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尻別川(境橋~堰堤)
(2021/10/03)

癒やしの川下り

今年はコロナの影響で毎月の例会が中止になることが多い。
そんな状況の中、一部のメンバー(一部というには数が多いけど)は目立たないように地下に潜伏して川下りを続けている。
別にそれはそれで良いのだけど、今までは一つのクラブだったのが、そのグループに入っている人と、入れてもらいない人に分かれてしまった感じで、何となく楽しくはない。
コロナによって社会が分断されてきているけれど、こんな小さなクラブでも同じ様な問題が出てきているようだ。

私はと言えば、そのグループに入れてもらえない立場なので、自分で何もしなければ川をほとんど下れないままにシーズンを終えてしまう。
それで、色々な機会を見つけては川に出かけ、何もなければ自分で企画して仲間を募るようにした。

でも、これはこれで良いこともある。
以前は他人の企画に乗っかる形でしか川に出ていなかったのだが、そんな川は大体が何時も同じ川で、私の行きたい川が対象になることは殆どない。
それが自分で企画するのなら、自分の行きたい川を自由に選ぶことができるのだ。
仲間が一人でもいてくれたら車回しもできるので、自由な川下りが成立するのである。

そんなわけで今回の企画は、尻別川の上流部を下ることにした。
集合時間の午前9時にはまさかの通り雨に降られたけれど、その雨も直ぐに上がって青空が広がってきた。
車回しを済ませて、境橋の下から出艇。


橋の下から出艇


この区間を最後に下ったのは、もう6年も前のことだ。
眺めも良くて私の好きな川なのだけれど、大きな瀬もないので、クラブの中では退屈な川と認識されているようだ。
例会でも何度か企画してもらえたけれど、その度に「水が少ない」等の理由で直前になって下る区間が変更されてしまう。
私としては十分に下れる水量だと思うのだが、ここを下っても満足できない人が多いのだろう。


天気は完全に回復


とは言いながら、今日の喜茂別下流観測所の水位は、私が過去に下った中でも断トツで少ない。
内心では「本当に下れるだろうか」と心配していたけれど、実際に下ってみるとほぼストレス無く下ることができた。
やっぱり、過去の例会でもわざわざ下る区間を変更する必要はなかったのである。


瀬も楽しく下れる


先週下った余市川でもそうだったけれど、水が少ないと川の透明度も高くなる傾向がある。
清流日本一の常連でもある尻別川だけれど、何時も「これで本当に日本一なの?」と疑問に思いながら下っていたが、今回は素直に清流日本一を認めても良いくらいの透明度だった。


清流が気持ち良い


紅葉は期待していたほど進んではいなくて、まだ緑の葉のままの樹木が大部分である。
それでも樹種によっては真っ赤に色付いているものもある。
緑と紅が混在する風景もなかなか美しいものだ。


風景に見惚れながら下っていく




崖の上の紅葉が見事だ


話は飛ぶけれど、私も先月で66歳になって、カナディアンカヌーで遊べるのはこのまま健康体でいられたとしてもせいぜい後5年位だろう。
カナディアンカヌーによる川下りは、生涯スポーツとするには少々ハード過ぎるのだ。


こうやって川を下れるのもあと僅かだろう


道内にはまだ下りたい川も残っているし、好きな川なのに暫く下っていない川も結構ある。
カナディアンで遊べるような体力があるうちにそんな川を下りたいのだけれど、今のままでは下る機会がないままに引退の時期を迎えてしまいそうだ。
クラブの中だけで活動していたとしても、今後そんな川を下るチャンスは無さそうだし、最近のようにクラブの枠を離れて一緒に下ってくれる人を探したほうが良いのかもしれないと思うようになってきた。


巨大な露頭の下を下る


下り始めて暫くの間は、尻別岳の姿が大きく見えて、その先に見える羊蹄山は完全に脇役になっている。
それが喜茂別町を過ぎると、今度は羊蹄山が主役に取って代わる。
その先で見える尻別岳は、上流部から見る姿とは全く変わって、違う山のようである。
この区間を下る時は、そんな山の風景の変化も楽しめる。


尻別岳と控えめな羊蹄山(右)


今回の参加者はカナディアン3艇とカヤック1艇。
最初はカナディアンだけの予定だったけれど、カヤックのK崎さんが当日になって飛び入りで参加してくれた。
私はそれがとても嬉しかった。


カヤックで参加のK崎さん


カナディアンカヌーが沢山集まっている写真を良く目にするけれど、私はそれを見る度に何となく違和感を覚えてしまう。
他にもダッキーだけとかSUPだけのグループで川を下っている人達も見かけるが、それも同じである。
別に、同じ舟の種類でグループを作ることは何も悪いことではないし、同じ舟のほうが話も合うだろうし、連帯感も強くなるだろう。


尻別岳に向かって下っていく感じだ


でも、川を下るのが好きな人達が集まるのならば、舟の種類など何の関係もないのにと私は考えてしまうのだ。
だから、色々な舟が入り混じって下っている風景を見ると、「ああ、皆で川を楽しんでるんだな~」と何となく嬉しく感じるのである。
こんな感覚は、多分私だけが感じる特殊なものなのかもしれない。。
敢えてそこに意味をもたせるとしたら、舟の種類によって得手不得手があるので、色々な舟がいることによってトラブルに対する対応力も確実にアップするということだろう。



今日は日中に風が強くなるとの予報になっていたが、その予報通り次第に風が強くなってきた。
時々、カナディアンをコントロールできなくなるような突風も吹き付けてくる。

そんな風を避けられる場所で一休み。
喜茂別町民公園裏の川原である。
最近は境橋ではなく、ここからスタートすることが多くなっている。


風を避けて町民公園裏で一休み


この先は7月例会でも下ったばかりなので、休憩後は途中で写真を撮ることもなく喜茂別川の合流部まで一気に下る。
そこの瀬で皆はサーフィンを楽しんでいたけれど、かみさんが嫌がるので私はそんな様子を眺めているしかない。


サーフィンで遊ぶ


尻別岳から主役の座を取り戻した羊蹄山を眺めながらのんびりと下っていく。
この辺りでは向かい風と格闘しながら下ることになるのかと心配していたが、途中で強まっていた風も収まってくれたので助かった。


やっぱりここから見る羊蹄山が一番美しい気がする


流れが緩くなっても、それなりの流速はあるので、何もしなくてもカヌーは進んでいく。
これが、3週間前に下ったばかりの下流部との大きな違いである。


風が吹いていないと風景を楽しみながらのんびりと下れるのが良い


時々瀬があるので、そこだけは真面目に漕いで、瀬を過ぎるとまたのんびりと流されていく。
河畔林の木々に絡みついたヤマブドウの紅葉が美しい。


ヤマブドウの紅葉が目立っていた


留産橋手前に岩盤が露出している場所があったので、そこに上陸して昼の休憩をとる。
12時を過ぎていたので、何処かの川原に上陸しようと探していたが、この区間の数少ない川原は大体が釣り人がいるので、諦めて下り続けていたのだ。


休憩できる場所があって助かった


それにしても下っている途中でこんなに沢山の釣り人を見たのは初めてかもしれない。
緊急事態宣言が解除されて、それまで外出を控えていた人達が一斉に出てきたのだろうか。
こんな広い川で釣りをするのなら、緊急事態宣言なんて全く関係ないと思うのだが、一般の人達はそうでもないのかもしれない。


退屈しない程度に瀬もある


そして、羊蹄山を横に眺めながらのんびりと川を流され、最後に尻別岳を真後ろに瀬を下り、ゴールの堰堤に到着。


尻別岳も違う姿に


下った距離は15.6キロと、何時もの川下りと比べると、距離も少し長めだった。
でも、その距離を3時間40分かけてのんびりと下ったので、疲れもほとんど感じなかった。
清流尻別川に癒やされる川下りとなったのである。

(当日12:00尻別川水位 喜茂別下流観測所:252.50m)



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