美笛キャンプ場を逃げるように後にして、向かったのがオコタン野営場。
美笛からオコタンへ行くためには、支笏湖をほぼ一周しなくてはならない。美笛とオコタンを結ぶ山道を通れば直ぐなのだけれど、この道は長い間通行止めになったままである。
もしかしたらこのまま廃道になってしまうのかもしれない。支笏湖温泉街とポロピナイを結ぶ道路が有料だった時代には、迂回路としてどうしても必要な道だったのだろうが、今となっては常にがけ崩れの恐れがある美笛〜オコタン間の道路を無理して通す必要はほとんど無いのである。
ところで、この温泉街とポロピナイの間が無料で通れるようになったのは何時頃だったろう?若い人に、ここが有料道路だったといっても直ぐには信じてもらえないだろう。自分の年を感じてしまう話である。
オコタン野営場では、湖畔サイトが埋まっていたら林間サイトにテントを張るのも面白いかもしれない。
入り口のゲートで管理人さんに混んでいるか聞いてみたら、それほど混んでいないとの返答。その言葉にホッとして園地に入っていくと、林間部分にモンベルの緑色のテントがずらりと並んでいるのが見えた。
「!!」
以前に然別湖北岸野営場や晩成キャンプ場で遭遇したことのある、某野外教育財団主催のキャンプである。特に去年の晩成キャンプ場では、長い間憧れ続けていたAサイトにようやくテントを張れると喜んでいたら、この緑色のテントに見事に場内を埋め尽くされていて、泣きながらそこを後にしたことがあった。
まさか、またここで遭遇することになるとは。まさに神出鬼没の集団である。
これで湖畔サイトも埋まっていたら、またしても憎き某野外教育財団と言うことになるところだったが、幸いなことにそちらの方は空いていたので、今日は優しい目でその集団を見ることが出来た。
ちなみに後でその財団のホームページを確認してみたら、今回は近くのラルマナイ川でのシャワークライミングのメニューになっていた。何だかそちらの方も面白そうである。
湖畔サイトは入り口近くに若いカップルのテントが一張りと、川の流れ込み部分にツェルト(簡易テント)が張られているだけである。
我が家は前回と同じ場所にテントを張ろうかなと考えていると、隣に停まっていた車のファミリーが突然キャンプ道具を下ろし始めたので焦ってしまった。
「まずい!狙っている場所に先にテントを張られてしまうかも!先に行って一人用テントだけでも張ってしまおうか!」
結局その家族は、そこの直ぐ近くにテントを設営しただけだった。
混雑している時に自分達の場所を確保するためにそんなせこいことを考えてしまうようでは、美笛にやって来たキャンパーをとやかく言う資格は無いのである。
駐車場からサイトまでは、カヌーに荷物を乗せて運ぶ。この方法はリヤカーで荷物を運ぶよりもずーっと楽なのだ。
一般的なカナディアンカヌーの積載量は300〜400kg程度はある。人間一人分の重量を差し引いても、重量オーバーで荷物を運べないと言うことはまずありえない。
それだけの荷物を積み込んでも、水面に浮かんでしまえば苦も無く進むことが出来る。今回もオートキャンプ用の装備を1回で簡単に運び終えた。
設営場所に選んだところは、前回テントを張ったところと同じになってしまった。出来れば川の近くにテントを張りたかったけれど、昼過ぎに到着してこの場所を確保できれば御の字である。
気温もかなり上っていて陽射しも強いので、そこの端の方にできた僅かな木陰の中に非難した。
時間も午後1時を過ぎていたので、テントはその木陰がもう少し広がってから設営することにして、先に昼食を食べることにする。
昼のメニューはそうめん。水はポリタンクに入れて運んできたけれど、茹で上がったそうめんを冷すのにあまりジャブジャブと使うわけにもいかず、ちょっと生温いそうめんになってしまった。
それにしても美笛での喧騒が嘘のように感じられる静けさである。目の前の湖で竿を振る釣り人がちょっと目障りだけれど、これは釣り人の多いオコタンではしょうがないところである。
これでようやくキャンプを楽しむことができそうだ。今日の美笛のあの状況は、キャンプ場というより海水浴場といった方が合っているかもしれない。
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