滝見物を終えて森林公園まで戻ってくると、ちょうどSL雨宮号が黒煙を上げて出発するところだった。
以前の紅葉キャンプの時も、息子と一緒にそのSLに乗ったことが懐かしく思い出された。
丸瀬布での滝見に思いの外時間が取られて遅くなってしまったが、もう一ヶ所遠軽町のコスモス畑を見ていくことにする。
ここは数日前の新聞に紹介されていて、コスモスが最後の花盛りを迎えており、本来の刈り取り予定を少し遅らせて公開を続けているとのことだった。
一面のコスモス畑は見事だったが、空が曇っているので今一見栄えが悪い。
コスモスにはやっぱり、真っ青な秋空が似合うのである。
そしてようやく今日の目的地コムケ湖へと向かうこととなる。
海岸線が近づくにしたがって紅葉の色が薄れてくる。
内陸部よりは紅葉も遅れがちのようである
コムケ湖と言えば、湖に沈む夕日も美しいところだが、今日の空模様では夕日は絶望的だ。
それに次第に雲も厚さを増してきていて、天気予報通り夜には雨も降りそうな感じである。
キャンプ場に到着した時は既に4時を過ぎてしまっていた。誰もいない場内は、曇り空と相まって寒々とした雰囲気が漂っている。
しかし、誰もいないキャンプ場は我が家にとっては大歓迎だ。それだけのことで、とても嬉しくなってきてしまう。
受付を済ませて早速サイト探し。
ここでのベストサイトはやっぱり、我が家的には芝生広場の中に聳えるカシワの木の下ということになるが、ちょっと荷物を運ぶ距離も遠くなるので、今回は一番奥の駐車場近くにテントを張ることにした。
かみさんが選んだサイトはキャンプ場の外れの林のそば。
しかしその林はサイトの東側にあたるので、朝日がしばらく遮られることになる。
そうなると今時期、夜露に濡れたテントはなかなか乾かないので、濡れたままの撤収ということになってしまう。
ゆっくりとサイトを探す時間もないので、今日はかみさんの決めた場所に素直にテントを張ることにした。
速攻でテントを立てて、まずは暗くなる前に薪集めである。
家からある程度の薪は用意してきてはいたが、それだけの量では3日間の夜を楽しく過ごすには少なすぎる。後は泊まった先のキャンプ場で、その都度現地調達しなければならない。
ここのキャンプ場でも伐採した樹木が隅の方に積み上げてあったので、それを少し分けてもらうことにした。長さが1.5mほどで少し長すぎるが、持ってみると結構軽いので寝るまでには何とか燃やし尽くせるだろう。
屋根付きの炉があったので、今回はたき火台を使わずにそこを使わせてもらうことにする。ただ、この炉の薪をくべる口が狭いので、長い丸太はその先っぽしか炉の中へ入れることができない。
それでも、インディアン式焚き火の要領で燃えた先から炉の中へ少しずつ押し込んでいけば何とか燃やせそうだ。
イスやテーブル、クーラーボックスも全て炉の近くへ持ってきて、今回はここを生活スペースとして利用することにした。他に誰も利用者がいない時に、我が家が良くやる方法である。
そうすると、到着時に張ったテントはこの生活スペースから少し離れてしまうことになる。テントを使うのは寝る時だけ、とは思ってもやっぱり近くに有った方が何かと落ち着ける。
かみさんとしばし顔を見合わせて、「良し!やるか!」とうなずき合った。
一度完璧に張ったテントだったが、中に入れた荷物を外に出し、ペグも全て引き抜く。そうして、張ったままの状態でズルズルと10mほど移動して、引っ越し完了。ようやく落ち着けるテントサイトが完成した。
それにしても10月中旬だというのに、まだ蚊が沢山飛び回っている。以前、サロマ湖のキムアネップ岬キャンプ場に今時期泊まった時も蚊が多かったが、どうもこの付近の蚊は遅くまで活動を続けているようだ。
蚊取り線香をまだキャンプ道具の中に入れておいたので助かった。
今日の夕食は、米を炊いて、後は家から持ってきたカレーを温めるだけの手抜きメニュー。食事が終わった後はのんびりと焚き火を楽しむ。
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