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真っ黒な雲の下で太陽の里キャンプ

山部自然公園太陽の里キャンプ場(9月6日〜7日)

週末は天気が良くなりそうなので、久しぶりに山に登る計画を立ててみた。
まだ登ったことがない山と言う事で候補に挙がったのは、羊蹄山、夕張岳、芦別岳の3カ所。
土曜日に前泊して、天気の良い日曜日に山に登ることにする。
久しぶりに山部自然公園太陽の里キャンプ場を利用してみたかったので、登る山は芦別岳に決まった。

青空と白い雲しかし、今年のお決まりのパターンで、前日になって週末の天気予報はパッとしないものに変えられてしまった。
高速道路を北へと向かう途中、真っ青な空に真っ白な雲が浮かぶ風景が私の心を浮き浮きさせてくれる。
でも、冷静に見れば、それらの雲の中には次第に積乱雲へと姿を変えつつあるものも混ざっていて、大気が不安定な事を表す風景なのである。

三笠の更科食堂で昼食にする。
この店に入るのは2回目だけれど、何時も不思議に思うのが、ほとんどのお客さんが2人前注文しているのである。
もりそば2人前、暖かい蕎麦ともりそば、中にはラーメンともりそばを頼んでいる人もいる。
メニューの中には一応、もりそばの大もりもあるのだけれど、それではなく「もりそば2枚!」と注文するのだ。
三笠市立博物館のアンモナイト展示美味しい蕎麦なので、1人前を食べただけではちょっと物足りないのは確かである。
ほとんどは地元のお客さんの様で、昔の炭鉱の町には、そんな流儀でもあるのかと、二人で首をかしげながら店を出てきた。

今日は先を急ぐ旅でもないので、化石類の展示が充実している三笠市立博物館に立ち寄ってみる。
ここのアンモナイトの展示は、日本の中でも一番充実しているらしい。
最近になって少しだけ化石採取をするようになった私達夫婦にとっては、まずはアンモナイトの化石を見つけるのが第一目標である。
そのためには、この博物館で開催している講座に参加してみるのも良いかもしれない。

 
翼竜   恐竜
展示室の天井を飛ぶ翼竜   建物の屋上からは恐竜が見下ろしていた

博物館を出る頃には、空を覆う雲の面積もかなり広がっていて、富良野へ向かう途中ではとうとう雨も降り始めてしまう。
その雨も富良野に着く頃には上がって、再び青空も覗いてくる。
今日の富良野の天気予報は曇り時々晴れで、日中はところによりにわか雨となっていた。
良い天気予報は直ぐに外れるけれど、悪い天気予報は概ね外れることはないのである。

十勝岳連峰にかかる雲明日、芦別岳から眺める十勝岳連峰の姿を楽しみにしているのだが、その十勝岳連峰の上には大きな積乱雲がかかっていた。
一方、夕張山地に含まれる芦別岳や富良野西岳の山々は、つい先ほどまで雨を降らせていた雲がまだへばり付いたままだ。
天気が回復するまで富良野マルシェに寄り道。
バスストップのアイスクリームを食べているうちに青空も広がり、太陽の里キャンプ場に向かうことにした。

空気が雨に洗われたおかげで、富良野の西側に連なる山々がくっきりと見えている。
しかし、明日登る予定の芦別岳の上空から、真っ黒な雲が気持ちの良い青空に向かって広がってきているのが、何とも皮肉である。
キャンプ場はその雲の真下に位置しているのだ。


まだ雨が降っていそうな夕張山地の山並み   青空とアイス
山はまだ雨   アイスと青空

芦別岳と黒い雲
芦別岳から黒い雲が湧き出てくるようだ

到着したキャンプ場は、広い場内に数張りのテントがあるだけで閑散としていた。
無料のキャンプ場で、時期的にもまだ9月に入ったばかり。
もっと多くのキャンパーで賑わっているだろうと思っていたので、ちょっと意外だった。
パッとしない天気予報と、先ほどまで降っていた雨の影響もあるのだろう。

山の風景が素晴らしいサイトここを利用するのは3回目。
最後に泊ったのは、カヌークラブの例会で利用した12年前も昔のことである。
芦別岳の麓に位置しているので、芦別岳や屏風岩、夫婦岩などが間近に迫って見えて、それがここの魅力でもある。
山の姿が一番良く見えるのはキャンプ場の入り口付近。奥に入るに従って山の木々が邪魔をして、その姿が見えづらくなる。
サイトはユーフレ川を挟んで二つに分かれ、山に向かって左側のサイトは明るくて開放的な雰囲気。
もう一方の右側のサイトは大きな樹木もあって落ち着いた雰囲気となっている。

我が家の好みはやっぱり右側のサイトである。
利用者の少ない今回ならば、山の姿が良く見える左側サイトでも良かったが、一目見て気に入った場所がステージ前の芝生広場で、そこはテント設営禁止になっていたので諦めるしかなかった。
右側サイトには長期滞在者っぽいソロテントが一張りあるだけ。
一番奥にテント設営今回は山装備のキャンプなので、荷物運びの事は考えずに、好きな場所にテントを張ることができる。

芝生は良く手入れされていて、場内は緑に包まれている雰囲気だ。
ただ、その芝生を良く見るとチドメグサと言う雑草に覆われている場所が多かった。
チドメグサは湿り気のある場所を好む種類なので、そこにテントを張る気にはならない。

結局はサイトの一番奥、 日が射してきたので、その日射しを避けるように、大きなクロマツの木の下にテントを張ることにした。
でも、空には相変わらず雲が多く、このまま晴れたとしても西側に山が迫っているので日が沈むのも速い。
わざわざ日陰を求める必要はなかった。

ビールを飲みながらまったりビールを飲んでいる間にも日が射したり陰ったりと、目まぐるしく天気が変わる。
日が射すと、緑の芝生が一気に輝きを増して、サイトの雰囲気が急に明るくなる。
日が陰ると今度はパラパラと雨粒が落ちてきて、慌ててテントの中に避難する。

こんな時のために小さなタープがあれば良いと思ってしまう。
でも、雨が降る中をタープの下でまったりする様なキャンプもしなくなったし、タープの下で日射しを避けたくなるような季節にはキャンプをしないし、買ったとしても活躍する機会はそれ程無さそうだ。
そう考えると、これ以上キャンプ道具を増やすことにためらいを感じてしまうのである。


我が家のサイト
ここが我が家の特等席だ
場内の様子   場内の様子
緑に包まれたキャンプ場   松の木越に見える我が家のテント

大発生中のクスサンこの付近では大型の蛾であるクスサンが大量発生しているらしく、照明灯の下には茶色い枯葉の様にクスサンの死がいが沢山落ちている。
日中でもひらひらと飛んでいる奴もいるし、照明灯のポールにもかなりの数が張り付いている。
蛾類が苦手な人にはあまり嬉しくはない光景だろう。
でも、毒のある種類ではないし、炊事場の壁を埋め尽くすようなマイマイガの大量発生と比べれば、可愛いものである。

夕食は最近の我が家のキャンプで定番となっている五目御飯にプラス一品。
米を2合炊いても二人では食べきれないので、残りをおにぎりにして翌日の朝食や行動食にするには、五目御飯が向いているのだ。
それに五目御飯ならば、それ程おかずに手間をかける必要もない。
二人だけのシンプルキャンプには、これが一番なのである。

焚き火そして、食事をさっさと済ませた後は焚き火タイム。
今回は焚き火の事は全く考えていなかったけれど、すぐ隣に焚き火ができそうな野外炉があるので、これは見逃すわけにはいかなかった。
コンクリートの叩きの上に鉄の格子状の台が付いているタイプの野外炉で、同じものは東大沼野営場に見たことがあるだけだ。

問題は、日中に降った雨のため、そこらに落ちている木の枝は湿ったものばかりであること。
そして着火剤を持ってきていないことだった。
それを救ってくれたのが、屋根付きの野外炉の中に無造作に置いてあった大きながんび(白樺の皮)である。
それに持ち主がいるとも思えない状況だったので、ありがたく使わせてもらうことにする。
これが予想以上の火力で、湿った小枝もあっという間に燃え上がらせてくれた。
一度火が付けば、少しくらい濡れた枝でも問題なく燃やすことができる。

月は雲に隠れたままこのタイプの野外炉はダッチオーブン料理をするのには向いていそうだが、普通の焚き火をするには鉄格子が邪魔になってちょっと使いづらい。
太い薪を拾ってきても、鉄格子の下には入らないし、鉄格子の上に乗せても燃えづらい。
工夫しながら燃やさなければならないので、それはそれで結構楽しめる。

空には後2日で十五夜を迎える明るい月が浮かんでいたが、雲にさえぎられてなかなかその姿を見せてくれない。
結局この日のキャンプ場の上空から雲が取れることはなかった。

照明灯の回りではクスサンが乱舞している。
同じ色の光を放つ照明灯でも、クスサンの集まるものと全く集まらないものがあり、不思議である。
焚き火風景たまに間違えて焚き火の中に飛び込んでくるクスサンもいる。
翅に火が付いたまま飛び回られたらどうしようと心配したが、さすがに焚き火の中では直ぐに燃え尽きてしまった。

太い薪がまだ燃え残っていたが、それを燃やすためにはもっと大量の薪を拾い集めなければならない。
明日の朝は早いので、早めに寝ることにした。

夜中に目を覚まして、スマホで雨雲レーダーを確認したところ、この場所に向かって雨雲が東進してくるところだった。
ちょうど山に登る頃には、その雨雲がここまでやってきそうだ。
北海道の中で雨雲があるのはここだけである。
自分の運の悪さを嘆くしかない。

朝寝坊天気が良さそうならば張り切って早起きするのだが、これでは気合が入らず、家にいる時よりも遅い時間に起きてしまう。
先に起きていたかみさんの話しによると、昨日の夜にやって来た登山者らしきグループは、朝の5時頃にはもう出発していったとのこと。
彼らは旧道コースを登っていったらしい。
旧道コースならば時間もかかるので、その時間に登り始めないとだめなのである。

その話しを聞くと、ようやくやる気が湧いてきて、テントから起きだした。
急いで朝食を済ませ、6時半に新道コースから芦別岳に向かって出発した。

(この後の芦別岳登山の様子はこちらから

キャンプ場に到着そして再びキャンプ場に戻ってきた時には、既に午後3時半を過ぎていた。
顔には切り傷、腕にも擦り傷、ズボンのお尻は泥だらけ。
疲労困憊だったが、これからテントを片付けなければならない。

それでも、自分達が立っていた山頂を改めて見上げると、心の底から充実感が湧いてくる。
次は旧道コースからの登頂を目指して、もう一度このキャンプ場に泊まることになりそうだ。


帰り際にもう一度芦別岳を振り返る   積乱雲
帰り際に見たユーフレ川と芦別岳   私達が帰る頃、道内ではあちらこちらで雷雨になっていたようだ




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