北海道キャンプ場見聞録
沙流川(2022/10/08)
紅葉は遅れていても
カヌークラブ恒例の10月沙流川例会。
土曜日の朝、日勝峠のライブカメラを見て峠越えは諦め、高速道路に乗って占冠経由で日高を目指す。
その高速道路も、あと50m標高が高ければ雪が積もって、夏タイヤ禁止になっていたかもしれない。
集合時間を30分間違えて、住んでいる所が一番近いはずなのに、現地への到着が一番遅くなってしまう。
慌てて川下りの準備を整えて、車の回送。
ゴール地点の河原へ降りる道が一部崩れていて、その横を通過するのに増水気味の沙流川の瀬を下るよりも緊張した。
右左府橋下流からスタート
高い山には雪が積もっているのに、楽しみにしていた紅葉は過去の例会の中でも一番と言っても良いくらいに遅れていた。
水量は多めで、何時もは見えている河原が完全に水没している。
何時もは河原が広がっている場所だけれど
それでも下るには丁度良いくらいの水量だ。
適度な波の立つ瀬の中を皆は気持ち良さそうに下っていく。
下るには丁度良い水量だ
渓谷の中に入ってくると、紅葉は遅れているもののそれなりに色付いている木々もあり、目を楽しませてくれる。
何時もは座礁しそうになりながら下っている瀬も、ストレスなく下れる。
この岩盤の瀬も座礁しないで下れる
正面に色付き始めた山の斜面が迫り、川はその中に吸い込まれるように流れていく。
この辺りでは、私が一番好きな風景である。
この風景には何時も感動させられる
岩かげのエディに入って皆が下っている様子を撮影していると、ゲスト参加している若い女の子がフラフラと岩の間へと入ってきてしまった。
空知川の例会にもゲストで参加していて、かなりの波の中でも漕げるようになってきたと思っていたが、まだ心配なところはありそうだ。
岩陰から写真を撮っていると・・・
岩に嵌ったようなので、直ぐにレスキューに向かう。
すると、細い流木にカヤックのバウを潜り込ませて、動けなくなっていた。
一番やったら駄目なパターンだけど、そこで無理しないでじっとしていたのは正解だった。
下手に動いて沈でもしたら、そのまま流木の下に入ってしまうところである。
この状態で動かないでいてくれたのが良かった
そんなちょっとしたトラブルもあったけれど、結構な瀬の中も沈することもなく、皆は楽しそうに下っていく。
途中、河原で暖かな日差しを浴びながら昼の休憩。
瀬を楽しむ
休憩を終えて次に待ち構えているのが三岡の瀬。
車の回送時に三岡橋の上から落ち込みの様子を見た時は、「危ない岩も隠れているし、今日ならチャレンジできそうだな」と思っていた。
橋の上から見下ろすと下れそうに思えるのだけれど
しかし、落ち込みの様子を目の前にすると弱気の虫が顔を出してくる。
「今日はメガネバンドをしてこなかった」とか、「ここで怪我したら月末のフードバレーとかちマラソンに出られなくなる」とか、色々な理由をこじつけて、ポーテージを決め込んでしまった。
下手にスカウティングしていると弱気になるだけかも
チャレンジする人たちの様子を、寂しく眺めているしかない。
当然ポーテージすると思っていたガンちゃんが、チャレンジしたのには驚かされた。
人がチャレンジしているのを見ているとポーテージしたことを悔やんでしまう
先日のシーソラプチ川のトラウマの瀬でも敢えてヒーローコースを下っていたし、その変わり様には舌を巻くしかない。
トラウマの瀬では惜しくも沈をしたけれど、ここでは見事にクリア。
表には出さないものの、自分の実力に気が付いたのかもしれない。
カヤックが傾きながらもしっかりとリカバリーしているガンちゃん
三岡の瀬を過ぎれば、後は沙流川渓谷の圧倒的な風景を楽しんで下っていくだけ。
三岡の瀬を過ぎると一旦、風景が風景が開けてくる
そんなイメージがあるけれど、今日の水量だとまだ気は抜けない。
轟橋が見えてきた辺りで、今日一番の大きな波の中に突っ込む。
カヌーのバウが天を向いた時は、流石にヒヤリとさせられた。
この波がかなり大きかった
崖の途中に張り付くように架かっている轟橋は、何時見ても格好良い。
その姿は、鳥取県の国宝三徳山三佛寺を彷彿とされる。
断崖に張り付く轟橋
そして沙流川渓谷の一番美しい場所へとやってきた。
この渓谷は、カヌーで下ってこないと見られない場所なのである。
最後の瀬を下れば、その先では絶景が待っている
その入口が大きなプールになっているので、岩の上に登ってその様子を撮影する。
色とりどりのカヌーが大きなプールに浮かんでいる様子は、なかなか面白い。
ここで一息付いてから絶景の渓谷の中へ
渓谷の中の木々は他の場所よりも紅葉が進んでいるような気がする。
その美しい風景を撮影するのに、何時も苦労させられる。
ワクワクする風景の中へ
自分の受けている感動をどうやれば一つの構図の中で表現できるのか、それで頭を悩ますのだ。
色々と考えている間にもカヌーは流されていくので、途中で妥協しながらカメラのシャッターを切るしかないのだ。
前ばかり見ていると、後ろの絶景を見逃してしまう
そうして三岩橋を過ぎると、楽しかった川下りも終りとなる。
紅葉の風景には少し早かったけれど、それでもこの季節の沙流川はやっぱり美しかった。
そうして、この日のキャンプ地であるHOAへと向かったのである。
川下りの最後を締めくくる三岩橋の風景
当日12:00沙流川水位(参考値) 千呂露小橋観測所:355.74m
幌毛志観測所:57.18m
この日の川下り動画