めに朝日が当たってきそうな、開けた部分にテントを設営。

ビールを飲んで一息付いてから、直ぐ隣にある「知床夕陽のあたる家」の温泉に入りに行く。
この時は知らなかったけれど、もう少し行った先に2年前にオープンしたばかりの日帰り温泉「夕陽台の湯」があったのである。
でも、入浴料金も同じで、多分泉質も変わらないだろうから、どちらに入るかはお好み次第だ。

キャンプ場に戻ると、キャンパーも増えてきていた。
人気観光地のど真ん中にあるキャンプ場だけあって、キャンパーのタイプも様々である。

帯広柏葉高校山岳部 久しぶりに人間ウォッチングを楽しむ。
ちょい悪オヤジ風の男女カップル、キャンプ場には似つかわしくない服装の女性、テントの設営にやたらに時間のかかっているキャンパー、子供達が張り切って荷物運びをしているファミリー、定番のリタイア車中泊夫婦にリタイアライダー。
百名山の羅臼岳もあるので、登山者風のキャンパーも多い。

背中に帯広柏葉の文字が入ったTシャツを着た若者のグループ。
私の母校の山岳部のようだ。

懐かしくなって、顧問の先生らしき人に話しかける。
羅臼岳での1泊登山の予定が、前日の大雨の影響で道路が通行止めになり、知床5湖の観光に切り替えたとのこと。
私達も、今回は知床連山の縦走が主目的だったので、貴重な情報だった。

他にも、帯広大谷高校のテントも張られていた。
私も、高校生の頃から山岳部に入っていたとしたら、今とは全く違う人生を送っていたような気がする。

夕陽台は大賑わいキャンプ場内には夕陽台と呼ばれる夕陽の名所がある。
陽が沈む時間が近づいてくると、場内のキャンパーの大部分がそこに集まってきた。
お約束の時間である。

それどころか、周辺の宿に泊まっている人達までやって来るようだ。
でも、木の枝が邪魔でそれ程眺めの良い場所でもない。

私達はそこを避けて、隣のホテルの従業員駐車場に行ってみる。
そちらの方が人もいなくて眺めも良い。
ガスがかかってきて、幻想的な夕陽の風景となった。

昔の知床自然村なら、サイトに居ながらにして美しい夕陽が楽しめたのに、閉鎖されてしまったのがとても残念である。


夕陽台から見る夕陽

夕陽台では人の頭越しでなければ夕陽が見られない


夕陽台から見る夕陽   夕陽台から見る夕陽
ガスがかかって幻想的な夕陽となる   最後の瞬間まで楽しめた

混みあった場内なのに、暗くなると意外な程静かだった。
やっぱり、キャンプが目的ではなく、観光目的できているキャンパーが多いからなのだろう。

これから縦走する知床連山が見えていた翌朝はテントに付いた夜露を雑巾で拭き取り、早めに撤収。
朝の6時半頃にキャンプ場を出る頃には、柏葉高校の若者達の姿は既に消えていた。
彼らは今日、羅臼岳の日帰り登山の予定なので、かなり早い時間にキャンプ場を出発したのだろう。

薄曇りの空だけれど、知床連山の姿も見えていて、今日はまずまずの登山日和となりそうだった。
硫黄山の登山口へ向かうシャトルバスに乗るため、私達は知床自然センターを目指した。

知床縦走の様子はこちらから 




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