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ヌビナイ川

(砂防ダム〜キャンプ場)

快晴の天気、澄み切った水、適度な水量。
カヌークラブの9月例会で下るヌビナイ川は、正に三拍子揃った好条件に恵まれたのである。
これだけの好条件が揃うことは滅多にない。

スタート前の記念撮影スタート地点の川原にカヌーを下ろしたメンバーの顔には、自然と笑顔が浮かんでくる。
カメラを持っている人は、カヌーに乗り込む前に、まずは川の写真を写していた。
それくらい、今日のヌビナイ川は美しいのだ。
O川さんなどは、美しい川の女神に抱き付くかのように、澄んだ水の中に身を投じていた。

何時もの例会ならば、人気のヌビナイ川には多くの参加者がある。
ところがシルバーウィークの5連休の中に企画された川下りとなると、家族サービスやら仕事やらで参加できない人も多く、今日は11名しか来ていなかった。
来れなかった人には、本当に気の毒としか言い様が無い。
最高の川下りを楽しめるチャンスを逃してしまったのだ。


ヌビナイ川スタート地点
最高に美しいヌビナイ川

満面の笑みを浮かべたまま、皆は川を下り始めた。
まるで宙に浮かんでいるかのように、川底の石がくっきりと見えている。
渇水が続くと、それらの石の表面にコケが生えて緑色に見えることもあるが、最近の増水のおかげもあるのか、今日は花崗岩特有の真っ白な肌を見せていた。

楽しくヌビナイ川の瀬を下る今年の5月の連休にもヌビナイ川を下っていたけれど、その時よりも水量は少なめ。
それでも、座礁しないくらいの水量はあるので、楽に下る事ができる。

もっと水があれば、豪快に下る皆の様子を写そうと思って先回りするのだけれど、今日の水量では、そんなに迫力のある写真は撮れそうにない。
それよりも、この清流を楽しみながら下った方が良いので、何時もより気ままに下っていく。

浅瀬では川底の真っ白な花崗岩が眩しいくらいなのに、少し深みになると川の水がエメラルドグリーンに染まる。
支笏湖ブルーや摩周ブルーがあるのならば、ヌビナイグリーンがあっても良さそうだ。


ヌビナイ川
美しい瀬で遊ぶ

ヌビナイ川ダウンリバー   ヌビナイ川ダウンリバー
浮かんでいるだけで楽しくなる   エメラルドグリーンに染まったプール

ヌビナイ川を下る   ダイモンジソウ
水の透明度は過去最高かも   岩場で咲くダイモンジソウ

ヌビナイ川を下るあっという間に渓石橋まで下ってきた。

その先の花崗岩の玉石の川原で昼の休憩。
最近は何時もこの川原で休憩する事が多い。
面白い瀬を下った後にエメラルドグリーンに染まった淵が続き、眺めも良く、大きな玉石がちょうど良い腰掛代わりにもなり、絶好の休憩ポイントなのである。

再び下り始めても、楽しい瀬が次から次へと現れる。
そうして、5月の連休に沈脱祭りが開催された瀬までやって来た。
今回は水も少なかったので、前回のように盛大なお祭りにはならなかったが、2〜3艇は沈脱していたようである。


ヌビナイ川渓石橋
ビューポイントの渓石橋も霞むくらいに、美しい風景が続いていた

花崗岩の川原で休憩   ヌビナイ川を下る
玉石の川原で休憩   澄んだ川の水は美しい

その先の落ち込み。
以前はここが一番の難所になっていたが、最近は川の様子も少し変わって、沈脱祭りの瀬にその座を奪われた感がある。
今回は下見もしないでそのまま下ってしまうのかと思っていたら、先頭のN島さんが手前の右岸に上陸。
ヌビナイ川を下るそれに釣られるように全員がそこに上陸して、結局は全員でその落ち込みを下見する事になってしまった。

そして順番に瀬を下る。
最初の数名を撮影してみたが、何か迫力が足りない。
その後、自分達も下ってみたが、カヌーに水を汲むことも無く、あっさりとクリアしてしまった。
そうなると皆も余裕が出てきて、I上さんとO橋さんはお互いにGoProで写しあいながら、二人連なって瀬を下っていった。

I山さんとN島さんなどは、後ろ向きに瀬に入って途中でサーフィンをしようとしていた。
上手くいかずに、N島さんが上流に戻って再チャレンジしたが、今度は瀬の途中で沈。
そのまま楽しそうに下流へと流されていった。

瀬の下見   楽しそうに流されるN島さん
ここで下見するのは初めてかも  

楽しそうに流されていくN島先輩


そこを過ぎると、難しい瀬はもう無くなる。
との印象を持っていたが、最近はそうでもなくなってきた。逆に、ここから下流の方が、事件の起きる可能性が高いのである。

それは、川幅が広がるために、座礁するような浅瀬が多くなり、そして倒木も多くなるのである。
座礁しないように注意を払っていると、直ぐ目の前に倒木が待ち構えているのだ。

ヌビナイ川を下る私達も瀬の途中で岩に引っ掛かり、そのまま後ろ向きになってしまった。
直ぐ先で倒木が待ち構えていたので、上流を向いたままフェリーグライドの要領で逃げ出そうとするが、逆に本流の中に引き戻されてしまった。
そして、カヌーは横向きになって倒木へと吸い寄せられていく。
今度は必死のバックストロークで、かろうじてその倒木をかわすことができた。

O橋さんが「さすがに息の合った夫婦は違う!お見事!」と褒めてくれたが、本当に息が合っていればもっと簡単にこの倒木は避けられたのである。

その次も浅瀬の先に倒木が待ち構えていた。
予め倒木を避けるルートを下れば良いのだけれど、それだと座礁しそうだ。
倒木はその手前で避けられるだろうと考えて、座礁しないようなルートで浅瀬を下っていく。
張り付いた倒木しかし、その考えは甘かったのである。

浅瀬を下り終わると、倒木はもう目の前に迫っていた。
そしてそれを全く避けられず、横向きになったまま倒木に張り付いてしまった。

一瞬、カヌーが上流側に傾き水が流れ込んできたので、慌てて元に戻す。
上流側に傾いた状態で張り付いてしまうと、大問題になってしまうのだ。
しかし、私がカヌーに乗ったままだとどうしても傾いてくるので、止むを得ず私だけがカヌーから抜け出て水の中に入る。
そうしてガンネルを押さえながらバウまで移動し、そのまま反対側へ回り込み、カヌーが張り付いていた倒木の上によじ登る。
そこから、少しずつ張り付いたカヌーを引っ張り出す。
そのうちに岸からもバウに手が届くようになり、他の人の協力を得てかみさんが乗ったままのカヌーをようやく倒木から引き剥がす事ができた。

またしてもO橋さんから「ヒデさん、凄いわ〜」って褒められた。
自分でも、とっさの判断で上手く対応できたとは思うけれど、本当は倒木に張り付いた時点でアウトである。

ヌビナイ川の川下りこんな風に倒木に張り付いたのは初めての経験。
昨日は、阿寒川で沢山の倒木をかわしながら下っていたのに、今日は完全に油断していたようだ。
この後にも、もう一度、倒木の枝の中に突っ込んでしまい、もしかしたら、油断と言うよりも技術的な問題かもしれない。

そんな事がありながらも、楽しく川下りを続けていく。
空が広くなってきたなと思ったら、間もなくして歴舟中の川に合流。
そして直ぐに歴舟川本流へと入る。

尾田橋上流の、春には大きなウェーブのできていた瀬も、今回は大人しい瀬に変わっていて、そのままキャンプ場前の川原に上陸。
途中の張り付きはあったけれど、とても楽しいヌビナイ川のダウンリバーだった。

2015年9月22日 晴れ 
当日12:00歴舟川水位(尾田観測所) 102.42m 


ヌビナイ川の川下り
楽しい川下りだった


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