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鵡川(トマム川)(2017/05/13)

ネギはもう十分

カヌークラブ5月例会初日は、アイヌネギの宝庫でもあるトマム川(鵡川上流部)を下る。
ネギが採れるのは良いけれど、5月のこの時期は雪解け水による増水時期でもある。
私もそれで一度、沈こそしなかったものの酷い目に遭っていた。


スタート前の記念撮影

それが今シーズンは、山の雪が少なかったおかげで、例会時には増水も治まり、川下りにはベストな水量となってくれたのである。
川下りがこれで3回目となる新入会員のMさんも、これならば何とかなりそうだ。

参加者は17名。
4月例会で40名も集まったことを考えると、随分減ってしまった気がするが、川くだりするにはこれくらいの人数がちょうど良い。

集合写真を撮って、順に川へと出て行く。
すると、そのまま対岸まで渡ったI山さん、いきなり岸に上がってネギを採りはじめた。
ちょっと下れば、大量にネギの生えている場所があるはずなのに、そこまでも我慢できないみたいだ。

そこから少し下ったところで、樹木が川の方に倒れ掛かって、その枝が川のほぼ全部を塞いでいるところがあった。
流れも緩く、川岸ぎりぎりを通過するのに苦労はしない。

ところがMさん、枝のトラップに捉まり、クモの巣に引っかかった蝶のようにバタバタともがいていた。
カヌーから降りたOはしさんが、膝までもない水深の川の中を歩いていって、トラップから優しく引き離してあげる。


枝に引っ掛かったMさんを救出するOはしさん

スタート前からネギ採りを始めたI山さん


 


崖に登ってネギを採るO橋さん

そして最初のネギ畑に到着。
各々が岸に上陸して収穫を始める。
ライフジャケットに装着しているリバーナイフが、ここで活躍する。
と言うか、リバーナイフはここでしか活躍したことがない。
かみさんが持ってきた山菜ナイフのほうが使いやすそうだ。

Oはしさんが崖を登ってネギを採っていたが、わざわざ登らなくても太い極上のネギが何処にでも生えていた。
それぞれが十分な量を収穫して、そこを離れた。

と思ったら、また上陸してネギを採っている人もいた。
採る場所によって味が変わるわけでもなく、一箇所だけで十分な量が採れるはずなのに、違う畑を見るとそこでも採りたくなるのが人情なのだろう。

しかし、しばらく下っていくと、さすがに誰もネギには興味を示さなくなった。
とにかく、そこらじゅうがネギ畑なのである。


ウドを探して崖によじ登るI山さん



必死にY田さんに付いていくMさん

I山さんの狙いも、既にウドに変わっていた。
しかし、今年のウドはやや遅れ気味みたいだ。
それでも、執念のI山さんは、崖をかなり上までよじ登って、いくらかのウドを収穫していたみたいだ。

MさんにはY田さんが付き添って、色々とアドバイスしている。
N島さんも脇から愛の鞭を入れる。
そこへO元さんも加わり、パドリングの極意を伝える。

Mさんの頭の中が真っ白になっている様子は、容易に想像できた。

そうしていよいよ核心部へとやってきた。
まずは全員で下見をする。
今日の水量ならば恐ろしさは感じないが、岩避けが忙しそうだ。


核心部の瀬を皆で下見する


Mさんはポーテージするのかと思ったら挑戦する気でいるらしい。
しかし、ここではビギナーズラックは有り得ない。
岩だらけの場所で長い距離を流されると、身体のあちこちに痣ができるのは必至である。
多分、そこまでの状況を想像できるだけの経験が無いので、挑戦しようと思っているのだろう。
サポート体制は十分なので、早い段階で少々痛い思いをするのも良いかもしれない。


核心部の瀬を下る


高いところから見ると攻略ルートは見えていたのに、実際に川の上に出ると目の前の様子しか分からない。
結局は下りながら瞬時に判断するしかないのだ。
途中で大岩に張り付きそうになりながらも、何とか無事に下ることができた。

直ぐに舟から下りて、写真撮影に途中まで戻る。
S沢さんが私の目の前で沈して流されていった。

挑戦するはずだったMさんが、カヤックを担いで岩の上を歩いてきていた。
熊五郎さんご夫婦も、何故かポーテージしている。
どちらも、コース取りを間違えて座礁してしまい、下るのを諦めてしまったようだ。
面白いシーンを見逃したような気がして、ちょっとがっかりする。


ポーテージするMさん

瀬に飲み込まれるS澤さん


 


何故か奥さんだけが流されている

そこで昼食をとってから再び下っていく。
途中で写真を撮ろうと思ってカメラを構えると、後ろから下ってきていた熊五郎艇が岩に引っかかって沈。
慌てて腰に取り付けてあるレスキューロープを外し、舟から下りて投げる準備をしたところに、熊五郎艇が流れてきた。

すると何故か、流されているのは奥さんだけで、熊五郎さんは悠然とカヌーに乗ったままである。
とりあえず、奥さんだけをロープで岸に引き上げたが、奥さんはご立腹の様子だ。

私も空知川で、かみさんだけが勝手に前方宙返りしながら川に落ちていった経験があるので、熊五郎さんの立場は理解できる。
しかし、この時の動画を公開したところ、熊五郎さんは奥さんを振り落として自分だけ助かった男として皆から後ろ指を差されることとなったのである。

その後も小さな瀬が時々現れるが、皆はそこを楽しみながら下っていく。


これくらいの瀬ならばMさんも楽に?下れる



ネギ畑がそこら中にある

相変わらずネギ畑も多い。
斜面が随分緑色に見えるなと思ったら、それが全部アイヌネギだったりする。

今日の集合場所の道の駅で、アイヌネギが一束400円近くで売られていたが、こんな様子を見ていると自分たちで商売したくなってくる。

そうして川下りが終了。
この日の宿泊は占冠村の双民館。

廃校になった小学校の建物を利用して作られた施設で、立派な調理室もある。
川下り中に収穫したネギやウドをそこでてんぷらなどにして、皆で美味しくいただいたのである。

 (川下りの動画へ


(当日12:00鵡川水位 占冠:330.38m)



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