カヌークラブ9月例会の2日目は阿寒川である。 「えっ?本当に大丈夫なの?」 阿寒湖を源流とする阿寒川は、その気になれば源流の滝口直下から下る事もできる。 何箇所か下見をした結果、予定していた橋より1本上流の上徹別橋から下ることに決まった。 私は何となく嫌な予感がしていた。 ゴール地点は予め決めてあった松之恵橋なのに、ここでもちょっとバタバタしてしまった。 「えっ?何でそっちなの?」 そんなバタバタもあり、スタート時は既に正午近くになっていた。 流れが穏やかだと思ったのは、やっぱり橋の下流の僅かな区間だけだった。 一番怖いのは、川を塞いだ倒木がストレーナーを作っていることである。 川を完全に塞ぐような倒木こそ無かったが、川の上に真横に倒れ掛かり、その枝が行く手を邪魔している倒木が次から次へと現れる。 そんな時に邪魔をしてくるのが隠れ岩。 |
カナディアンではギリギリで通り抜けられるスペースしかない |
先を下るカヤックは、倒木の枝の隙間を潜り抜けて次々へと下っていく。 OC-1に乗っているN島さんだけは、「ここをカナディアンが通れるのか?」と、心の中で心配してくれていたようだ。 今回はかみさんも機敏に反応してくれたので、何とか上手く下れていた。 少し落ち着いたところで、N島さんが「今回は初心者がいなくて本当に良かった」と漏らしていた。 一番先頭を下るのはカヤックのI山さん。 最初は、蘇牛発電所へ向かう橋の橋脚に倒木が絡んでいる場所だった。 下見の結果、倒木のギリギリ左を抜けて、その直ぐ先の橋脚を右へとかわすルートで下ることになる。 次も、川幅が狭く波も大きく、見るからに危なさそうな流れだった。 しかし、ここまで極度に緊張しながら下ってきていたので、食欲が全然ない。 |
急流と倒木に翻弄される | 疲れ切って食欲も無し |
再び下り始めて、その後も倒木などに翻弄されながら、ようやく本来のスタート地点だった四十一線橋まで下ってきた。 それでも、 橋の上流で徹別川が合流し、そこから川幅も広がり倒木に悩まされる事も少なくなる。 しかし、「うっかり下れない川の本」によると、この区間は岩盤状の川底になっている箇所が多く、渇水時にはポーテージを強いられると書かれていた。 これでもかと言うくらいに瀬が続き、瀞場というものが全く無い。 その瀬のレベルもかなりハードである。 ルベシベ川を下った時のことが思い出されてくる。 川を斜めに横切るような落ち込みが現れた。 |
瀬の下で一息入れられるのは珍しい | 皆でレスキュー |
写真を撮る余裕がある場所は大した瀬ではない |
この付近では、周辺に牛を飼っている牧場も多い。 国道274の中央橋手前あたりでは、牧場の草地と川が直接接している。 今日の下る距離は概ね15キロほど。 |
牧場と川が接している |
そしてようやくゴールの松之恵橋が見えてきた。 しかし、その手前が結構な瀬になっていて、ここで沈したら、エディに入れずにそのまま流されてしまう。 上陸した川原の対岸に素晴らしいウェーブができていた。 そこにちょっとだけ入ったG藤さんが「これなら、川を下らないでここで遊んでいても良かった」と言うくらいである。 こうして、スリリングな阿寒川の川下りが終わった。 私の憧れだった阿寒川。 渇水時にはポーテージを強いられ、増水時にはアドレナリンが出まくる阿寒川。 2015年9月21日 晴れ |
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