北海道キャンプ場見聞録 ファミリー向けカヌーフィールド紹介
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シーソラプチ川

(ラフトスタート地点〜国体コース)

カヌークラブの10月例会初日に予定されていたトナシベツ川。
それが、林道の通行止めによりスタート地点まで行くことができず、急遽予定変更でシーソラプチ川を下ることになった。

幾寅や落合地区では、まだ方々でボランティアの人達も入った台風被害からの復旧作業が行われている最中だ。
クラブのメンバーも個人的にボランティア作業に参加したり、クラブとしても募金活動を行ってきた。
でも、私達だからこそできることは、川遊びの楽しさを多くの人に伝えることだと思う。
ラフトの営業も再開され、シーソラプチ川を下るにはちょうど良い機会である。

広い川原になったスタート地点この日は日高青少年自然の家に泊まる予定だが、午後4時までには宿に入らなければならない。
時間がないので、トナシベツ川から落合まで大急ぎで移動し、何時ものゴール地点に車を置き、すっかり変わってしまった国体コースの様子を見ることもなくスタート地点へと向かう。

そのスタート地点も大きく変わっていると話しには聞いていたけれど、その様子を見て改めて驚いてしまう。
以前は駐車スペースと川との間には河畔林が茂っていたのだが、その河畔林が全て消えて無くなり、一体は広々とした石の川原に変わっていた。

既に昼近くだったので、先にその川原で昼食を済ませる。

スタート地点の瀞場川の流れも変わっていて、スタート地点からいきなり瀬が始まっている。
でも、その上が瀞場になっているので、今までよりもスタートはしやすい。
これまでは瀞場が無かったので、川にカヌーを浮かべたら直ぐに下り始めなければならなかったのだ。

その瀬でY須賀さんが早くも沈脱して、流されていった。
クラブの過去の例会でも、スタートしてから沈脱までの早さでは3番目に入る記録である。

ちなみに2番目は、I田さんが石狩川で記録したスタート時にカヌーに乗り損ねてそのまま流れたもの。
そして1番は、余市川でのI山さん。
皆がスタートしようとしていたら、上流からI山さんが流れてきたのだ。
永遠に破られることのない記録である。


いきなり流されるY須賀さん

沈記録を作ったY須賀さん



川の様相に大きな変化はないスタート地点の様子は大きく変わっていたけれど、周辺にはそれ程増水の跡は見られない。
そのまま五流の瀬まで下ってきた。

ここは以前よりも落差が大きくなった気がして、落ちる瞬間に冷やっとする。
後で昔の写真と見比べてみると、確かに落ち込みの下が掘られて落差が大きくなっているようだ。

その先も流れに大きな変化は見られない。
水もシーソラプチらしい透明度である。
「昔のままのシーソラプチが残っている」
何となくホッとして、川を下り続ける。

しかし、川幅が少し広がった気がした。
その影響なのか、今日の水量ならば瀬の波ももっと大きくなるはずなのに、そんな感じがない。


五流の瀬

少し落差が大きくなったような気がする五流の瀬


シーソラプチ川の風景家に帰ってから昔の写真と見比べてみると、やっぱり大きく変わっていることに気が付いた。
以前は、緑のトンネルになるくらいに両岸から河畔林が枝を伸ばしていた。
その河畔林が削られ、今まで無かったところに石の川原が出現し、全体的に川幅も広がったようだ。

それでも、下っている時はそのことに気が付かないくらいなのだから、大きな変化ではない。

流されてしまった樹木と同じ太さの樹木が育つまでは長い年月がかかるけれど、自然の回復力は私達が思っている以上に力強いのである。
来年の夏になれば、その変化は更に分かりづらくなっていることだろう。


台風前のシーソラプチ川   台風後のシーソラプチ川
今年の7月に下った時の様子   左の写真とほぼ同じ場所の様子

沈の花道を流されるY須賀さん両岸が岩に固められたトラウマの瀬の様な場所は、さすがに以前とは変わっていない。
そうして、今年の7月にトラウマの瀬で沈した時のイメージが蘇ってくる。

しかし今回は全く危なげなく下ることができた。
前回よりも落ち込みに入る角度を変えたせいかなとも思ったが、それ以上に舟が変わったことの影響が大きいかもしれない。

今回は久しぶりにフリーダムに乗っているのだ。
今年の春、紀伊半島の熊野川を下った時、カヌーの底に穴が開いているのに気が付いて以来、北海道では一度もフリーダムに乗っていなかった。
その穴も塞ぎ、ボロボロになった塗装も塗り替え、満を持して望んだ今回の例会。

多分、舟の回転性や操作性は前回まで乗っていたMEの方が優れているのだろうけれど、その性能を十分に引き出せるまでの技術は私達には無かったのである。
それがフリーダムだと、思うように舟を操ることができて、瀬の中でも安心して乗っていられる。

3回目の沈をして濡れ鼠のY須賀さんトラウマの瀬に続く「沈の花道」をY須賀が流されてきた。
如何にも千両役者らしい、堂々たる流れっぷりである

そこから続く岩がらみの瀬で、またしても横須賀さんが3回目の沈。
ヨレヨレになって水から這い上がってきた濡れ鼠のようなその姿に、もう千両役者の面影は残っていなかった。

ルウオマンソラプチ川の合流部が近づいてくると、両岸の様相が次第に変わってくる。
台風10号は日高山脈北側の山々にまとまった雨を降らせ、それがルウオマンソラプチ川などから空知川に流れ込み、流域に大きな被害をもたらしたのだ。

川の両岸に茂っていた木々は、その樹木を育んでいた土壌ごと剥ぎ取られ、その下に隠れていた岩盤が露出している。
ルウオマンソラプチ川の合流部を過ぎると、その先には北落合橋が架かっている。

北落合橋一ヶ月前に私がボランティアで訪れた時には、その橋の欄干には大量の流木が引っ掛かっていた。
今はその流木も片付けられいるが、橋桁に取り付けられていたケーブルは、途中で切断されて垂れ下がったままである。

その橋を通り過ぎるといよいよ国体コースである。
何度も下っている川だけれど、全く別の川に見えてしまう。
それでも、川の流れそのものは以前と殆ど変わりは無い。

三段の瀬の手前に流木が絡んでいたけれど、下るルートの邪魔にはなっていない。
ここは全員がクリア。

三段の瀬を下った先に砂のビーチができていたのには驚かされた。
レスキューしたり見学したりするのには、なかなか良い場所である。
ルウオマンソラプチ川から流れ込んできた土砂がここに堆積したのだろう。
台風の思わぬ置き土産だ。


国体コースの風景
すっかり変わってしまった国体コースの風景

三段の瀬
三段の瀬の下流に出現したビーチ

パチンコ岩への流れ次のパチンコ岩は、無理をせずに右岸側のチキンコースを下る。
その先の渡月橋の落ち込みは、誰かが左岸側の方が落差が小さいと言っていた。

それを聞いたかみさんは左岸側に行こうとするが、そこまでチキンルートを下っていては面白くない。
「ダメだ!右から行くぞ!」と言って、落差の大きい右岸側から落ち込みに突入。

そしてものの見事にひっくり返ってしまった。
グルグルとエディの水に巻かれながら「だから左だって言ったのに!」と、かみさんはご立腹である。
そこに、Y須賀さんも仲間入りしてきた。
4沈目である。

渡月橋の落ち込みその下流で岸に這い上がり、後続メンバーの写真を撮ろうと岩の上に登っていくと、S井君がN島さんに傷の手当てをされていた。
舟に積んであった救急セットを持ってきて、それを手伝う。
耳の後をかなり深く切っていたので、病院で縫うしかなさそうだ。

S井君は今年入会したばかりの貴重な30代。
カヤックはまだ始めたばかりで、今日も何回か沈したけれど、五流の瀬やトラウマの瀬、三段の瀬は見事にクリアしていた。
彼も渡月橋の、私達と同じところで沈して、その際に右岸の岩にぶつかって怪我をしたようだ。
私も沈した時に右肘を擦り剥いていて、流れはそんなに変わっていないような気がしたけれど、下る時は注意した方が良さそうだ。

白井君はこの後、救急病院へ行って3針縫うこととなる。
、翌日の沙流川も下る気満々だったのに、ドクターストップで諦めることになってしまった。

そんなこともあったけれど、シーソラプチ川の水は相変わらず清冽で、空知川の国体コースはまるで異国の川を下っている雰囲気で、とても楽しい川下りだった。
既にラフトの営業が再開され、カヤックやカナディアンも戻ってきて、川は徐々に元の姿を取り戻しつつある。
来年は今まで以上に、この川に笑顔の花が沢山咲いて欲しいものである。

2016年10月8日 曇り 
当日12:00空知川水位(幾寅観測所) 353.73m 


パチンコ岩から渡月橋へ
パチンコ岩から渡月橋付近の様子

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