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春の美々川

(美々橋〜第二美々橋)

 去年の11月に下った美々川。
 その時の感想は、「是非今度は春の美々川を見てみたい」ということだった。
 その念願がかなって、5月の快晴の日曜日、2回目の美々川下りへ出かけることになった。
 北海道は5月になってからずーっと寒い日が続いていたのが、前日の土曜日になって突然気温が30度近くまで上昇した。
 今日も気温は高くなるとの予想で、うららかな春の陽射しを浴びながらの川下りのつもりが、一昨年の天塩川のことが思い出されちょっと心配である。
 息子はバスケの練習試合があるということで、今回は夫婦二人の川下り、代わりに去年の秋の美々川下りでは留守番をさせられていたフウマを連れていくことにした。
 川幅が狭いので、カヌーから飛び出さないかと心配していたのだが、移ろいゆく周りの景色を興味深そうに眺めながらも、おとなしくしていてくれたので助かった。

  去年は上陸地点に車を置き、、そこからママチャリに乗って出発地点まで戻ってきたのだが、それだけで太股がパンパンに張ってしまい、カヌーに乗る前にエネルギーを消耗してしまっていた。
 今年も同じく自転車を利用するのだが、今回は秘策があるのだ。
 わざわざこの日のために購入したマウンテンバイクが初登場なのである。
 さすがにママチャリとは全然違い、走りながら「うーん、チャリダーになって道内ソロツーリングってのも良いなー」なんて考えてしまった。

 今回下った区間は、去年と同じ美々橋から第二美々橋までの区間である。
 どうせならウトナイ湖まで出たかったのだけど、南風が強く、ちょっと風邪気味だったせいもあり、短縮してししまった。 最近、ますます軟弱アウトドアマンになってきたような気がする。

 春の美々川は、期待どおりの美しさで我が家を迎えてくれた。
 優しい新緑と小鳥達のさえずり、カヌーの下を横切る小魚達、何十年ぶりかでドジョウの姿を見ることもできた。    しかし、例の処理場からの下水の流入だけは腹が立ってしまう。
 今の時代、これだけ堂々と汚水を川にたれ流している施設が存在するなんて、ちょっと信じられない。千歳市は何を考えているのだろう。

 最初の部分の曲がりくねった流れの中で、車のドリフトしながらのコーナリングのように曲がってみようと、二人で息を合わせてパドリングするするのだけれど、なかなかうまくいかずに、すぐに岸に押しつけられてしまう。
 この程度の流れで、思うようにカヌーを操れないとは・・・。
 普通の川下りでは、流木を避けきれずに沈、という姿が目に浮かんできてしまう。
 それでもここでは、たとえ失敗して岸辺の立木に捕まったとしても、まず沈する心配はなく、初心者でも安心して楽しめるフィールドである。

 少し暑くなってくると、水の中に足を浸しながらパドリングしたり、流れのない箇所にカヌーを乗り入れ、ビールタイムや昼食タイムを取ったりと、とてものんびりとした川下りだ。
 向かい風にそれほど悩まされることもなく、2時間半ほどで上陸地点の第二美々橋に到着した。
 ちょうどそこからカヌーを漕ぎ出すグループに会い、ちょっと羨ましく、「このつぎこそウトナイ湖まで下ってやるぞ」と思いを新たにしたのであった。


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