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朱太川(2018/10/21)

サケと戯れ紅葉を愛でる

紅葉に彩られる朱太川に集まった10名と1匹。
去年に続いてこの時期に朱太川を下ることになる。


スタート前の記念撮影

集合場所に集まる前に、スタート地点のすぐ前に住んでいる農家さんに挨拶をしておく。
愛想の良いお爺さんが出てきて「ああ、カヌーかい」と言ってくれた。
以前にクラブの例会でここを下った時も菓子折りを持って挨拶していたので、理解してくれているようだ。

得体の知れない集団が突然やってきて家の前でウロウロされたら、誰でも良い気持ちはしないと思うので、この辺の配慮は欠かせないのである。

今回は熊さん夫婦が2人そろってCCで川を下る。
普段からCCに乗っている奥さんと違って、熊さんはCCで川を下るのは今回が初めて。
ラウンドボトムで如何にも安定性は悪そうで、如何に朱太川と言えども、本当に大丈夫なのかと心配になってくる。

その心配通り、下り始めて10分も経たないうちに倒木の前で沈脱。
ただ、沈しても足が立つような場所がほとんどなので、大して心配することは無いのである。


CC-1のツーショット

沈脱はこの1回で済んだ熊さん


水位は去年下った時よりも3センチ少ない。
下る分には問題ないけれど、時々カヌーの底を擦ってしまうような瀬があり、その先には大体倒木が待ち構えているので、あまりのんびりとも下っていられない。


ダッキーに愛犬を乗せているE田さんが下りづらそうだ。
それでも大人しいワンちゃんなので、何とかなっていた。

大体は小さな倒木なので、横を通り抜けたり河原をポーテージしたりしてかわすことができるけれど、突然目の前に巨大な倒木が現れた。
川を完全に塞いでいてポーテージできそうな場所も無い。
その根元付近に舟1艇がかろうじて通り抜けられるスペースが開いていたので何とかなったけれど、それが無かったら一苦労していたところだ。


この隙間が無かったとしたら、かなり苦労したのは間違いない


家に帰って去年の川下り日記を見ていると、この倒木と思われる樹木が斜めに傾いている写真が載っているのに気が付いた。
この倒木、川がかなり増水しないと、しばらくはこのままの状態で残りそうである。


川を完全に塞いでいる倒木

去年はまだこの状態だった


その倒木を過ぎた先には美しい紅葉風景が待っていた。
川に山が迫っている場所では特に美しい紅葉が楽しめる。


川の水もとても澄んでいて、川底の様子がはっきりと分かる。
そこに周りの紅葉や青い空が映り込み、紅葉風景を更に引き立てる。




道道の貝殻橋を過ぎてしばらくすると、その橋の名の通り貝殻を沢山含んだ地層の露頭が現れる。
何時もここに来る度に、貝殻を掘り出す道具を持ってくれば良かったと後悔する。
脆くなった貝殻は、無理して剥がそうとすると簡単に崩れてしまうのだ。


貝殻の化石が埋まる露頭


貝の化石は採れなかったけれど、その近くの倒木に天然ナメコが生えているのを発見。
今日のキャンプで食べる分の天然ナメコが収穫出来て大ラッキーだった。
この時期、川を下っているとヤナギタケは沢山目にするけれど、その味は天然ナメコとは比べ物にならないのである。


この倒木にナメコが生えていた

味噌汁1回分には丁度良い量だ


相変わらず倒木が多く、一つをかわしてホッとしていると、その先で1本だけ飛び出していた倒木の枝にぶつかって危うく沈しかける。
後ろのメンバーにも注意するように声をかけるが、そんな倒木にぶつかるのは私くらいだった。


この倒木の下で思わぬピンチに

この枝1本にやられるところだった


去年もそこで休憩した、紅葉に囲まれた河原に上陸。
サケのホッチャレの臭いがプ~ンと漂ってくるけれど、美しい紅葉がコンビニおにぎりをより美味しく感じさせてくれる。


透明な水に綺麗な紅葉、美しい河原で昼食



休憩を終えて再び下り始めると、高さ60mはありそうな圧倒的な迫力の露頭が現れた。
朱太川は、この辺りではもう歌才ブナ林の直ぐ横を流れているはずである。
この露頭の上には美しいブナ林が広がっているのだろう。


これだけ高さのある露頭は他ではあまり見たことがない


ここから先の区間は、サケの姿が一番多くみられるところでもある。
ここまで下ってくる間にもサケの姿は見られたけれど、去年下った時よりも少ないかなという印象だった。
しかし、さすがにここは去年以上にサケが沢山群れている気がした。

カヌーの姿に驚いたサケの群れがもの凄い速さで直ぐ横を泳ぎ過ぎていく。
驚くほどに澄んだ水を通してその姿がはっきりと見られる。
暫し時間を忘れて、その姿を眺めながら川の上を流された。


カヌーの周りを避けの群れが泳ぎ回る


美しいブナの紅葉が川の上を覆ってくる。
そんな景色に見惚れていると、川を塞ぐような倒木が行く手を遮り、更には岩の多い流れが出てくる。
それでも、倒木はその下をくぐり抜けられるし、岩避けもそれ程難しくは無く、川下り中のちょっとしたアクセントみたいなものだ。


素晴らしい風景の中を下っていく


およそ10キロを3時間かけてのんびりと下り、黒松内市街地のゴール地点に到着。
天気に恵まれ、期待通りの紅葉とサケの姿も見られ、最高の川下りを楽しむ事ができた。


ここまで来たらゴールは近い


この日、カヌークラブの他のメンバーは、定山渓の岩だらけの川を下っていた。
そんな川が好きな人もいれば、こんな穏やかな川が好きな人もいる。
どちらかと言うとそんな川が好きな人の方が多い今の現状だけれど、こんな川の魅力ももっと知って欲しいものである。
 

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(当日12:00朱太川水位 黒松内:20.95m)



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