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長流川

(大滝パークゴルフ場〜緑の風リゾートきたゆざわ・旧湯元名水亭前)

クラブのミニ例会として企画された長流川の川下り。
最初はごく普通の川下りのはずだった。
それが途中から、ウニを食べよう、途中で温泉卵を茹でよう、滝落ちもしよう等と、クラブの掲示板では訳の分からない盛り上がりを見せ、参加者も次第に増えてきた。

我が家は去年初めて長流川を下り、「こんな川はカナディアンではもう2度と下らない」と心に決めてたのである。
当日は気温も上がり、絶好の川遊び日和になりそうだったが、そんな事もあって掲示板での盛り上がりを横目に見ながら、「我が家は千歳川にでも行こうかな」と考えていた。

パークゴルフ場駐車場からスタートところがかみさんは、千歳川より長流川に行きたいと言い始めたのである。
ウニを食べられないかみさんなので、ウニに目が眩んだ訳でもないだろうし、去年あれだけ苦労した事を忘れてしまった訳でもないだろう。
でも、かみさんがそう言うのならば、私に断る理由は無い。

そうして私達が一番最後に参加表明し、参加者は16名となったのである。
ミニ例会としては異例の人数である。
O橋さんが釧路から持ってくるというウニに、それ程魅力があるのだろうか。
「キャンプしながらウニを食べよう」との企画ならばまだ理解できるが、「川を下ってウニを食べよう」では、その意味が全く分からないのである。

水の少ない長流川スタート地点は、去年下った時よりも更に上流の大滝パークゴルフ場にしようとの案が出ていた。
それでまずは、全員でスタート地点の下見をする。
橋の上から見下ろす川の水は、かなり少ないようだ。

「カヤックなら下れそうだけどOCはきついかも知れないですね。」
そう言われても、締め切り後から飛び込みで参加表明した私達に、とやかく言う権利は無い。
「これだけ流れていれば全然OK、問題無いっす」と答える。
浅瀬では、OCよりもカヤックの方が苦労するはずなのである。

ゴール地点は去年と同じ北湯沢温泉の旅館鯉川前の川原。
車回しを済ませて下り始める。
岩だらけの流れスタート直後は穏やかな流れで、水は少なくても問題なく下る事ができる。
しかし、その先で川の傾斜が少しきつくなっている所があった。

水が多い時ならば、波しぶきを浴びながら一気に下り降りるような場所なのだろうが、今日は障害物のように待ち構える大きな玉石を避けながら下らなければならない。
少しでもルートを誤ると、直ぐに座礁してしまう。

そんな流れが次々に現れる。
下れるルートがあるのは、まだましな方で、行き場が無くなってしまうことも多い。
それに、人も多いので、座礁したカヤックに行く手を阻まれることも度々だ。
自分が座礁して、障害物になってしまう事もある。


長流川を下る
瀬の下で一休み

長流川を下る   長流川を下る
これくらいは何とか下れる   下るルートを探すのが大変

以前のフリーダムと違って、かみさんとの距離が近いため、背中が邪魔で前方の様子を確認しづらいのも辛いところだ。
かと言って、かみさんの進路判断を100%信頼する事もできない。
「何でそっちに行くんだ!」と、ついつい声を荒げてしまう。

長流川を下るそして、相変わらず左へ向きを変えるのが上手くいかない。
右漕ぎの私なので、クロスを漕げないとなると、左へ曲がる時はかみさんに頼る部分が大きくなる。

岩だらけの急流を下る時は、瞬時に岩をかわさなければならない場面が何度も出てくる。
はっきり言って、前のフリーダムの時の方がこのような流れに対応できていた気がする。
そのフリーダムでも「もう2度と下りたくない」と思った川を、今日は慣れないMEで下らなければならないのだ。

倒木も多かった。
川を完全に塞ぐ倒木。いやらしく水中に隠れている倒木。カナディアンではその下を通過できないくらいの高さで川を覆っている倒木。
特に、最後の倒木は、珍しく下流側が快適に下れる瀬になっていたのに、その倒木のおかげで私達だけがポーテージさせられる事になってしまった。


長流川の倒木   長流川の倒木
完全に川を塞ぐ倒木   カナディアンではちょっと厳しい

パドルが岩に挟まったG藤さん一緒に川を下っていて、沈脱する姿を一度も見たことが無いのは、クラブの中でG藤先輩ただ一人である。
そのG藤さんが今日は2回も沈脱したとのこと。
もっとも、その原因は2回とも、前を下っていたO橋さんの進路妨害によるものだったらしい。
さすがのG藤さんも、水深が浅すぎて、ロールしようとしたら川底の岩にパドルが挟まって、そのまま沈脱したようだ。

何故、こんなに苦労してまで上流からスタートしたかと言うと、途中にある大滝ナイアガラの滝での滝落ちを一つの目的としていたからである。
この滝に近づくためには遊歩道を1キロほど歩かねばならず、滝落ちをしようとすれば上流から下っていくしかないのである。

その大滝ナイアガラの滝の手前まで下ってきた。
その付近一帯は、長流川に特有の緑色凝灰岩の川床となっている。
その緑色凝灰岩の断層が滝となったのだろう。

大滝ナイアガラの滝に到着断層の幅は広く、その所々から水が流れ落ちている。
水が増えれば、その辺一体が巨大瀑布となるのだろう。
ナイアガラの滝の名称は伊達ではない。

写真では見たことがあるけれど、実物は写真以上の迫力だった。
普通の写真は対岸の遊歩道側から写しているので、実際に滝の真上に立って見下ろすのとでは迫力が違いすぎる。
落差も想像以上である。

ここで滝落ちしようなんて、有り得ない話しである。
今日のメンバーの中にも、ここでの滝落ち経験者が数名いるけれど、それはもっと水量の多い時だ。
この水量ならば、滝落ちしたらそのまま川底に激突してしまうだろう。


長流川の大滝ナイアガラの滝
迫力に圧倒される

今日は写真だけ撮って皆もポーテージするのだろうと思っていたら、滝の落ち口でパムさんがカヤックに乗り込んでいた。
「えっ?マジで落ちるの?」
パムさんは、今回の長流川ミニ例会の言いだしっぺである。
滝落ち経験者と言っても、無謀過ぎじゃないのか。

でも、その場所は、直に落ちているわけではなく、傾斜のある岩盤に沿って水が流れ落ちているところだった。
大滝ナイアガラの滝で滝落ち滝落ちするとしたらここしかないと言っても良さそうな場所である。
落ち口部分には水がほとんど流れていないので、落ち口の途中で他の人に支えてもらいながらカヤックに乗り込み、後ろから一押ししたら滝へと落ちていくという寸法だ。

冷や冷やしながら見守っていると、落ちた後も沈せずに滝つぼの中に浮かんでいた。
成功である。
それを見ていたサカタツさんもカヤックに乗り込み、見事滝落ちに成功。
クレージーさではクラブの中でも抜きん出ているこの二人なので、ここまではある程度想定内だった。

しかし、228君までカヤックに乗り始めたのを見て、空気が変わってきたのを感じた。
前のクレージーな二人は笑みさえも浮かべていたのに、228君は緊張で顔が強張っているのだ。
228君の滝落ち恐ろしいけれど、ここに来て後には引けないとの覚悟なのだろう。
その228君まで滝落ちに成功。

「この次はI山さんあたりが落ちるんだろう」と思って辺りを見回すが、何処にも姿が見えない。
「さては怖くて尻尾を巻いて逃げ出したな!」
すると、そのI山さんは何時の間にか対岸に渡って、ビデオカメラを構えていたのである。
「早く次の人、落ちなさいよ」とでも言うかのように。

O橋さんがカヤックを引きずりながら、滝の落ち口まで歩いてくるのを見るに至っては、もう誰も後には引けなくなってしまった。

エスケープルート私はそんな人達には見切りをつけて、サッサとポーテージすることにした。
滝の落ち口を下流側まで歩いていくと、まるでビルの非常階段のように、滝壺まで下りられるスロープがあるのだ。
川の神様が、私のようなチキンのために用意してくれた、見事なエスケープルートだった。

滝壺から対岸に渡り、皆の滝落ちチャレンジの続きを見学する。
K岡ドクターの息子まで滝落ちしたのには驚いてしまった。
こんな事を後で奥様に知られでもしたら、「大切な一人息子に何て馬鹿な事をさせるの!」と大目玉を食らうのは目に見えている。

OC-1のY須賀先輩まで滝落ちしてしまった。
舟の種類によって落ちた後の動作も様々である。
滝壺に刺さった後、跳ね返されるようにポンと浮かび上がってくるカヤックもあれば、そのまま白波に巻かれてしまうカヤックもある。
Y須賀先輩のOC-1は、滝壺に刺さらずにその上をスルッと通り抜けた。

それを見ていると、私達のOC-2でもいけたような気がするが、OC-1が下れた堰堤で前のフリーダムがポキリと折れた事もあり、それを思い出すと無茶はできないのだ。


長流川の大滝ナイアガラの滝
先に滝落ちした人達は余裕で見学

滝落ち   OC-1で滝落ち
クレージーなサカタツさん   Y須賀先輩、さすが!

結局、ほとんどの参加者が滝落ちをすると言う予想外の展開となったのである。
一番最後にパムさんが滝の上から身体一つで滝壺に飛び込んだ。
やっぱり、クレージーである。

滝落ちメンバー最後に滝を背景に記念撮影。
滝落ちした男達の表情はとても晴れやかだった。

滝落ちは男の勇気を試す場でもあるのだ。
カヌーを趣味にしているのならば、一度くらいは滝落ちをしてみたい。
でも、OC-2で滝落ちなどすると、パムさん以上にクレージーだと言われそうなので、やめておくことにする。

滝落ちが終わったところで時間は既に午後1時を過ぎていた。
それでもまだ、去年のスタート地点までにも達していないのだ。
途中に車を1台置いておけば良かったと後悔しても、時既に遅しである。

とにかく頑張って下り続けるしかない。
しかし、川のレベルは、これから先のほうが難しくなってくるのだ。

相変わらず座礁を繰り返す。
その度にカヌーから降りて、引っ掛かっていた岩からカヌーを引き剥がし、障害物の無い場所まで移動させ、そして再び乗り込む。
それを全て、岩だらけの流れの中で行わなければならない。

乗り沈フリーダムより安定の悪いMEでは、これがなかなか大変なのである。
とうとう、飛び乗った際にバランスを崩して、ひっくり返ってしまった。

バウに乗ったままだったかみさんは、何が起こったかも分からないまま、岩盤の上に放り出された。
いわゆる、乗り沈である。
かみさんが怖い顔をして私の方を睨むが、こちらだって一生懸命なのである。

先を急いでいたけれど、皆も疲れてきていたので、休憩を挟むことにした。
今日はうに丼のことしか考えていなかったので、昼食の用意もしていない。
ゴールまで辿り着かなければ、何も食べられないのだ。

緑色凝灰岩の滑床が目立ってきた。
風景としては美しいのだけれど、水深が浅いので座礁もしやすくなる。
滑床の割れ目を探して、その中を下っていくしかない。


長流川を下る
油断すると行き場がなくなってしまう

見覚えのある場所が迫ってきたので、私たちはそこを避けてポーテージすることにした。
滑床の割れ目が落ち込みになっていて、しかも、その狭い割れ目に横から落ちていかなければならないのだ。
前回は何とか下れたけれど、下手をすると怪我しそうな場所なのである。

パドルを折ってしまったsenさん今回はそこで、senさんがパドルを折ってしまった。
ダブルパドルの片方だけが残ったので、そこから先、senさんはシングルパドルで下ることとなる。
シングルパドルで漕ぐ姿も様になっていて、そのまま直ぐにCCに転向しても良さそうな感じだ。

ようやく湯元名水亭前の美しい滑床まで下ってきた。
しかし、長流川の核心部はこれから先である。
そこで、この先は有志だけで下り、他のメンバーはここで上陸して、迎えに来てもらうことになった。

私たちは当然、ここで上陸。
この先の岩だらけの流れを下る気には、到底なれない。
ただ、ここは湯元名水亭の敷地内である。
K岡さん達が、ホテルの了解を得るために話しをしに行ってくれたが、やっぱり敷地内でのカヌーの積み込み等は止めて欲しいとのことだったので、道路までカヌーを運び出すしかなかった。


長流川の滑床   リゾートホテル前で上陸
美しい滑床   温泉ホテル前で急遽川下り打ち切り

こうして、迎えの車に乗って自分の車を取りに戻り、カヌーを積み込んでゴール地点へと戻った時は、既に時間は午後5時近くになっていたのである。
そこでは、今回のウニ祭りの提案者だったO橋さんが、サトウのご飯を温め、サーモンの刺身を切り分けてくれているところだった。
ここまで下ってくる途中、お湯が湧き出ている川原で、しっかりと温泉卵も作ってきていたのはさすがである。

ウニ丼準備中それぞれがシェラカップにご飯を入れ、そこに新鮮なウニとサーモンの刺身を乗せる。
K岡さんが持ってきたシラスも乗せれば、見事な三色丼の完成である。
そこにワサビ醤油をぶっかけて、一気に掻っ込む。

無茶苦茶に腹は減っていたし、これが美味しくない訳が無い。
3日前に奥尻島で食べた大盛シェラカップうに丼を、更に上回る美味しさだった。

既に日は西に傾いてきていた。
川を下ってウニを食べる。
そんな訳の分からない目的のために、ここまで一生懸命になれる人達って、本当に素敵である。

2泊3日の奥尻キャンプから始まった私の夏休み5連休は、最後に長流川のウニ祭りで幕を閉じたのである。

2015年8月2日 晴れ 
当日12:00長流川水位(優徳観測所) 308.60m 

滝落ち動画(I山さん撮影) 
長流川動画(I山さん撮影) 


ウニの三色丼   ウニ丼パーティー
無茶苦茶美味しい三色丼   ようやく目的達成

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