北海道キャンプ場見聞録
千歳川(2017/08/05)
自分の練習をするつもりが
かみさんがMEを漕ぐ練習をしたいと言うので千歳川に出かけることにした。
この日は、カヌークラブのN島さんが新入会員のレッスンをすることになっていたはずである。
回送手段は自分の足
現地に到着すると、既にその新入会員のご夫婦が着ていた。
挨拶だけ済ませて、カヌーを下ろした後、スポーツセンターの駐車場に車を置きに行く。
スタート地点に戻るのは、何時ものようにランニングである。
本当は今日は20キロくらい走り込もうと思っていたのに、ここで走る距離は6キロちょっと。
少し物足りないけれど、遠回りしてもっと距離を延ばそうという気持ちにまではなれない。
40分ほどでスタート地点まで戻って来た。
気温もそれほど高くなかったので、汗もあまりかいていない。
前には、暑くて堪らずにそのまま川の中に飛び込んだこともあった。
スタート前のレクチャーの効果は?
N島さんが、ご夫婦に漕ぎ方のレクチャーをしているところだった。
一生懸命説明しているが、ご夫婦の方はそれをほとんど理解していない様子である。
何せ、中古のカナディアンカヌーを手に入れたばかりで、美々川で乗った経験しか無いらしいのだ。
N島さんも今日が初対面で、どれくらい漕げるかどうかも分からない状況。
マナブで練習する予定なので、そこまで一緒に下っていくことにする。
そうして川に舟を浮かべる。
私やN島さんが想像していた以上に漕げていなかった。
どうやって漕げばどのようにカヌーが動くか、全然理解できていない。
やっぱり、N島さんの熱心なレクチャーは、右から左へと通り抜けていたようである。
最初のカーブを曲がったところで、岸から張り出した木の枝へと突っ込んでいく。
N島さんから「枝をつかむな!」と声が飛ぶ。
そこは何とか切り抜けたが、直ぐに次の枝へと突っ込んでいく。
そして今度は枝をつかんでしまい、当然のようにカヌーはひっくり返る。
後ろ向きになりながら樹木の横をすり抜ける
今日は水が少なく流れもそれほど速くはないので、直ぐに川の中で立つことができた。
N島さんが一生懸命漕ぎ方を説明するが、それでもまだ理解できていないようだ。
先が思いやられる。
ようやく大きなエディがあるところまで下ってきて、やっと一息である。
千歳川に初心者を連れてくると、スタート地点からいきなり流れが速く、おまけに岸から張り出した枝も多くて、このエディまで連れてくるのに一苦労するのだ。
ここで、真っ直ぐに漕ぐこととストリームイン、ストリームアウトの練習をして、ようやく少し様になってきた。
旦那さんの方も漕ぎ方が分かってきたようで、奥さんに対して色々と指示を出しているが、肝心の自分が何も漕いでいない。
カナディアンの夫婦タンデムは、最初はまず100%、旦那さんがスターンに乗ってバウの奥様にあれこれと指示を出すパターンだと言って間違いは無いだろう。
それを奥様が素直に聞き入れるか、全く聞き流すか、それとも反発するか。
それによって夫婦タンデムの未来は分かれていくのである。
マナブで練習中
木の枝が張り出して川幅が狭まっている場所などを一生懸命誘導しながら、ようやくマナブまで下ってきた。
そこでまたストリームイン、ストリームアウトの練習。
私達も一緒に練習するが、練習のテーマがないので直ぐに飽きてしまう。
私達にとっての練習とは、色々な川を沢山下ること。
特別な知識も理論も持ち合わせていないので、身体で覚えるしかないのである。
8月の週末にしては今日のマナブは人が少ない。
それでもマナブの仙人と呼ばれている方や、同じクラブに所属している練習熱心な父子に会うことができた。
ご夫婦のカナディアンに乗らせてもらう。
このカヌーの前の持ち主は釣り用に使っていとのことで、「安定性はあるよ」と言われていたらしい。
そして船底には見事なキールがあるのだ。
このキールのおかげで、舟を曲げようとしても全然反応してくれない。
ここまで操作性が悪いのだと驚いてしまう。
ある意味、ご夫婦がこの舟でここまで下ってきたのは大したものである。
我が家のMEに乗る奥さん、結構上手に漕げていた
初心者には難しい流れが続く
N島さんが、「ある程度漕げるようになったみたいだから、このままスポーツセンターまで下らせてみようと思うんだけど」と言ってきた。
最初はマナブで練習するだけの予定で、車もスタート地点に停めたままらしい。
それにお付き合いするのも、車の回送を手伝うのも全くかまわないのだけれど、N島さんはこの後、明日のシーソラプチ川ミニ例会の前泊で十勝のサホロ湖キャンプ場へ行く約束があるはずだ。
初心者を教える熱心さと、その行動力に、何時ものことながら敬服してしまう。
練習の甲斐あって、マナブを出た後は何とか下れていた。
魚道は私達が最初に下る。
水が少ないので結構な落差ができていて、これは大丈夫かなと心配になる。
しかし、ここは問題なくクリア。
操作性は悪くても安定性はあるみたいだ。
魚道を下るご夫婦
それが、分流が多くなるところでは、やっぱり操作性が悪いことが災いして、私が下った分流に入れなかったようだ。
下で待っていると、N島さんが先に下ってきてしまった。
分流のところで張り付いたらしい。
待っていてもなかなか下ってこないし、姿も見えない。
行方不明である。
蛇籠の瀬を下り終えて再乗艇
それでも、間もなくしてもう一つの分流の方を下ってきた。
何も無かったから良いけれど、初心者を連れての少人数でのダウンリバーはやっぱりリスクがあることを思い知らされる。
当人はケロッとしているけれど、こちらは冷や汗ものである。
蛇籠の瀬は驚くほどに変わり果てていた。
昔は、私のホームページでは「蛇籠の瀬」ではなく「蛇籠の落ち込み」と書いていたが、何時からか落ち込みの落差も小さくなって、それからは「蛇籠の瀬」と表現していたのである。
それが今は、瀬と言うのも躊躇われるくらいの流れになってしまった。
N島さんは、ここはポーテージさせるつもりでいたらしいが、これならば問題なく下ることができる。
バウを岸にぶつけて後ろ向きになってしまったが、それでも無事に下れてしまうのだ。
現在の蛇籠の瀬の状況、もう瀬とは言えないかも
スポーツセンターまでゆっくりと下っていく
そして3時間かかってスポーツセンターに到着。
軽く1本下るつもりの千歳川だったが、上流を向きながら漕いでいる時間も長く、結構疲れてしまった。
ここまで下ってこれたのはお見事だけれど、やっぱり舟には問題がある。
「川を下るような舟ではない、この舟で下れるのは千歳川か尻別川くらいだ」と正直にアドバイスさせてもらったが、当人は舟による川下りの困難さをあまり理解していないようだ。
「もっと練習して、来年は例会に出られるようになります」と屈託のない笑顔で話していて、こちらはだた「頑張ってください」としか言えなかった。
明日はシーソラプチ川のミニ例会。
天気も今日より良くなりそうなので、余計な心配をせずに目一杯川下りを楽しむことにしよう。
(当日12:00千歳川水位 ふ化場:30.18m)