北海道キャンプ場見聞録
沙流川(2021/10/09)
久しぶりの水量十分な川下り
緊急事態宣言も解除され、久しぶりに何の支障もなく開催される10月例会。
それもあって初日の沙流川に集まったのは31名。
久しぶりに大勢での川下りになった
期待していた紅葉最盛期にはまだ一週間ばかり早かったようで、ピンボケのような紅葉風景を眺めながら川を下り始める。
水量は少し多目といったところだろうか。
最近は渇水の川ばかり下っていたので、座礁する心配もなく瀬の中を下れるのが嬉しい。
一番楽しく下れる水量かもしれない
今日はT山さんが娘さんと一緒のタンデムで参加していた。
娘さんがまだ小さい頃、千歳川をタンデムで下る様子を微笑ましく見ていてけれど、今はすっかり逞しく成長して、瀬の大波も臆することなく下っている姿に時の流れを感じてしまう。
羨ましい父娘タンデム
ウォーミングアップのような瀬をいくつか下って、ゴルジュの中へと入っていく。
天気も良いので、陽の光に照らされた紅葉が鮮やかに見えるはずなのだが、やっぱり少しくすんでいる。
まだ緑が多すぎる気がする
私の誘いでゲスト参加しているTakuさんは、これだけの大人数で川を下るのは初めてなので少々戸惑っていた。
舟の動きがカナディアンとは全然違うカヤックに囲まれて下るのは、慣れている私でも結構大変なのである。
サーフィンにチャレンジするTakuさん
囲まれるのを避けるためには、先の方で下るか、後ろから下っていくか。
かみさんとのタンデムの時は、かみさんが前の方を下りたがるのでそうしていたが、今回はソロなので後ろの方からゆっくりと下っていくことにした。
山に向かって下っていくここの風景が好きだ
何時もならば難所の三岡の瀬を下り終えたところで昼食にするのだが、そこでは日陰になってしまう。
日の当たる暖かい川原で昼食にしたいとの意見もあり、今回は12時には少し早かったけれどゴルジュの中の川原で昼の休憩をとる。
日の当たる場所でお昼ご飯
水の多い瀬を下る時はパドリングにも力が入るので、ドライスーツの中は既に汗びっしょり。
これならば日陰でも良かったかなと思ったけれど、汗が引いてきたら太陽の光がありがたく感じてくる。
暖かいと言ってもやっぱり既に10月なのである。
休憩を終えて再び下り始める。
瀬のレベルも上がって沈する人も多くなってくる。
後ろの方を下っていると、そんな沈シーンをあまり見られないのが残念だ。
楽しい瀬が続く
N島先輩が沈して、舟が対岸で回収されたので、Takuさんのカナディアンに乗って対岸へと渡っていた。
非常に珍しいシーンである。
N島先輩が沈した時にレスキューロープを投げても怒られるのに、この時も当然のように対岸まで泳いで渡るのかと思っていた。
それが大人しくカナディアンに乗せられているなんて、やっぱりこれが70歳の現実なのだろうか。
N島さんが大人しくレスキューされる貴重なシーン
核心部の三岡の瀬までやってきた。
今日の水量ならば下れるかなと思っていたが、スカウティングすると瀬の様子が随分変っているので驚いた。
落ち込みの落差が大きくなり、更にその先が狭まっていて、そこが強烈なストッパーになっているのだ。
ここでは一度沈して右岸の岩に思いっきり叩きつけられたことがあり、今回も確実にそうなりそうな気がする。
結局、ここは全員がポーテージとなる。
その中で一人だけ、本州からやってきてゲスト参加しているカヤッカーの方がチャレンジすることとなる。
ここまで下ってくる時のパドリングを見ていても、レベルがちょっと違うかなって感じの方だった。
何回かカヌーと瀬の間を行ったり来たりしながら、頭の中で必死にイメージを作っているようだ。
そうしてチャレンジして、見事にクリア。
普通のパドラーは真似しない方が良いだろう。
ここに飛び込む気はしない
沙流川渓谷へと入っていく
この後は沙流川渓谷の紅葉を眺めながらの川下りを楽しめるところだが、今日の水量では途中にある幾つかの瀬も難易度が上がっていそうだ。
轟橋手前の瀬では女性カヤッカーが沈して、こめかみ付近を切ってしまった。
後で病院に行って3針縫うくらいの怪我だったけれど、この日のメンバーには看護婦さんもいるので的確な処置をしてくれて、この後もゴールまで無事に下ることができた。
流されている間にも出血していた
Takuさんもカヌーガイドをやっているだけあって、粘着式の包帯など処置に役立つものを幾つか持っていてくれて助けられた。
私は最近はカヌーに救急セットを乗せていないことも多く、何でも積んでおけるカナディアンなのだから、それくらい常備しておかなくてはならないと少し反省。
激しい瀬の先には美しい風景が待っている
そんなトラブルもあったけれど、沙流川渓谷の景観はやっぱり素晴らしい。
こんな風景だけなら良いのだけれど
でも、その景観に見惚れ過ぎていると、次の瀬が待ち構えている。
ここでも何人かが餌食になっていた。
久しぶりの川下りで「今日は3回は沈しますから」と言っていたビンバさんだったけれど、ここでの沈は何回目だったのだろう。
最後の水抜きをするビンバさん
そうして最後の瀬を過ぎて、今度こそ本当に景色を眺めながらのんびりと下ることができる。
瀬も風景も十分に楽しめた沙流川のダウンリバーだった。
日高大橋が見えてきたらゴールまでもう少しだ
この時の動画
(当日12:00沙流川水位 幌毛志橋:57.06m)