北海道キャンプ場見聞録
千歳川(2020/08/01)
バイカモの花を求めて
今年はまだ千歳川のバイカモ(梅花藻)を見ていなかった。
そこで、1週間前に尻別川を下った時の話である。
カヌークラブのガンちゃんが、千歳川とは比べようのない透明度の水の中でゆらゆらと揺れている少し薄汚れたバイカモの花を見て「バイカモを見るのは初めて!」と、いたく感動していたのである。
そんなガンちゃんがとても不憫に思え、千歳川の水を緑色に染めるほどにに大きな群落を作り、可憐な白い花を水面に咲かせている美しいバイカモの姿を見せてあげようと、ミニ例会を企画したのである。
天気予報では一時雨マークも出ていた週末の土曜日だったけれど、さすが世界の晴れ女ガンちゃんのためのミニ例会だけあって、朝から素晴らしい青空が広がっていた。
当初の参加者は私達夫婦を含めて6名だったけれど、別に千歳川の川下りを予定していたA達さんとお友達のDavid、そこに朝の青空を見て急遽駆けつけてきたT山親子も加わり10名での川下りとなった。
快晴の千歳川
企画したのは良いけれど、本当に花が見られるのかと心配になって、今まで撮り溜めた千歳川の写真を見たところ、7月上旬から8月上旬頃までは花を見られるようだ。
結構長い開花期間である。
スタート地点の対岸にもバイカモの群落があって、小さなバイカモの株が一輪だけ花を咲かせていた。
幸先の良いスタートである。
一輪だけ咲いていたバイカモの花
T山親子は娘さんがシュノーケルを持ってきていた。
カヌーで川を下るより、川の中で遊ぶことが目的のようである。
某カヌークラブでは河童の川流れといって、身体一つで川の中を流される例会が夏の恒例行事になっていたことがあるけれど、私も一度は参加したかったくらいに楽しそうな行事なのだ。
娘さんに代わってパパが泳ぐ
バイカモの方は、こんなに沢山あったかなと思えるくらいに、いたるところで川底を埋めるように生育していた。
ただ、それぞれの株が小さい。
そこで新しく育ち始めたものなのか、流れが速すぎて大きく育てないだけなのか。
今までこんなに真剣にバイカモの姿を探しながら千歳川を下ったことはないので、そのどちらなのかは分からない。
それでもガンちゃんは、そんなバイカモを見つけて喜んで写真を撮っていた。
バイカモは咲いていなくても美しい夏の千歳川の風景
バイカモを探しているうちに、気が付いたらマナブまで下ってきていた。
そこでは同じクラブのビンバさんとPosさんがコソ練をしているところだった。
まずはT山さんの娘さんがSUPに
ここでカヌー試乗会が始まった。
まずはNもとさんのSUPに皆で交代で乗ってみる。
今回はリバーSUPでなくて、川旅で使う静水用SUPを持ってきたので、安定性は良く、派手にひっくり返る人は少ない。
そのNもとさんはO川さんのCCに試乗するが、真っ直ぐに進めずにクルクルと回転している。
初めてのCCに苦戦するNもとさん
一方O川さんは、SUPやビンバさんのOC-1に試乗し、どちらも見事に乗りこなしてた。
私もOC-1に乗ってみたが、この安定の悪い舟で川を下るのが信じられなかった。
調子に乗ってロールもどきのことにもチャレンジしてみたが、素人ができるはずもない。
ロールにチャレンジするも・・・
身体が濡れても全然寒くないので、ひっくり返ったカナディアンを元に戻す練習をしてみる。
先週の尻別川で沈して、危うく次の瀬まで流されそうになったことの反省からである。
しかし、足の立たない場所でそれをすることは殆ど不可能であると言うことを思い知るだけで終わってしまった。
ひっくり返ったカヌーを元に戻し再乗艇することは、カヌーを始めた頃からの目標なのだが、達成できないまま今に至っているのである。
簡単には戻せないものである
コソ練を続ける二人にお別れして再び下り始める。
次はいよいよ、ガンちゃんに美しいバイカモの花を見せてあげる番だ。
しかし、何時もなら綺麗な花を咲かせている場所のバイカモが、無残な姿で枯れてしまっていた。
大体のバイカモポイントは分かっているつもりだったけれど、その何処にも姿が見えない。
ようやくバイカモの美しい群落があった
焦り始めた頃にようやく、綺麗なバイカモの群落を見つけた。
ただ、花は咲いているものの、全てが水中で咲いているだけだった。
今日は川の水位が高いわけではなく、どちらかと言うと水は少ない方である。
水中で揺れるバイカモの花
花が水面の上で咲くのと水中で咲くのとの違いは良く分からないが、イメージとしては株が大きく育てば水上にまで出てきて、そこで花を咲かせれば見ごたえのあるバイカモになるような気がする。
確かに、以前は辺りを埋め尽くすくらいにバイカモが茂っていたのに、今年は株が小さい気がする。
その先の魚道では、先に下って皆の写真を撮る。
天気が良い時は魚道の水が青く染まって見え、その中で白波がキラキラと輝き、下っても気持ち良いが、写真を撮っていても同じくらいに気持ち良いのである。
青い水と白い波のコントラストが美しい魚道
Davidが「ウォーッ」と雄叫びを上げながら下ってきた。
A達さんとDavidは二人で何度かここを下っているが、初心者のDavidはその度に沈をしていたらしい。
それが今回は沈しないで下れたので、感動の雄叫びだったようだ。
雄叫びを上げながら下ってきたDavid
その先でも何箇所か美しいバイカモを見られるポイントが有った。
ガンちゃんも喜んでくれて、何とか目的を達成できてホッとする。
それでも、私としてはちょっと期待外れで、今年の千歳川のバイカモは不作だった印象である。
この辺りもバイカモが密生
蛇籠の瀬はますます落差がなくなってしまった。
それでもDavidにすれば緊張する瀬だったようだ。
蛇籠の瀬、これくらいなら立ったままで下れる
町の中まで下ってきた方が、水上で咲いているバイカモが目立つようになる。
でも、イメージ的には上流のバイカモの方がやっぱり美しい。
水上で咲くバイカモの花
林東公園の横まで下ってくると、そこの瀬で同じクラブの熊五郎さん夫婦が遊んでいた。
土曜日には大体千歳川で遊んでいる熊五郎ご夫婦。
マナブから場所を変えて最近はここで遊んでいるようだ。
確かに、蛇籠の瀬よりもこちらの瀬の方が遊べて楽しいかもしれない。
林東公園横の瀬は楽しく下れる
この日、札幌は真夏日を記録していたけれど、千歳の気温は25度程度までしか上がっていなかったようだ。
暑過ぎることもなく、快適に下れる気温だったが、せっかく川の上にいるのだから、こちらも真夏日になってくれても良かった気がする。
夏の川遊びはそれくらいの方が楽しいのである。
(当日12:00千歳川水位 サケマス孵化場:30.16m)