北海道キャンプ場見聞録
礼文島の旅(前編)
民宿から憧れの野営地へ(7月25日〜26日)
金曜日の朝4時30分に家を出る。 上空には青空が広がっているのに、海の向こうに見えるはずの利尻山の姿が全く見えない。 |
稚咲内付近の直線道路 | 利尻山があるはずの場所には何も見えない |
今回の目的地は5年ぶりの礼文島である。 椅子席でビールを飲んでいる間に礼文島に到着。フェリーの上からも、利尻島の姿は全く確認できなかった。 フェリーターミナル2階の食堂で軽く昼食を済ませ、その後は桃岩コースを歩いて、今日の宿である知床の「民宿はまなす」に泊る予定である。 しかし、その申し出を断ったことを直ぐに後悔する羽目となった。 団体の観光客は、もっと桃岩展望台に近いところでバスを降りて、そこから登り始める。 桃岩展望台まで登ってきた。 5年前にこの桃岩コースを歩いた時は、濃い霧に包まれて周りの風景はほとんど何も見えなかった。 |
オニシモツケが満開だけど、あまり綺麗じゃない | 桃岩とエゾカワラナデシコ |
霧の中に見えていたキンバイの谷、そこに咲き乱れる色とりどりの花々、霧が晴れればどんなに素晴らしい景色が見られるのだろうと5年前は考えていたものである。 その物足りなさの理由は、花の少なさの他に、遠くの風景が霞んでいるせいもあった。 元地灯台まで、2組の団体さんを追い抜く。 |
西海岸の遠くは霞んでしまっていた |
キンバイの谷で咲くレブンウスユキソウ | 元地灯台に到着 |
元地灯台からは、知床に向かって真っすぐに下って行くだけである。 知床までは単調な下りが続くけれど、5年前はその途中から海側へ行ける派生コースができていた。 そうして午後4時、民宿はまなすに到着。 今回の礼文行きを決めたのは10日ほど前、休む日程を決めたのは5日前、宿の予約をしたのは前日と、殆ど思い付きだけで島にやってきたようなものである。 私達が泊った部屋は、道路を挟んだ直ぐ前が海で、ちょうどそこが小さな船揚げ場になっていた。 翌朝、宿の窓から、ウニ漁に出ていく漁船を見送る。 出発前に礼文島の情報をネットで検索していると、泊った旅館でウニが出てこなかったと文句を言っているページがあったりして、我儘ばかり言う観光客を相手にするのはなかなか大変なのである。 一緒に宿に泊っていたソロの男性、おじさんおばさん4人グループと一緒に車で送ってもらい、私達は礼文林道入口で降ろしてもらう。 上空には雲を透して太陽の姿がかろうじて見えているが、これから向かう礼文島北部の山々は鉛色の雲に隠れてしまっている。 |
これから向かう方角がこんな様子では力も入らない |
唯一花を楽しめたのが、レブンウスユキソウの群生地だった。 礼文滝への分岐で一休みする。 この先に宇遠内と香深井への分岐がある。 そんなことを考えながら、携帯が一度も通じないまま、宇遠内への分岐まで来てしまった。 礼文林道の標高は大体220mくらい。宇遠内への分岐地点の標高は30m。 汗をかきながら峠を目指して黙々と登っていく。 峠を越えると、後は海岸までひたすら下って行くだけだ。 |
この岩場を下れば西海岸までもう少し |
4、5名の人達が港を眺めながら座り込んでいた。 そこから目的の場所までは険しい崖が迫る海岸線を歩いていく。 |
険しい海岸線を歩く | この辺りの石は全て上から落ちてきたものだ |
空模様もかなり怪しくなってきていたので、急いでテントを設営する。 それは良いのだけれど、その海岸全体に海藻が散らばっているのが気になった。 そうして、私達がテントを張り終えるのを待っていたかのように雨が降り始めた。 |
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