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冬将軍到来虹別キャンプ

虹別オートキャンプ場(9月21日〜22日)

 そういえば、サンゴ草ってまだ見たことがないね。
 そんなところから企画された今回の道東キャンプ、2泊3日の日程でもかなり遠くまで足を伸ばせることは今年の道北キャンプで実証済みである。
 一ヶ月前から、3連休前日の金曜日は休みを取るようにと妻に言い渡し、万全の準備を整えていた。(このフレーズって今年の道北キャンプ旅行の日記にも書いた気がするなあ)
 この日程ならば、キャンプから帰ってきてもまだ1日休みがあるので、ゆっくりと疲れをとることができる。
 それならば3泊4日で行っても良いんじゃないの、と言われるかもしれないが、息子を一人で留守番させて遊びに出かけるという親不孝、いや、子供不孝両親にとっても、さすがに息子のことを考えると2泊3日が限界なのである。

 それだけ準備していたのに、出発日の天気予報は全道的に雨、おまけに11月上旬並の冷え込みになり、山や峠では雪になるとのことだ。
 その後は天気も回復するとのことなので出発日を1日遅らせようかとも考えたが、こんな荒れ模様の天気の時こそ楽しいキャンプができるものである。
 そんな強がりを言いながら、時雨模様の天気の中、札幌を出発した。最初の目的地は、去年オープンしたばかりの虹別オートキャンプ場である。
  途中も激しい雨、とてもこれからキャンプへ行くとは考えられないような天気だ。
 日勝峠を越えると何とかその雨も止んできた。時々青空を覗かせる十勝平野を横断し阿寒湖へと向かうが、その行く手には再び真っ黒な雲が待ち受けている。我が家が阿寒を通る時って、いつも決まってこんな天気だ。

サイトにてくつろぐ 再び降り出した雨の中を走りながらも、キャンプ場に着く頃にはきっと雨も止んで、虹なんかも出ちゃいそうだなー、今回のキャンプのテーマは「虹別に虹は出たか、道東キャンプ」にしよう、うん、 なかなか良いネーミングだぞ、などとあくまでも良い方向にしか考えていない。
 阿寒横断道路を過ぎて坂道を降りはじめると、期待したとおり前方には青空が広がってきた。
 しかし、その青空も北の空から流れてくる黒い雲に直ぐにも隠れてしまいそうだ。風も相当に強い。
 さすがにちょっと焦ってきた。この強風で、おまけに雨でも降ってきたら悲惨な状況のテント設営になってしまう。雨雲を振り切るように釧路平野を突っ走った。

トリカブトの花  札幌から410km、ようやく虹別に到着したが、幸い雨雲もここまではやってこないみたいだ。しかし、相変わらず冷たい北風が吹き荒れている。
 幸い、林の陰で風が遮られる場所があったので、迷わずそこにテントを設営した。風さえ無ければ、もっといい場所があったのにちょっと残念である。
 キャンプ場の印象だが、評判通りの良いキャンプ場である。
 サイトの広さも十分で、サイトとサイトの間は自然の草がそのまま伸ばされている。それが仕切り代わりになって、適度なプライバシーが保たれるだろう。
 そんな状況なので、場内を見渡しても野原の中にいるような感じがしてしまうくらいだ。
 草むらの中では、あちらこちらでトリカブトが花を付けている。整備されたオートキャンプ場の中で、こんな野趣が味わえるところなんて他には無いだろう。

朝日に照らされる池 それにしても寒い。真冬でも、テントの中でガソリンランタンを灯せばある程度は暖かくなるものだが、風が強いので暖気が逃げていってしまう。
 こんな時はさっさと寝るしかない。ワインで体を温めてから、シュラフに潜り込んだ。
 夜中、愛犬フウマが2度ほどテントから飛び出して、狐を追っ払っていたようだ。ぐっすりと寝込んでいた私は、そんなフウマのがんばりに気づきもしなかった。
 翌朝目覚めると、昨夜までのテントを揺らす風の音が止んでいた。
 テントから這い出すと、青空が広がっている。温度計を見るとプラス1度だ。それでも風がないので、昨日のような寒さは感じない。
 太陽が昇ってくると、場内は優しい朝の光に包まれた。色づき始めた木々の葉が赤く照らされている。のんびりと場内を散策した。良い1日になりそうである。

開陽台付近の景色 早々と片づけを済ませキャンプ場をあとにした。
 まずは清流虹別川に寄ってみる。釣り人の間では有名な川だが、摩周湖からの伏流水を源として、川底を水草に覆われたすばらしい川相である。
 川の中をちょっと歩いてみたかったが、今日の行程も長くなりそうなので、早々と次の目的地開陽台へ向かった。
 実は、この開陽台も我が家は初めて訪れたのである。
 釧路平野を見渡す展望地としては、弟子屈の900草原とか標茶の多和平は行ったことがあるのだが、やっぱり本家の開陽台は一番の眺めだった。
 天気も最高である。
 次の目的地は16年ぶりに訪れる知床だ。
 きっと知床峠では真っ白に冠雪した羅臼岳の姿が見えるはずだ。
 やっぱり無理して出てきた甲斐があるなー。ほのぼのとした幸せな気持ちを味わった。

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