北海道キャンプ場見聞録
シーソラプチ川(2019/08/18)
濁流から一変
昨日の濁流が、たった一日で元の清流に戻ったシーソラプチ川。
天気も良く、今日は最高の川下りを楽しめそうだ。
こんな最高の条件にもかかわらず、参加者は28名。
これでも十分に大人数と言えるのだけれど、最近のシーソラプチ川例会では参加者が40名を超えることもあり、この人数はやっぱり台風の影響もあったのだろう。
天気も良くてベストコンディション
それでも、一緒に川を下るのならば人数はこれくらいが限界である。
40名にもなってしまうと、川を下っている間に一度も顔を見ない人まで出てくるのだ。
小回りの利かないカナディアンに乗っていると、大勢の中に混じって下るのは大変である。
それなので、人数が多い時は私たちは先頭の方で下ることにしている。
そうすると、I山さんが撮ってくれる動画に映れなくなるのだけれど、背に腹は代えられないのである。
スタートして直ぐに瀬が始まる
スタート地点の瀬で少し写真を撮った後は、五竜の瀬まで先に下って、そこで皆の写真を写すことにした。
セオリー通りに左岸側から落ち込みに入ろうとしたら、先に下っていたヨッシーが瀬の中でもがいていて、危うく轢いてしまうところだった。
危うくヨッシーを轢くところだった
スタートする前に今回のツアーリーダーのタケちゃんから「五竜の瀬は真ん中を下らない様に」と言われたばかりなのに、真ん中から落ちて巻かれてしまったようだ。
五流の瀬は水量が多いほど落差も小さくなるので、見た目は真っ白なホワイトウォーターになっているけれど、皆問題なく下っていく。
去年本格的にカヤックを始めたばかりのS浦さん。
大丈夫なのかなと心配していたけれど、軽くクリア。
女性SUPerとして新規入会したN本さん。
リバーSUPは今年始めたばかりと言うのに、笑顔を浮かべながら五竜の瀬をクリアしたのには驚かされた。
完全なホワイトウォーターとなっている五竜の瀬
キラキラと輝くホワイトウォーター、川底の石まではっきりと見える澄んだ水、3年前の台風被害も思い出せないくらいに回復した緑の木々。
そんな風景を楽しみながら、所々でカメラのシャッターを切る。
クランクの瀬でもう一度全員の写真を撮ろうと思って、先に下っていく。
しかし、撮影ポイントのエディに入ることができずに通り過ぎてしまった。
エディに入る時は、かみさんに「そこ、左に入って!」などと声をかけるのだけれど、時々「えーっ、岩があるじゃないの!」と文句を言われることもある。
一瞬の間に、かみさんに文句を言われずに入ることのできるエディかどうかを判断しなければならず、今回は迷っている間に通り過ぎてしまったのである。
かなり下流から、クランクの瀬の遠景を撮影しただけで終わってしまう。
次のトラウマの瀬は、流石に先頭では下れない。
それでも、カヤックメンバーが何名か下っていったのを確認して、私たちも後に続いた。
シーソラプチ川では、ここは渡月橋の落ち込みに次ぐ沈ポイントである。
後で聞くと、かみさんは落ち込みに入る瞬間に沈を覚悟していたそうだ。
何時もより落ちるポイントが左に寄り過ぎていたらしい。
全く抵抗できないままにカヌーはひっくり返り、覚悟していたかみさんはさっさとカヌーから飛び出していた。
見事に飛び出していくかみさん
ここで沈したのは私たちとツアーリーダーのタケちゃんだけだったらしい。
でも、天気も良くて水も綺麗で、負け惜しみじゃなくて気持ちの良い沈だった。
そのタケちゃんは、ここからよしひろさんのSUPを借りて、それで下るようだ。
初めてSUPに乗る人は、まずは乗った瞬間にひっくり返るのが普通である。
しかし、タケちゃんは少しグラグラしていたけれど、その後は何とかSUPで下り続けていたのは流石である。
最初からSUPを乗りこなすタケちゃん
何時ものポイントで昼の休憩。
サーフィンのできるウェーブが目の前にあるのだけれど、そこに入るのがなかなか難しい。
岩の上に腰掛けて、順番でそこにチャレンジするメンバーをのんびりと眺める。
何時もと同じ風景が繰り広げられる。
のんびりと見学している人と一生懸命遊んでいる人
昼食後はいよいよ国体コースへと入っていく。
水量は何時もより多めである。
ツアーリーダーのタケちゃんが心配していたのは、ここ何回か、ゴール地点を過ぎて舟を流してしまうケースが続いていたことである。
普通は、三段の瀬を全員で下り終えてから、次のパチンコ岩から渡月橋へと向かう。
しかし、水が多い時は三段の瀬で沈した人のレスキューに失敗すると、そのまま一気に下流まで流される心配もある。
新入会女性SUPerも三段の瀬を見事クリア
そこで、タケちゃんの指示により、何名かが先に渡月橋の下流まで下って、そこで待機することとなる。
私たちは、三段の瀬を下ったところで一息入れる。
心配していたように、ここで沈してそのまま流される人はいなかった。
それを見届けて直ぐに、私たちは再スタート。
かみさんが「パチンコ岩は右から下るから」と言うので、素直にしたがう。
左から回り込む方が難易度が高くヒーローコースになるのだけれど、今日の水量では無理しない方が良さそうだ。
必死に頑張っても避けきれずに岩に衝突
しかし、右へ行く意識が強すぎたのか、右に寄り過ぎて右岸の岩にまともにぶつけてしまう。
また、カヌーの先端が凹んでしまったかもしれない。
どうもポケットキャニオンに乗り換えてから、岩に衝突することが増えてしまった気がする。
当月橋の落ち込みは、ぐらりとしながらも無事にクリア。
ぐらりとした瞬間に、思わずガンネルを掴んでしまったのが、ちょっと恥ずかしかった。
ガンネルを掴むのは格好悪いけれど、それで沈したことは記憶にない。
沈する時は、大体がガンネルを掴む余裕さえないのである。
無事にクリアした後は直ぐに撮影ポジションに付いて、誰かが沈するのを手ぐすね引いて待ち構える。
カヤックが1艇沈脱し、下流でレスキューできずにそのまま流されてしまったけれど、ゴール地点では無事に回収できた。
私が心配していたS浦さんは、トラウマの瀬、三段の瀬と、E田さんに先導してもらってチキンルートを下りながらも、ここまでノー沈。
三段の瀬から下流も、最初から左岸側を下るチキンルートをE田さんの後に付いて下ってきたが、落ち込みの寸前で後ろ向きになってしまった。
しかし、それでも沈しないのだから、バランス感覚が素晴らしい。
先導するE田さんの後ろで後ろ向きになってしまったS浦さん
シーソラプチ川を下ると、瀬と名前の付く場所では全て沈してくれるくらいに、シーソラプチの沈の風物詩にもなっていた熊五郎さんが、今回は一度も沈しないままに渡月橋の落ち込みもクリアしてしまった。
夏の終わりの珍事だったのか、熊五郎さんのスキルが上がったのかは分からないが、皆をがっかりさせたことだけは確かである。
皆の期待を裏切る熊さん
こうして楽しかった8月例会も終了。
お盆を過ぎて季節は秋に向かい、北海道ではこれが最後の夏の川下りとなるのだろう。
少しだけ寂しさを感じながら、シーソラプチ川を後にした。
川下りの動画
(当日12:00空知川水位 幾寅観測所:354.10m)