北海道キャンプ場見聞録
シーソラプチ川(2020/06/20)
自粛解除初例会
コロナの緊急事態宣言も解除され、6月19日には札幌への往来自粛も解除となり、ようやく日本国内を自由に移動できるようになった。
4月、5月と中止になっていたカヌークラブの例会も、予定を一週遅らせて、6月例会がようやく開催となる。
当初計画では6月例会では石狩川と忠別川を下ることになっていたが、宿泊場所等の関係もあり、シーソラプチ川と沙流川に変更される。
初日の土曜日に下るのはシーソラプチ川。
自粛は自主的に解除して既に何回も川を下っているメンバーから、これが今シーズン最初の川下りだと言うメンバーまで25名が集まった。
スタート地点の瀬
昨夜の雨のおかげで川の水はやや多め。
霧雨も降っていたけど、誰もそんなことは気にしないくらいに、川を目の前にしてウキウキしている。
今年はクラブの会長の更新年で、I田さんが新会長に就任。
スタート地点前の瀬でそのI田さんがいきなり沈。
新会長の沈により、今シーズン最初の例会川下りが始まった。
新会長の堂々たる流されっぷり
最初に待ち構えている五流の瀬。
進入場所の選択を誤り、真ん中から瀬に入ってしまったビンバさんは、あえなく沈。
本当は左岸寄りから下るのが鉄則
ビンバさんのドライスーツは、首のガスケットがその付け根まで完全に裂けてしまっていた。
スタート前にガムテープで応急処置をして、頭の上から水を被らない限りは何とかなるだろうと川下りに挑んだのだが、沈する場所が悪かった。
落ち込みの水を頭の上から被って、ドライスーツの中は水浸しになってしまった。
ヨッシーの小学生の娘さんも沈。
脱艇できずに水中でもがいている所をお父さんが川に飛び込んで救助される。
娘さんの危機に直ぐに川に飛び込むヨッシーパパ
そのショックで泣いてしまったけれど、お父さんがしばらくの間抱きしめて慰める。
途中リタイアかと思ったけれど、何とか立ち直ったようで再びカヤックに乗り込んだ。
ヨッシーの談によると、ここでリタイアするとカヌーを止めてしまうことになるかもしれないと思って必死になって慰めたそうである。
ヨッシーの中学生の息子さんは見事に五流の瀬をクリア
私は今回はソロでのダウンリバー。
スタートする時はちょっと危なかしかったけれど、徐々に感を取り戻してくる。
ソロの場合は小さなエディを見つけたら、躊躇わずにそこに入れるのが良い。
タンデムの場合は、下っている先にエディがあったら「あそこに入るからね」と前もって予告しておかないと、後でお叱りを受けることになるのだ。
五流の瀬での沈から立ち直ったヨッシーの娘さんだけど、その後も厳しい瀬が時々現れる。
どうしても無理そうな時は、ヨッシーが娘さんのカヤックの後ろにつかまって、一緒に川を流れながらカヤックを誘導する。
瀬の中では岩に体をぶつけながら流れることにもなり、お父さんもなかなか大変である。
娘さんのカヤックを誘導しながら流されるヨッシーパパ
クランクの瀬の手前では、今度はヨッシーの中学生の息子さんがカヤックを流してしまった。
しょうがないので私のカナディアンの前に乗せてクランクの瀬を下ることにする。
スターンのポジションで一人で漕がなければならず、ちょっと不安だったけれど、何とか無事に流されたカヤックの場所まで息子さんを送り届けることができてホッとする。
ヨッシーの息子さんを乗せてクランクの瀬を下る
ドライスーツの中に水が入ってしまったビンバさんは体が冷え切ってしまい、ここでリタイアすることになる。
今日は曇り空で気温も低いので、体を濡らしてしまうと少々厳しい状況になるのである。
ちょうど川岸の崖に階段が付けられていたので、舟を何とか上まで引き上げることができた。
上がった場所は、ちょうどCafeベリーズの裏。
そこからなら、スタート地点まで歩いて戻れば、冷え切った体も温まりそうだ。
ビンバさんここでリタイア
次のトラウマの瀬は、水量が多い時は右岸側を下れるようになる。
ヨッシーの二人のお子さんたちは、お父さんに手伝ってもらいながら無事にそこを下ることができた。
パパに手伝ってもらいながらもトラウマの瀬を下りきった娘さん
私は去年、タンデムで下ってトラウマの瀬で沈していた。
今回はソロで無事に下れたけれど、落ち込みの先でカヌーが後ろを向いてしまい、そのまま沈の花道を後ろ向きで流され、ちょっと恥ずかしい思いをする。
トラウマの瀬は結構難易度が高い
何時もの昼食ポイントに到着する手前の瀬で、またしてもカヌーが後ろ向きになってしまった。
私は非力なものだから、一旦カヌーが回され始めると、それをなかなか修正できないのだ。
ウェーブで遊ぶ人達を眺めながらお昼の休憩。
サーフィンで遊ぶ人達を眺めながらの昼食は何時ものパターンである
ヨッシーのお子さんたちは国体コースの手前で上がった。
三段の瀬では早めに下って、後続メンバーの撮影に専念する。
三段の瀬
皆が三段の瀬を下り終わった後、ラフトが1艇下ってきた。
その様子を見てびっくりする。
ガイドもお客さんも全員がマスクをしてラフトに乗っているのである。
それでは自然の中で遊ぶ楽しさも半減するんじゃないだろうかと気になってしまう。
ガイドも客もマスク着用のラフトツアー
次は、パチンコ岩の手前にある岩の上から写真を撮ってみることにした。
初めてのアングルなので良い写真を撮れるかなと思ったけれど、やっぱりここでは渡月橋の落ち込みで写したほうが、色々と面白いシーンを撮れるのである。
唯一の収穫は、A達さんがパチンコ岩にまともに衝突するシーンを記録できたことだった。
これがパチンコ岩と呼ばれる由縁である
今回の例会には次のパリオリンピックを目指しているという18歳の女の子がゲスト参加していた。
種目はスプリントで、リバーカヤックで川を下るのはこれが2度めらしい。
スプリント競技で乗る舟は、私達が普段目にするカヤックとは全く別物である。
それでもリバーカヤックを難なく乗りこなし、最後の渡月橋の落ち込みも、一番難しいど真ん中を下ってあっさりとクリアしてしまうのだからさすがである。
NHKでも一度彼女のことが紹介されていたけれど、是非オリンピック出場の夢を遂げてもらいたいものである。
カヌースプリントで2024年パリオリンピックを目指す鷹栖町出身の照井咲頼さん
皆で応援しましょう!
私は難易度の低い左岸側から落ち込みを下り、その先の岩にカヌーをぶつけながらも、何とか今日一日、沈することなく川を下り終えることができた。
ゴール後の長い階段、皆が「手伝いますよ」と声をかけてくれるのを断り、一人でカヌーを担いで階段を上る。
これからは一人で川を下ることも多くなりそうなので、誰の助けも受けずに車へのカヌーの積み下ろしまでできるようにならなければならないのだ。
(当日12:00空知川水位 幾寅観測所:354.09m)