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それぞれのキャンプ模様オコタンキャンプ

オコタンキャンプ場(8月25日〜26日)

 美笛キャンプ場を逃げるように後にして、向かったのがオコタン野営場。
 美笛からオコタンへ行くためには、支笏湖をほぼ一周しなくてはならない。美笛とオコタンを結ぶ山道を通れば直ぐなのだけれど、この道は長い間通行止めになったままである。
 もしかしたらこのまま廃道になってしまうのかもしれない。支笏湖温泉街とポロピナイを結ぶ道路が有料だった時代には、迂回路としてどうしても必要な道だったのだろうが、今となっては常にがけ崩れの恐れがある美笛〜オコタン間の道路を無理して通す必要はほとんど無いのである。
 ところで、この温泉街とポロピナイの間が無料で通れるようになったのは何時頃だったろう?若い人に、ここが有料道路だったといっても直ぐには信じてもらえないだろう。自分の年を感じてしまう話である。

モンベル軍団? オコタン野営場では、湖畔サイトが埋まっていたら林間サイトにテントを張るのも面白いかもしれない。
 入り口のゲートで管理人さんに混んでいるか聞いてみたら、それほど混んでいないとの返答。その言葉にホッとして園地に入っていくと、林間部分にモンベルの緑色のテントがずらりと並んでいるのが見えた。
 「!!」
 以前に然別湖北岸野営場や晩成キャンプ場で遭遇したことのある、某野外教育財団主催のキャンプである。特に去年の晩成キャンプ場では、長い間憧れ続けていたAサイトにようやくテントを張れると喜んでいたら、この緑色のテントに見事に場内を埋め尽くされていて、泣きながらそこを後にしたことがあった。
 まさか、またここで遭遇することになるとは。まさに神出鬼没の集団である。
 これで湖畔サイトも埋まっていたら、またしても憎き某野外教育財団と言うことになるところだったが、幸いなことにそちらの方は空いていたので、今日は優しい目でその集団を見ることが出来た。
 ちなみに後でその財団のホームページを確認してみたら、今回は近くのラルマナイ川でのシャワークライミングのメニューになっていた。何だかそちらの方も面白そうである。

 湖畔サイトは入り口近くに若いカップルのテントが一張りと、川の流れ込み部分にツェルト(簡易テント)が張られているだけである。
 我が家は前回と同じ場所にテントを張ろうかなと考えていると、隣に停まっていた車のファミリーが突然キャンプ道具を下ろし始めたので焦ってしまった。
カヌーで荷物運搬 「まずい!狙っている場所に先にテントを張られてしまうかも!先に行って一人用テントだけでも張ってしまおうか!」
 結局その家族は、そこの直ぐ近くにテントを設営しただけだった。
 混雑している時に自分達の場所を確保するためにそんなせこいことを考えてしまうようでは、美笛にやって来たキャンパーをとやかく言う資格は無いのである。
 駐車場からサイトまでは、カヌーに荷物を乗せて運ぶ。この方法はリヤカーで荷物を運ぶよりもずーっと楽なのだ。
 一般的なカナディアンカヌーの積載量は300〜400kg程度はある。人間一人分の重量を差し引いても、重量オーバーで荷物を運べないと言うことはまずありえない。
 それだけの荷物を積み込んでも、水面に浮かんでしまえば苦も無く進むことが出来る。今回もオートキャンプ用の装備を1回で簡単に運び終えた。

 設営場所に選んだところは、前回テントを張ったところと同じになってしまった。出来れば川の近くにテントを張りたかったけれど、昼過ぎに到着してこの場所を確保できれば御の字である。
 気温もかなり上っていて陽射しも強いので、そこの端の方にできた僅かな木陰の中に非難した。
 時間も午後1時を過ぎていたので、テントはその木陰がもう少し広がってから設営することにして、先に昼食を食べることにする。
 昼のメニューはそうめん。水はポリタンクに入れて運んできたけれど、茹で上がったそうめんを冷すのにあまりジャブジャブと使うわけにもいかず、ちょっと生温いそうめんになってしまった。
 それにしても美笛での喧騒が嘘のように感じられる静けさである。目の前の湖で竿を振る釣り人がちょっと目障りだけれど、これは釣り人の多いオコタンではしょうがないところである。
 これでようやくキャンプを楽しむことができそうだ。今日の美笛のあの状況は、キャンプ場というより海水浴場といった方が合っているかもしれない。

日陰に避難   昼食準備中

 日陰が広がってきたところで我が家もテントを設営。美笛の時と違って今回は完全なプライベートサイトと言えるだろう。
 若い男女の乗ったゴムボートがやってきて、近くに上陸した。荷物を降ろし始めたところを見ると、彼らもここでキャンプをするみたいだ。さすがにゴムボートでは一度で荷物を運びきらずに、何回か往復していたようである。
 女性の方はおへそを出した現代風の若者で、とてもこんな場所でキャンプをするようなタイプには見えない。男性の方もなよなよした感じの青年である。ところがこの青年がとても働き者で、そこらの木を組み合わせてスタンドを作ったりトイレ風の建物を作ったりと、とにかくずーっと動き回っているのだ。如何にもボーイスカウトあがりといった雰囲気である。
 次に、荷物をどっさりと背負ったカップルがやって来た。彼らは我が家の直ぐ隣にテントを張ったが、間に樹木があるので視界にも入らず全然気にならない。
 彼らも、ハンモックを吊るしたりインフレータブルカヤックを膨らませたりと、自分達なりのキャンプを楽しんでいる。女性の方がお腹が大きいのにはビックリしてしまった。
 川のところに張られていたツェルトの持ち主は中年の男性で、湖で泳いだりしながら気ままな時間を楽しんでいるようだ。
 以前にここに泊まったときのような支笏湖独り占めと言った状況にはならないけれど、それぞれがそれぞれのスタイルで自由にキャンプを楽しんでいる様子にこちらも何となくリラックスさせられる。
 川の向こうには若者グループがいるらしく、裸で楽しそうにカヌーを漕いでいる姿がほほえましい。若者グループには女性も混ざっているようで、トイレにでも行くのか上半身ビキニ姿で私達の前を横切っていった。
 かみさんに後ろから、「なにニヤニヤしているの!」と咎められる。
 「な、何で、顔が見えないのに分かるんだろう?」
 トイレに行ったのなら帰りにもう一度ここを通るはずだと楽しみに待っていたら、残念なことに今度は上着を着て通り過ぎていった。
 また、かみさんが後ろから声をかけてきた。「残念でした。」
 完全に私の頭な中を見透かされているようである。

我が家のプライベートサイト   隣のサイトとの間隔も十分

 ダッチオーブンの中に昨日仕入れたとうきびやジャガイモを放り込んで、そのまま焚き火の上に吊るす。何故かここのキャンプ場にはダッチオーブンが良く似合う気がする。
 その後はカヌーに乗ったりと気ままな時間を過ごして、適当な頃合にダッチオーブンの蓋を開けると美味しそうなとうきびやジャガイモが蒸しあがっていると言うわけである。
 その後はかみさんがダッチオーブンでカレーを作る。
夕餉の風景 他のキャンパーも同じく夕食の準備でもしているのだろう。各サイトからは焚き火の煙が立ちのぼっている。
 キャンプ場の夕暮れ時、ほのぼのとして何となく味わいのある風景である。
 あたりが暗くなると対岸の美笛キャンプ場付近に光の帯が浮かび上がって見えている。今日そこを逃げ出してきた時の状況から考えると、今は一体どうなっているのだろうと心配になってしまう。
 打ち上げ花火も頻繁に上っているみたいだ。いくら場内放送で注意しても誰も気にも留めないような、まさに無礼講キャンプ状態なのかもしれない。
 こちらは、ほとんど話し声も聞こえて来ないような静かな夜である。
 フウマも昨夜のように花火の音に怯えることも無く、気持ち良さそうに眠っている。もっとも、今回のキャンプではリードを外して自由に歩き回らせてもらえないので、それを不満に思っているかもしれない。他にキャンパーがいることは勿論だけれど、夏を過ぎた今次期のキャンプ場には色んな食べ物の滓が落ちているので、直ぐに拾い食いをしてしまうフウマは危なくて放してはいられないのである。
 昨日の夜は久しぶりに長袖の服を着たけれど、今日はまた暖かな夜になった。
 明日の朝、目覚めた時の景色を楽しみにして、テント出入り口をメッシュのスクリーンだけにして眠りについた。

 昨日と同じ時間に目が覚めて直ぐに外の様子を見たけれど、まだ暗くて何も見えない。曇っているのかなと思ったけれど、今朝も昨日と同じ快晴だった。美笛と違ってテントの正面に見えるのは南の空なので、この時間ではまだ暗いままなのである。
真っ直ぐに水面まで伸びている水草 東の空は岬の陰に隠れて、サイトからはほとんど見えない。しょうがないので今朝は、カヌーに乗って朝日の見える場所まで移動することにした。
 釣り人が既に数人、湖の中に立って竿を振っている。今日も鏡のような湖面が広がっていた。
 キャンプ場から西側の湖底は所々で水草が茂っている。名前は分からないが水中から真直ぐに伸びてくる水草が、林のような不思議な風景を作っていた。バイカモが森を作っているようなところもある。
 昨日の美笛でカヌーに乗った時は、断崖絶壁のような湖底の景観に恐怖さえ感じたけれど、オコタンの湖底は優しい風景だ。
 山陰から朝の太陽が顔を出してきた。反対側の湖岸が朝日に照らされる。
 その付近に上陸すると、手ごろな流木が沢山転がっていた。昨日のうちにここに来ていればもっと盛大な焚き火を楽しめたのにと、ちょっと後悔してしまう。それでも朝の焚き火用に少しだけカヌーに積み込んだ。
 この付近の岸辺の湖水は驚くほど温度が高くて、湖底から温泉が湧いてきているのではと思えるくらいだ。南に開けた湾状の地形なので水が温められているだけなのだろうが、そのまま浸かりたくなるような暖かさだ。
 例によってフウマだけが水に、いや、お湯に入って気持ち良さそうにしている。

日の出の風景   日の当たる岸辺で

 サイトに戻って、拾ってきた流木に火をつけ、朝のコーヒーをゆっくりと味わう。
 朝食を終えて今日は早めに撤収するつもりだったけれど、テントが朝露でかなり濡れていたのでそれが乾くのを待たなければならない。
テントを乾かす 我が家のテントの場所まで日が当たってくるのにはしばらく時間がかかりそうなので、テントだけを日なたに移動させる。こんな時には小さなテントは便利である。
 昨日と違って、のんびりとした平和な撤収作業だ。
 今日も気温が高くなりそうで、早くもデイキャンプらしき小さな子供連れファミリーが荷物を抱えてやってきた。最初は奥の方まで一生懸命荷物を運んでいたが、我が家が撤収作業をしているのを見て「ここ空くんですか?」と聞いてきた。
 「あっ、直ぐ空けますからどうぞ」
 今日もまた子供連れファミリーに見守られながらの撤収になってしまったが、お互いに余裕があるので昨日のような修羅場にはならない。
 カヌーに全ての荷物を積み込むと、それを待っていたかのようにフウマが先にカヌーに乗り込んだ。
 「あれ?お前は歩いていかなければならないのに・・・」帰り支度のタイミングだけは良く分かっているフウマである。
 狭い足元にフウマを乗せて、湖にカヌーを浮かべた。

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