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トナシベツ川(2020/10/18)

身体が赤く染まる川下り

前の週に下った沙流川の紅葉が今一だったために、翌週に企画されたトナシベツ川。
私は前の週にオンネトーの紅葉を楽しんでいたけれど、身体が赤く染まるくらいの紅葉に包まれたくて、直ぐにこのミニ例会に手を上げた。
かみさんも最初は参加するつもりでいたけれど、どんどん増える参加者に恐れをなして、結局今回はソロで下ることとなる。

トナシベツ川へ向かう途中、山頂が雪化粧した芦別岳が秋の深まりを感じさせる。
余裕持って集合場所へ着いたつもりが、既にほぼ全員が揃っていた。

空知川と芦別岳
トナシベツ川へ向かう途中で見た空知川と芦別岳


ゴール地点に車を何台か置いてからスタート地点へと向かう。
川の水はかなり少ない。
「これじゃ下れないからシーソラプチ川にでも行こうか」
何時ものパターンで、また誰かがそんな事を言いだすんじゃないかと内心ヒヤヒヤしていたが、さすがにここまで来てそれはなかった。

トナシベツ川
狭い林道で出艇準備


参加者は18名。
私が過去にトナシベツ川を下った中では一番多い参加者である。

期待通りの美しい紅葉、澄んだ青空、最高の紅葉川下りが楽しめそうだ。
水の方は、今まで下った中では一番少ないかもしれない。
それでもカヌーの底をゴリゴリと擦りながらも何とか下れるレベルだ。

トナシベツ川
流星橋から下り始める


下り初めてすぐに現れる巨大な岩の壁。
その岩壁を色付いた木々が縁取る。
その前が瀞場になっているので、ひとしきり皆でその風景を楽しむ。

トナシベツ川
岩壁の下で風景を楽しむ


周りの山々も赤く染まっている。
川を下っていくと、その風景が次々に移り変わる。

トナシベツ川
紅葉の山懐へ吸い込まれていくようだ


私が川下りが好きな理由の一つに、この移り変わる風景が挙げられる。
天塩川の様な大河は別にして、川が曲がる度に目の前には全く別の風景が現れる。
この先にはどんな風景が待っているのだろう。
そのワクワク感が堪らないのだ。

トナシベツ川
この先にはどんな風景が広がっているのだろう


同じ川を10回も下れば、その先の風景など分かりきっているようなものなのだが、年に1回下るくらいだと物忘れの激しさが幸いして、毎回新鮮な気持ちで下れるのである。



水が少ないと良いこともある。
その透明度が素晴らしいのだ。
このクラスの川だと、水量と透明度は相関関係にあるような気がする。
今日は天気が良いので、その透明度が余計に際立っている。

トナシベツ川
透明な水が清々しい


下っている途中に、一際その赤さが目立つモミジがある。
過去のトナシベツの写真を見ると、何時もこのモミジが写っている。
それだけフォトジェニックな木なのである。

トナシベツ川
目立つモミジである


フォトジェニックと言えば、巨大な岩峰もその一つである。
大き過ぎて、その姿を1枚の写真に収めるのに何時も苦労させられる。
カメラの向きを縦にすれば良いのだけれど、私はどうも縦構図の写真が好きじゃないのだ。

トナシベツ川
ギリギリで収まった岩峰


次々に切り替わる錦絵を楽しみながら下っていく。

トナシベツ川


トナシベツ川



羽衣橋の手前に、岩だらけのちょっといやらしい瀬がある。
今回は、水が少な過ぎるので途中で岩に引っかかり、狙ったルートから外れるのが怖かった。
後ろから見ていたNもとさんが「すんなり下ってましたよ」と言ってくれたが、悲鳴を上げながらギリギリで下っていたのが本当のところである。

トナシベツ川
もう少し水が多いほうが安心して下れる


最初の頃はこの羽衣橋からスタートしていたのだけれど、この橋を見上げていると大型カナディアンをここから良く降ろせたものだと感心してしまう。

トナシベツ川
羽衣橋付近も紅葉が美しい場所である


トナシベツ川
川面も赤く染まる


途中の川原で昼の休憩。
川の流れを見ていると色取り取りの木の葉が次々と流されていく。
まるで人の世の移ろいを眺めているようだ。

トナシベツ川
落ち葉が次々に流れてくる


休憩を終えて再び下り始める。
周りの紅葉を眺めていると、川を流れる落ち葉はまだそのほんの一部であることが良く分かる。
これらの木々が丸裸になる頃まで、一体どれだけの落ち葉が川を流れていくのだろう。

トナシベツ川


一番の難所である二つの大岩まで下ってきた。
何時も緊張させられる場所だけれど、水が少なくて流れのパワーが弱いからなのか、何時になく思い通りのルートで下れてしまった。

トナシベツ川
大岩の瀬


十無別川一号橋、名前の分からない古い橋を順にくぐって、ゴール地点の川原に到着。
期待通りの紅葉を十分に満喫した楽しい川下りだった。

トナシベツ川
この古い橋を過ぎるとゴールは直ぐ


これで今シーズンの川下りも一区切り。
もう一度下る機会があるかどうかは、この後のお天気次第である。



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