北海道キャンプ場見聞録
鵡川(トマム川)(2024/05/11)
花粉まみれの川下り
花粉症歴数十年の私でも、今年のシラカバ花粉の症状は過去最悪レベルと言っても大げさではない。
鼻水と涙に加えて喉もやられてしまい、熱こそ出ないものの何か他の病気に罹ってしまったような感覚である。
こんな状態ではカヌークラブの5月例会にフル参加する気にもなれず、のんびりと下れそうな初日の鵡川上流部(トマム川)にだけ参加することにした。
5月の鵡川例会は、川下りよりも山菜収穫が参加者の目的となっている。
清水町に引っ越してからネギ(行者ニンニク)やタランボに不自由することはなく、ウドは敷地内で取り放題。
それなので、私はこの例会でも山菜には執着していなかった。
ただ、コゴミだけは自宅の近くに良い場所が無いので、ネギよりもそちらの方に期待していた。
穏やかな流れの鵡川
雪解け水による増水も収まり、のんびりと下るには丁度良い水量だ。
新緑に染まり始めた河畔林の中でピンクの桜が目立っている。
ネギが目的で集まった参加者は17名。
石勝線の鉄橋をくぐって川下りが始まる。
ここから川下りが始まる
直ぐに最初のネギ場が見えてきた。
遠くからでも斜面の所々が緑色に染まっているのが確認できる。
それが全てネギなのである。
行者ニンニク群生地に到着
川岸にカヌーも付けやすく、ネギを収穫するのにはおあつらえ向きの場所だ。
足元にもネギは生えているのに、皆の視線は斜面の上の方ばかり見ている。
そして滑落するのも恐れずに、その斜面をよじ登っていく。
カヌーで上陸しやすいのが良いところだ
家の周辺のネギは既に大きくなり過ぎているのに、ここのネギは一部花芽が上がってきているものは有るけれど、収穫するのに丁度良い大きさに育っている。
北向きの斜面だからなのだろう。
一部には雪も残っているくらいなのだ。
上物を求めて上へ上へ
それぞれが十分なネギを収穫したところで再び下り始める。
その先でもいたるところにネギの群落がある。
もう十分に収穫したはずなのに、それらのネギが気になってしょうがない人たち。
人間は欲深い生き物なのだとつくづく思ってしまう。
ネギが気になってしょうがない
ここでも上陸している人が
私は今夜の夕食で天ぷらにする程度のネギを採ったので、それで十分。
煩悩から開放されると、ネギ以外のものが見えてくる。
岩場に咲くエゾムラサキツツジやソラチコザクラの可憐な花や、水際に咲くエゾノリュウキンカの鮮やかな黄色。
風景を楽しみながら下っていく
岩場で咲く可憐なソラチコザクラ
先を下っていたI山さんが、今にも滑落しそうになりながら崖をよじ登っていた。
この区間で一箇所だけ、ウドの生えている場所なのである。
ウドを採るためなら少々の危険はものともしない
そんなI山さんを横目で見ながら通り過ぎ、その先の河畔林で上陸。
去年、コゴミを収穫した場所である。
しかし、既に葉が伸びてクサソテツと化してしまったものばかり。
時期を逸してしまったのかとガッカリしたが、良く探してみるとまだ若芽が丸まったままの美味しそうなコゴミが結構見つかる。
その先で昼食休憩を挟み、核心部へと入っていく。
今日の水量ならばそのまま下っても問題はなさそうだが、一応は全員で下見をする。
クラブの例会で必ず下見をしてから下っている瀬は、石狩川のポンモシリの瀬、沙流川の三岡の瀬、そしてここくらいだろう。
全員で下見
下見の結果、他のメンバーは右岸側を下るようだ。
私は、最初に上流側から見た時に左側かなと思ったので、自分のイメージに従って左側を下ることにした。
皆は右側から回り込んでいたけれど
しかし、予定していたルートを何とか下れたけれど、途中で2回もカヌーを回されてしまい満足できるものではなかった。
多分、水の流れを読めていないせいなのだろう。
下っているところを写してもらえた
その後は他のメンバーが下る様子を撮影する。
白波の立つ瀬と、河畔林の新緑、そこに桜のピンクが彩りを添え、下っているメンバーもとても楽しそうに見える。
核心部の瀬を下る
最後まで気を抜けない
核心部も過ぎて、後はゴールまで風景を楽しみながら下るだけだと思っていたら、途中から向かい風が強くなり、カヌーが全然進まなくなる。
最後はヨレヨレになってゴールまでたどり着いた。
頭上を覆う桜
疲労困憊で、鼻は詰まり、流れ出る涙を常に手で拭っていたので目の下がヒリヒリしていた。
帰りの車の中で一度くしゃみをすると、その後くしゃみが止まらなくなる。
川下り中は止まっていた鼻水も、再び垂れ流しとなる
楽しかったことは楽しい川下りだったけれど、やっぱり今年のシラカバ花粉の状態では、一日外で過ごすのは厳しかったみたいだ。
(当日12:00鵡川水位 占冠:330.28m)