北海道キャンプ場見聞録
礼文島の旅(後編)
憧れの野営地・久種湖畔キャンプ場(7月26日〜28日)
礼文島に来て2日目。 雨さえ降らなければ、かみさんも自分のテントを担いで来ていたので2張り設営するつもりだったが、翌日の雨の中の撤収を考えると、1張りで済ませた方が無難である。 そこの海岸が、奇跡的に携帯圏内だったのはありがたかった。 到着と同時に沢水に付けておいた500mlのビールを飲むことにしたが、全然冷えていない。 雨雲レーダーの今後の予想を見ると、午後4時頃には雨雲も過ぎ去りそうである。 |
タイトル「礼文の思いで」 |
狭いテントの中でじっとしていると、エコノミー症候群になりそうである。 突然、雷のような轟音が辺りに鳴り響いた。 トレイルマップには、この辺りの海岸線は高波や強風の時は通行不可と書かれている。 雨の降る中、落石の音に怯え、自然の力に圧倒されそうな自分がいた。 |
我が家にとっては最高のテントサイトである |
午後4時を過ぎ、レーダー画面では雨雲も完全に通り過ぎているのに、まだ霧雨が降り続けていた。 そのくせに「大雨が降って直ぐ横を流れる沢が増水して渡れなくなったらどうしよう」なんて心配もしていた。 簡単な夕食を済ませてから、再び海岸の風景を楽しむ。 夜中になって、テントを大きく揺らす風が吹き始めた。 翌朝になっても、雨は降ったり止んだりを繰り返していた。 全ての荷物をザックに詰め、最後に濡れたテントをザックの一番下に押し込んで、それを背負う。 まずは沢の横から一気に標高200mまで登らなければならない。 沢からの登りはかなりの急登だが、こんな場所は下るよりも登る方が楽である。 |
この沢の横を一気に登る | 意外と花の多いところだった |
200mの急登は登る方が楽かもしれない |
しかし、本当の難所はその先に待ち構えていたのである。 その記憶にあった場所がなかなか現れないのだ。 5年前にこんな場所を歩いた記憶は無かった。 礼文島の8時間コースと言えば、トレッカーには憧れのトレイルでもあるはずだ。 樹木に囲まれているので風は遮られるが、そのおかげで逆に蒸し暑く、雨具を着ていることもあって体が汗で濡れてくる。 2時間の藪こぎを終え、9時30分召国への分岐へ到着。 樹林帯を抜けると、風がまともに吹き付けてくるようになる。 靴の中、雨具の中もかなり濡れてしまっていた。 ガスに霞んで西上泊の集落が見えてきた。 ようやく携帯が繋がるようになったので、久種湖畔キャンプ場に電話をかけてみる。 当初の目的地がスコトン岬だったことなど、とっくに忘れ去っていた。 5年前に歩いた時の8時間コースは、スコトン岬がスタートで礼文林道までだったはずだ。 ただ、現在の8時間コースならば、今回歩いた印象では、敢えて歩く価値も無いのかなと感じてしまった。 10時15分、ようやく車の走る道路まで出てきた。 本来の8時間コースはここが終点だけれど、キャンプ場まで後1.5キロ歩かなければならない。 バンガローの中は広くて気持ちが良かった。 午後3時近くになってようやく雨も上がったので、町まで買い物に出かけ冷えたビールを買ってくる。 |
バンガローの中でホッと一息 | 外人キャンパーの多い場内 |
その後また、日本最北の銭湯までお出かけ。 銭湯で汗を流して、キャンプ場に戻ってくる。 礼文島滞在最後の朝も、相変わらず曇りがちの天気だった。 キャンプ場から朝一番のバスに乗ってフェリーターミナルへと向かう。 このバスは、フェリーの出航時間の10分ちょっと前にフェリーターミナルに着くので、お土産屋を覗く余裕もなく、急いでフェリーに乗り込んだ。 |
これで久種湖のキャンプ場にお別れ | フェリーの上から手を振り続ける |
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