北海道キャンプ場見聞録
歴舟川(2022/09/17)
大渇水で予定変更
カヌークラブ9月例回の初日は歴舟川の上流部、坂下からキャンプ場までを下る予定だったが、上流部は渇水により下れるような状況ではなく、急きょキャンプ場から大樹橋のコースに変更となる。
キャンプ場前の河原が車両進入禁止となってしまったので、カヌーを下ろすのが結構面倒だ。
キャンプ場の管理の方も色々と制約が多くなり、大樹町としては歴舟川の川下りを観光資源として考えていないのじゃないかと思えてしまう。
水が少ない
参加者は32名。
クラブの歴舟川例会としては、それ程多い人数でもない。
水が少ないのを見て、急きょ見学組に入った方もいたようだ。
これでも参加者は少ない方
キャンプ場前の河原も以前より幅が狭まったみたいで、その分川幅が広がっている。
川幅は広がっても水量が少ないので、深さのある場所までカヌーを引っ張っていかなければならない。
今年は6月から8月にかけて雨が多く、歴舟川も増水を繰り返していた。
それが9月に入ってからは雨が殆ど降らず、例会時には過去最低レベルと言えるくらいに水が減ってしまったのだ。
川幅が広がって水深が浅くなっている
午前11時、全員がようやく川の上に出てきて川下りが始まった。
今回下るキャンプ場から大樹橋までの区間は、瀬も無くて退屈な流れであるとの認識がクラブ員の中にあるようだけれど、私は上流部よりもこちらの方が面白い流れだとの印象がある。
しかし、今回に限っては楽しめるような瀬も減ってしまって、他のメンバーが言うような退屈な流れに変わっている気がした。
神威大橋を通って川下りスタート
この区間を下るのは4年ぶりなので、川の様子がどれくらい変わったのかを確かめることも楽しみの一つだった。
それが、以前は所々に傾斜のきつい場所があって、そこが楽しい瀬になっていたのに、今回はそんな傾斜のある場所が埋まって全体がなだらかな傾斜に変わってしまったようなのだ。
最初の土壁まで下る間にもちょっとした瀬があったはずなのに、右岸側に少しだけ波の立つ流れがあるだけだった。
前方に第一の土壁が見えている
こんな時は風景を眺めながらのんびりと下るしかない。
第一の土壁の手前に流木の山ができた河原が広がっている。
今回下った区間でも野営適地が何箇所かあるけれど、今回はここの河原以外に良い場所は見つけられなかった。
ここの左岸側に野営適地の良さげな河原があった
第一の土壁は、湧き水があちらこちらで染み出してきている。
それがここの土壁の特徴でもある。
水位が下がって上陸できそうな場所があったので、そこでカヌーから降りる。
水が少ない時でなければこんな場所に上陸できない
湧き水が土壁の斜面を伝って流れ落ちる。
日差しがあれば水滴がキラキラと光って美しいのだろうが、今日は生憎の曇り空。
雨の予報も出ていたけれど、そこから雨粒が落ちてこないのがせめてもの救いだ。
土壁のいたるところから湧き水が流れ落ちている
川幅が広がると全体が浅瀬になってしまうので、下るルートを見極めなければならない。
そうすれば座礁しないで下ることができるのだが、おしゃべりしながら下っていたりすると、気が付くと浅瀬の中で乗り上げてしまうのだ。
油断しているとこうなる
右岸側にテトラが積まれている場所があって、大体はそこに向かって本流がぶつかっている。
水が多い時は注意しなければならない場所なのだが、そんな時は川幅も広がっているので安全なルートを下ることができる。
逆に水が少ない時は、避けようとすると座礁してしまうので、テトラギリギリを下らなければならない。
ここは全員が無事に下れたようだ。
ここはちょっとヒヤッとするポイントだ
第二の土壁は、第一の土壁と違って乾燥している。
何故かここの土壁は湧き水が染み出していないのだ。
この土壁の特徴は、波打つように凹凸があることだ。
雨で侵食されるのだろうが、どうしてこのような形になるのかが良く分からない。
第二の土壁
その先の左岸側に護岸されている箇所がある。
家族3人と犬1匹で初めて歴舟川を下り、初めて沈したのがこの場所である。
最近は余裕を持って避けられる流れになっていたが、今回は本流がギリギリを流れていて、おまけに上流側からは見えづらい護岸ブロックも沈んでいて、ヒヤッとさせられた。
苦い思い出の場所
そこで少し昼の休憩をとってから再び下り始める。
右岸の土壁に嫌らしい流木が1本絡んでいて、その下をギリギリで通り抜けられる。
カヤックなどは余裕でその下を潜っていたけれど、大型のカナディアンでは結構ギリギリだった。
スリリングな流木くぐり
その土壁には斜めの地層がはっきりと確認でき、層によって色の変わっている部分もあり興味深い。
地質に詳しい人から説明を受けながら歴舟川を下ったら楽しいだろうと、何時も思ってしまう。
それぞれの地層に歴史の記憶が刻まれているのだろう
第三の土壁を過ぎて第四の土壁まで下ってきた。
私のホームページの川下り地図の中で、土壁に勝手に番号を降っているのだけれど、第四の土壁だけが右岸側に位置する。
第四の土壁
そこに初めて見る立派な橋が架かっていた。
橋の前後の道路はまだ工事中だけれど、帯広広尾自動車道が延長されるのだろう。
4年間も下らずにいると、こんな大きな橋が架かってしまうという事実に驚かされた。
帯広広尾自動車道の架橋工事が行われていた
大樹町市街地の手前、道路の擁壁に流れがぶつかっているところに、この区間で一番瀬らしい瀬ができていた。
これが最後だとばかりに遊び始める人達。
最後にようやく遊べるだけの瀬があった
それを眺めていても面白くないし、先に下っていった人達もいるので、私だけ一人で先に下っていく。
その先、大樹橋のすぐ手前に、川底の岩盤が露出した瀬がある。
結構大きな波が立つ場所なので緊張したが、今日の水量では座礁しないように気を付ける程度の瀬だった。
ゴールの大樹橋に到着
そうして午後1時45分に大樹橋に到着。
大した瀬もなくて、ちょっと物足りない川下りだったけれど、今日の水量では何処を下っても同じだったのだろう。
川はやっぱり、その川が健康な水量でいる時に下った方が楽しいのである。
(当日12:00歴舟川水位 尾田観測所:102.52m)