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尻別川(中野橋~羊蹄大橋 2019/07/07)

最低レベルの水量

6月に2週間の東北旅行に出かけていたこともあり、今回の尻別川は5月19日に沙流川を下って以来の川下りだった。
シーズンでも5回目。
多い年なら、この時期なら既に15回は川を下っていたこともあるが、普通の人ならば5回は決して少ない数ではないかもしれない。
それでもやっぱり一か月半も間が開くと、かなり久しぶりの気がするのだ。

尻別川
次々と出ていくラフトを見送ってからスタートする


気温が上がると思って今日はウェットスーツで下るつもりだったが、現地までやって来た時の気温は18度。
空は曇っているし、これは完全にドライスーツで下る天気である。
それでも、川を下り始める頃には陽射しも出てきて、ホッとした。

ヘビトンボ
大型の昆虫、ヘビトンボという名前らしい

スタート地点の草むらで、変な昆虫を見つけた。
トンボかと思ったけれど、姿が全然違う。
初めて見る種類である。
60年以上生きてきて、普通の人よりは屋外で遊んでいる時間も多いのに、見たことのない昆虫がまだいたとは、自分でも驚きだった。

よろよろと飛んでいく姿はカゲロウにそっくりだったので、大型のカゲロウなのだろうと自分で結論付けたけれど、後で聞いたところではヘビトンボだったことが判明。
水の綺麗な川に生息するとのことで、さすがに国土交通省で発表している水質日本一の川に今年も選ばれた尻別川である。

今日の参加者は13名。
まずは放水口からの流れで軽くウォーミングアップしてから、それぞれ下り始める。

尻別川
放水口からの流れでウォーミングアップ


そして直ぐに岩の多い瀬が始まる。
水はかなり少なく、今まで下った中でも最低レベルの水位である。
それでも、下るコースさえ間違えなければ、座礁することなく下れるのが尻別川の良いところである。

尻別川
瀬の入り口、この大岩で大体の水位が分かる、この日は過去最低水位だったかも


岩の裏のエディに入って、後ろから下って来るメンバーの写真を写す。
太陽の陽射しを受けた水がキラキラと輝く。
水しぶきを浴びながらその中を下ってくるカヌー。
とても清々しい風景だ。

尻別川の瀬を下る
キラキラと輝く水が眩しい


陽射しは有っても、気温はそんなには上がっていない。
ドライスーツを着ていないので、沈だけは絶対にしたくないけれど、今日の水量ならば心配は無い。
最後に待ち構えている落差のある瀬も、それ程大きな波も立っていなくて、すんなりと下れた。

尻別川の瀬を下る
最後の瀬も迫力がない



テトラの入った緩い右カーブの流れ。
途中に小さな落ち込みがあるので、先に下ってそこで全員の写真を撮る。
カナディアンはスルーッと通り過ぎるだけだけれど、小さなカヤックは頭から水を浴びて気持ちが良さそうだ。

尻別川の瀬を下る
尻別川の瀬を下る


寒別橋を過ぎると羊蹄山の姿が見えてくる。
青空が広がっているけれど、空気中に水蒸気が多いのか、少しぼやけて見えるのが残念だ。

尻別川
すっきりとした青空ではないのが残念


尻別川
何時もの河原で休憩


その先で、冬の間に護岸工事が行われた場所があり、川の様子ががらりと変わってしまっていた。
護岸工事をする時に川の流れを切り替えていたようで、護岸ブロックされた対岸側も、砂利が川の方に押し出されている。
そんな工事の影響なのだろう。
下流の右岸側では、土の壁が新たに大きくえぐられていた。
これだけ川に大きく影響を与える工事が本当に必要だったのか、疑問を感じてしまう。

尻別川護岸工事
この護岸工事で川の様子がかなり変わった


尻別川の瀬を下る
下流にあった、ちょっとした落差の落ち込みも潰れてしまった



その先の二股の瀬では、水が少ないので、何時もは水中に隠れている岩も水面に頭を出していた。
この岩が何時もの大きな波を作っていたのかと、改めて納得する。

尻別川二股の瀬
二股の瀬、流れの真ん中に岩が見えている


そんな岩が出ていても余裕を持って避けられ、大きな波も立っていないので、緊張することも無く下ることができた。
しかし、油断しすぎたせいで瀬を下った勢いのまま対岸に衝突してしまう。
軽くぶつかった程度だと思ったけれど、後で確認してみると、石狩川のポンモシリの瀬で岩にぶつけて凹ませた場所が、また大きく凹んでいたのである。


軽くクリアできると思っていたら

そのまま対岸に衝突


二股の瀬では学生の大地君が、これまでの就職活動で溜まったストレスを発散するかのように、体一つで瀬を何度も流されたり、岩の上から何度も飛び込んだりと、一人ではしゃぎまわっていた。
内定も数社からもらっているようで、その中から何処を選ぶかで、また頭を悩ませるのだろう。


岩の上から飛び込む大地君


最後の岩が絡んだ瀬で、N島さんとmarioさんが沈脱。
水が少ないと、思わぬところに落とし穴があるようだ。

最後に現れる大きな土壁。
大地君がその土壁に向かって、勢いよくカヌーを進めていった。

尻別川の土壁
見かけによらず厳しい滝行なのだ


「あっ、やる気だな」と思って見ていると、案の定、カヌーから降りて土壁から落ちている1本の滝へと向かっていく。
この土壁の滝を見る度に、私も一度やってみたいと思っていたのだけれど、大地君に先を越されてしまった。

この滝は土壁から染み出た湧水が落ちてきているので、その水温はかなり低い。
二股の瀬で暴れまわっていた大地君も、数秒間滝に打たれただけで、震えながら戻って来た。

水は少なかったけれど、その分だけ水も澄んで、天気もまあまあ。
久しぶりの川下りは、やっぱり楽しかったのである。

この日の川下り動画

(当日12:00尻別川水位 倶知安観測所:167.17m)



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