北海道キャンプ場見聞録
歴舟川(2017/08/15)
それぞれの思いで川下り
軟弱メンバーの見送りを受ける
昨日のズリズリで疲れ切ってしまった人や用事がある人5名が抜け、カナディアンの3名が新たに加わり、総勢9名でキャンプ場前の川原を出発。
軟弱メンバー4名と水遊び自粛中のmasaちゃんが見送ってくれる。
キャンプ場から下流は7月始めに川旅で下っていて、水量もその時とほぼ同じである。
神威大橋を過ぎると直ぐに浅瀬になるが、右岸寄りに下れば何とか座礁しないで下れるはずだ。
軟弱メンバー4人から見えているところでは、意地でも座礁するわけにはいかない。
少しでも座礁すると「ああ、やっぱりね~、今日は下らなくて正解だったね」と笑われるのは明白なのだ。
油断しているとこんなところで座礁してしまう
と思っていたら、ドレンコックを閉め忘れたまま下り始めていたI山さんが、浅瀬に出来た中州に上がってカヌーの水抜きを始める有様。
最初から緊張感に欠けているようだ。
張り切っているのは、昨日下っていないH池・baubauペアと熊五郎さんくらいである。
最初の浅瀬は何とか座礁しないで下れるかと思ったら、最後に関係ないところで隠れ岩に乗り上げてしまった。
それでも、この後は昨日のように苦労することもなく、快適に下ることができた。
所々に気持ち良く下れる瀬も現れる。
全く素直な瀬ばかりなので、ビデオを構えるI山さんの前でパドルを回したり、立てたり、放り投げたりと、皆余裕をもって下っている。
瀬を下る時は何時も笑っているbaubauさん
気持ち良く下れる瀬が所々に現れる
そんな中でO橋さんだけが退屈そうである。
毎週毎週川に出かけ、瀬に対する感覚が完全にマヒしているのだろう。
この緩い流れが我慢できないO橋さん
サーフィンできればそれだけで満足しているI山さん
今回のミニ例会でも、最初は歴舟上流とヌビナイ川を下ると言っていたけれど、私が「この水量じゃ苦労するだけだから、2日目はキャンプ場から下を下った方が良い」と説得したのである。
「え~っ、キャンプ場から下なんて何も無いよね~」と言いながら、最後は渋々と納得してくれた。
私からすれば「結構楽しい瀬も沢山あるのに」って感じなのに、O橋さんに言わせると「何も無い川」なのである。
O橋さんと連んで毎週川を下っているI山さんも同じく退屈しているのかと思ったら、そうでもなさそうだ。
所々にある小さなウェーブでサーフィンができるので、それだけで満足しているらしい。
一方のO橋さんは、マイクロウェーブでのサーフィンには全く興味を示さない。
カヤックのマイキーさんやサップのIくらさんはそれなりに川下りを楽しんでいるし、カナディアン組は勿論楽しくてしょうがないと言った風情だ。
カナディアンではこれくらいの瀬が一番楽しく下れる
釧路川はカナディアンが似合う川だと言われるけれど、歴舟川のキャンプ場から河口までの区間も、釧路川とは別の意味でカナディアンが似合う川だと私は思う。
カナディアンだけではなくサップも似合う歴舟川、バックが青空だったら最高だったかも
奥さんをおいてきて一人で楽しむマイキーさん
川に対する思いは人によって全然違う。
それぞれが違う思いを持ちながら、同じ瀬を下って、同じ景色を眺める。
カヌーという遊びは個人で完結するものである。
乗る舟や川への思いが全く違う人達が集まってきても、クラブの例会やミニ例会が成立しているのは、その個人が尊重されているからなのかもしれない。
第3の土壁を過ぎた先で昼の休憩。
その先には、去年の台風後に新しくできた川底の岩盤が露出した瀬がある。
そこを右岸寄りに下っていくと、小さなトラップがある。
斜めになった落ち込みで、落差は小さいけれどバランスを崩しやすい。
小さなトラップで粗沈したH池・baubauペア
そのトラップに、H池さんペアがはまって沈。
足の立つ場所だったのでそのまま岸に上がる。
これまでに尻別川二股の瀬、空知川渡月橋の落ち込みで豪沈を披露していたH池ペアだけれど、ここでの沈は所謂粗沈と言うやつである。
大樹町の市街地が近づいてくると、コンクリート擁壁にぶつかる瀬やテトラの絡んだ瀬が次々に現れるが、水量が少ないので問題はなし。
最後の小さな落ち込みを下り、ゴールの大樹橋に向かってゆっくりと下っていく。
歴舟川での2日間のミニ例会がこうして幕を閉じた。
渇水の川に苦労したこともあったけれど、川の上に居られたらそれだけで楽しい。
それを実感しながら、それぞれ帰途についたのである。
大樹橋手前の最後の瀬を下る
擁壁に衝突しそうで何時も冷やっとさせられる
(当日12:00歴舟川水位 尾田観測所 101.82m)