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尻別川(喜茂別町民公園~京留橋)
(2020/07/24)

5年前の記憶

連休なのに行き場所が無いと言う人達のために、クラブのOはしさんが二日間の尻別川ツアーを企画してくれた。
その初日に下るのが喜茂別町から京極町までの区間。
5年前にクラブの例会でこの区間を下った時、Oはしさんは退屈な流れに飽き飽きして途中で川下りを止めてしまった前歴がある。
そのOはしさんが自らこのツアーを企画したものだから、人間は変われば変わるものだと驚かされた。
しかし、人間が変わったわけではなく、ただ5年前の辛さを忘れてしまったと言うのが真実のようだ。

天気予報はパッとしないし、私もこの日の参加を躊躇っていたけれど、かみさんが「この区間なら下りたい」と言うので参加することにした。
一日中曇りの予報だったけれど、現地に着くと次第に青空が広がり始めていた。
スタート地点は喜茂別町民公園の裏。
川原近くまで車を乗り入れられるので、スタートするのには丁度良い場所なのだけれど、この日はそこでキャンプしているグループがいて、カヌーを降ろすのにちょっと手間がかかった。

尻別川
喜茂別町民公園裏の川原は丁度良い出艇場所だ


白い雲が浮かぶ夏らしい青空の下、川下りが始まった。
スタート直後と喜茂別川の合流部手前にちょっとした瀬がある。

今日は何時も動画を撮影してくれるI山さんが参加していないので、私が先に下って皆の写真を撮ることにした。
I山さんは、家族と一緒にどうみん割を利用した礼文島観光と、正しい連休の過ごし方をしているのである。

尻別川
スタート直後の瀬


穏やかな流れなので、E田さんは愛犬ダイちゃんをダッキーに乗せて、ヨッシーは十勝川に続いて知り合いの女性をカナディアンに乗せての参加である。

尻別川
相川橋


ヨッシーは娘さんも誘ったのだが「川は怖いから嫌だ」と断られたらしい。
シーソラプチ川でカヤックで参加していた娘さんを二日間に渡って献身的にサポートしていた成果は無かったようだ。
いきなりシーソラプチ川を下らせるより、今日の様な川を先に下らせた方が良かったのかもしれない。

尻別川
喜茂別川合流部の瀬



2つの瀬を過ぎると暫くの間は穏やかな流れが続く。
そんな所では無理して漕がないで、川の流れに舟を任せて流されるように下っていく。

尻別川
のんびりと流される


ここでは川の正面に羊蹄山がドーンと聳える最高の眺めを楽しめるのだが、上空に青空が広がってきていても、羊蹄山は雲に隠れたままだった。

尻別川
吊り橋の下を通過


ようやく瀬らしい瀬が現れたので、そこで写真を撮ろうと後ろを振り向くと、そこには尻別岳がくっきりと姿を現していた。

尻別川
後ろに見える尻別川


天気が良いと、瀬の波が白くキラキラと輝いてとても美しく見える。
何だか尻別川では何時もこんな写真を撮っている気がする。
なので、私の頭の中で尻別川は、夏のイメージが強い川なのである。

尻別川
瀬がキラキラと光って眩しい




昼の休憩


留産橋手前の岩場に上陸してお昼の休憩。
昼食を食べている間に、羊蹄山にかかっていた雲は次第に取れてきて、再スタートする頃には山頂の姿も確認できるようになっていた。
この区間を下るときに、羊蹄山の姿は欠かせないのである。

尻別川
再スタートする頃には羊蹄山も姿を見せてきた


尻別川
後ろに見える尻別岳も格好良い


途中で水の中で揺れるバイカモの群落を見つけた。
かろうじて数輪の花を咲かせている。

そこを過ぎてからバイカモの話をしていると、ガンちゃんが「えっ、バイカモが有ったの!、私まだバイカモを見たことがない」と言って悔しがる。
一緒に下っていた人達の殆どはそのバイカモに気が付いていたようだけれど、ガンちゃんだけが見逃していたようだ。

尻別川
バイカモ発見!


そんなに悔しがらなくても千歳川を下ればバイカモなんていくらでも見られるのにと思ったが、ガンちゃんはバイカモの咲く時期に千歳川を下ったことがないようだ。
その後で誰かがバイカモを見つけてくれて、ガンちゃんも嬉しそうに写真を撮っていたけれど、それは千歳川で見られるバイカモと比べるととても貧相なバイカモだった。
バイカモは清流で育つ植物のイメージが有るので、やや透明度の落ちる尻別川のバイカモは、やっぱり見劣りがするのである。

この区間を下る時の一番の難所は堰堤のポーテージである。
もしもソロで下っていたとしたら、誰かに手伝ってもらわないとカヌーを護岸の上まで引き上げられなかったかもしれない。

尻別川
堰堤ポーテージが面倒だ


5年前にOはしさんが川下りを止めて脱走したものこの堰堤である。
「ここをゴールにしておけば良かった」とぼやいていたけれど、確かにそうかも知れない。

尻別川
以前よりも落差が小さくなってしまった


堰堤のすぐ下流に楽しい瀬があるのだけれど、最近は落差が小さくなって迫力がなくなってしまった気がする。
これならば堰堤をゴールにしても全く問題なかったのである。

そこから先は向かい風も強くなり、ただひたすらゴールの京留橋を目指して漕ぐだけの川下りとなってしまった。
そんな中、一人だけ嬉々として向かい風に立ち向かっていたのは、SUPに乗る華奢な女性Nもとさんだった。
最後にはカナディアンタンデムの私達を追い抜いてトップでゴールイン。
やっぱりこれくらいでないと、洞爺湖一周などとても出来ないだろうと納得させられる。

天気が良い時に下る尻別川はやっぱり最高である。
明日はラフトコースを下るけれど、同じ様な青空を期待したいものだ。

尻別川


 

(当日12:00尻別川水位 喜茂別下流観測所:252.53m)



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