サイトへ戻る途中、今夜の焚き火用の薪をしっかりと拾い集める。天気の良いうちに少しでも乾燥させておこうという算段だ。
本当は今日は、2日目の宿泊予定地にしていた歌登まで移動するつもりでいた。
しかし、さすがに移動ばかりのキャンプにも疲れてしまったので、この快適なキャンプ場でもう1泊してゆったりと時間を過ごすことに決めたのである。
出発前にもう少しじっくりと検討していれば、多分最初の日に一気に歌登まで行ってしまい、それからゆっくりと南下してくるような行程を組んでいたはずだ。
去年の秋、朝に札幌を出て途中で松山湿原などを見ながら歌登を通り過ぎ、その先のクッチャロ湖まで一気に走ったことがあったので、歌登はそれほど遠くないという意識が頭の中に残っていた。
地図を見てみたら、歌登まではまだまだ北上しなければならないのである。
ゆったりと時間を過ごそうと思っても、貧乏性な性格なのでどうしてもじっとしてられない。最初の予定に入れていた名寄の近くの滝を見に行くことにする。
天気予報を確認すると、いつの間にか夕方から雨が降るような予報に変わっていた。やっぱり今年の私には雨男の称号がつきまとっているようである。
念のため雨雲レーダーを調べてみると、もう直ぐそこまで寒冷前線の雨雲が近づいてきていた。これならば、夕方と言うよりも午後1時過ぎにはこの辺でも雨が降ってきそうな感じだ。何とかそれまでには戻ってこられるだろう。
まずは、かみさんの希望により、一旦下川町まで戻って手延べうどんを購入する。ここのうどんはこしが強くてなかなか美味しいのだ。
それから名寄に向かい、名寄のやや北、ピヤシリ山の麓にある「比翼の滝」を目指す。
名寄の西の空は、既に雲に覆われ始めていた。北に向かうとますますその雲が厚さを増してきて、とうとう真っ黒な空に変わってしまう。
テントの内部が乾くようにメッシュの窓を少し開けてきてしまったし、それよりもせっかく乾かしておいた焚き火用の薪が濡れてしまうのが心配だった。
滝は諦めてそのままUターンしようかと思ったが、もう一度雨雲レーダーを確認すると雨雲本体はまだそれほど近づいてきてはいないようだ。
予定通り滝へと向かう。
天塩川を渡り林道を5kmほど入る。タイヤも直っているので、ダート走行も気にならない。滝の看板を見つけて、そこから滝壺までの階段を下りる。
素直な直落タイプの滝で、大岩がゴロゴロと転がる様子はなかなか迫力がある。
上空を覆っていた黒い雲もいつの間にか薄くなって、太陽の陽射しが周りの紅葉を鮮やかに照らし出した。
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