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シーソラプチ川

(ラフトスタート地点〜国体コース)

水量の回復したシーソラプチ川カヌークラブ7月例会の2日目はシーソラプチ川。
北海道の川は、6月から続いている少雨傾向で何処も干からびかけていた。
昨日までは、ここシーソラプチ川も例に漏れず、過去に下った時の最低レベルの水位を下回るくらいの水量となっていた。

それが、昨日の夜から降り始めた雨の影響で、朝には水位が一気に20センチもアップ。
そして今朝は、雲の切れ間から日が射し始めていた。
まるで、私達の例会に合わせてお天気の神様が粋な計らいをしてくれたかのような展開である。

そんな神様に感謝するかのように、集まったメンバーは27名。
そこにちょうど三笠カヌークラブの人達も来ていて、おまけにラフトツアーもこれからが書き入れ時。
スタート地点は大混雑となっていた。

シーソラプチ川を下る他の人達が出て行った後で、私達も下り始める。
水位が20センチも上がっても、去年下った時よりはまだ水が少ない状態である。
ただ、雨で一気に増えた分、水はちょっと濁り気味だ。
それでも、他の川と比べればまだ十分に清流と言えるレベルである。

ただ、川底の石が藻が生えて茶色っぽく見えていた。
これは、しばらく渇水状態が続いていた影響なのだろう。
大雨が降って時々増水していれば、川底の石も動いて、もっと綺麗に磨かれているはずである。

大人数で川の上も大混雑。
こんな時は前の方を下った方が下りやすいけれど、皆の写真を撮っている間に、また後ろへと回ってしまう。
五流の瀬を下る最後尾まで来るとそれはそれで下りやすいのだけれど、それでは楽しい皆の沈シーンを見逃してしまう。
大人数でのツアーは、その位置取りがとても難しいのである。

五流の瀬では座礁することなく落ち込みを下って、後続メンバーの撮影に専念する。
天気が良いおかげで白波が明るすぎ、写真が白飛びしてしまう。
でも、下っている方は最高に気持ちが良さそうだ。

次から次へと切れ目無く下ってくるので、沈している人を写しているひまも無い。
上流では誰も沈していないのに、何故かパドルだけが流れてくる。
そのパドルの持ち主のビンバさんが予備パドルで最後に下ってきた。(五流の瀬の動画


五流の瀬を下る   五流の瀬を下る
五流の瀬を下るO橋さん   S良さんジュニア、ここからリカバリー

リタイアするS良さん父そこで一段落かと思ったら、S良さん父がカヤックを流してしまったらしい。
S良さんはここで早くも3回目の沈脱である。
今日が今シーズン初の川下りで、ご本人は最初から不安そうにしていたが、そのとおりになってしまった。

幸い、流したカヤックは少し下流で無事に回収されたが、S良さんはそこでリタイアする事になった。
去年の支勇別川でも途中でリタイアしていたが、ベテランなので何処で止めるかの判断に間違いは無い。
それでも、カヤックを引っ張って川原を歩いていく後姿は、何処と無く寂しげに見えていた。

その後もスリリングな瀬が続く。
キラキラと輝く水しぶきを上げながら下ってくる皆の表情は、本当に楽しそうだ。


シーソラプチ川を下る
カメラを向けるとポーズをとってくれる

シーソラプチ川を下る   シーソラプチ川を下る
Y須賀先輩   kenjiの姫さん

水辺で涼むかみさん途中の川原で少し早めの昼の休憩となる。
気温もかなり上がってきて、日差しも強く、ドライスーツには辛い暑さだ。
昼食も川に浸かりながら食べるような有様である。

こんな日にドライスーツを着て川を下っていたのは、その先で待ち構えているトラウマの瀬対策のためだった。
もしもシーソラプチ川で沈するとしたら、確率が一番高いところがトラウマの瀬なのである。
冷たい水で沈することを考えると、やっぱりドライスーツを着てしまうのだ。

MEで瀬を下るのにも慣れてきたけれど、それはあくまでも素直な波の立つ瀬である。
トラウマの瀬では、落ち込みを下った後に横からの流れがぶつかってくるのだ。
フリーダムでも何回か沈していて、それよりも安定性の悪い舟なので、沈確率はかなり高い。

休憩を終えて再び下り始める。
トラウマの瀬の前にも、まだまだ瀬が続く。


シーソラプチ川を下る
スリリングな瀬が続くシーソラプチ川

そして問題のトラウマの瀬までやって来た。気持ちが弱気になっていると、下る順番も自然と後ろの方になってしまう。
そして、待っている間に沈を知らせるホイッスルの音が何度も聞こえてくる。
その音が、弱気な気持ちを更に増幅するようだ。

カナディアン組みを中心として残っていた中から、まずはkenjiの姫さんが下っていく。
kenjiさんが、「何処から入るか、ちゃんと考えながら下るんだぞ!」と後ろから声をかけているが、どう見ても姫さんは頭で考えて下るタイプには見えない。
動物的な感だけで落ち込みを下っていった姫さんは、トラウマの瀬を無事に下り終えたようだ。

トラウマの瀬を下る次に私達が下っていく。
落ち込みは無事に下り、その後の横波にも耐え、ホッとしたいところだが、直ぐに左に向きを変えないと右岸側の岩にぶつかってしまう。
右漕ぎの私は、これまでならここでクロスを入れるのだが、かみさんとの間隔が狭すぎてパドルをクロスサイドに持っていけない。
かみさんの非力なドローストロークだけでは、カヌーの向きは変わらず、そのまま右岸の岩に衝突してしまった。
それでもここでは、沈しなかっただけでも良しとしておく。

後続のkenjiさん、ビンバさんが、全く同じような形で轟沈を披露し、そのまま沈の花道を流されていった。
ここで沈すると、文句無しにヒーローになれる。
岩の上の特等席から、花道を流されてくる人に向かって、テープ代わりのロープを投げるのは、シーソラプチ川ツアーでの一番の楽しみなのである。
ここではやっぱり、最初の方に下って一番良い席を確保したいところだった。
そうしていたら、皆の喝采を浴びていたN野さんの見事なロールも、見られたのである。


トラウマの瀬沈の花道
トラウマの瀬で沈するとこの沈の花道を流れてくる

トラウマの瀬   トラウマの瀬
kenjiさんの豪沈   ビンバさんの豪沈

途中の瀬で遊んでいると、落ち庵で昼食を取っていた三笠カヌークラブの面々が追いついてきた。
毎年幾春別川で開催されるカヌー大会i-Cupを主催している三笠カヌークラブは、OC-1に乗っている人が多く、皆エキスパート揃いである。
シーソラプチ川を下る私達がドタバタしながら下ってきた瀬を、彼らはそこに目に見えぬゲートがセットされているかのように、グルグルと回りながら下ってくるのである。
私達のクラブとはレベルが違いすぎる。

三笠の人達が下っていった後、彼らが見事な技を披露していたウェーブに228君が歩いて近づいていった。
何をするつもりなのかと見ていたら、228君はそのまま波の中に飛び込んだ。
どうやらボディーサーフィンをするつもりだったらしいが、何もできずにそのまま下流に流されていく。
N島さんがOC-1に乗ったままパドルを差し出し、それに228君がつかまる。
「あっ、そんなことをしたら!」と思ったら、案の定、N島さんの舟もひっくり返ってしまう。
やっぱり、こんな緩さが私達のクラブの楽しいところなのかもしれない。

国体コース三段の瀬を下る国体コースでは、私達も見えないゲートを意識して下ろうと思ったが、かみさんに拒否されて、普通のルートで下る事になる。
ここも沈しないでは下れたけれど、パチンコ岩を左にかわすところでは、避けきれずにカヌーの横を岩にぶつけてしまった。

渡月橋の落ち込みも無事に下り、後続メンバーの写真を撮るために岩に登ろうとしていたら、K岡さんが「笑いながら写真撮ったらダメですよ」と声をかけられた。
「何を言ってるんだろう?」と思いながら、岩の上に登ると、その下で繰り広げられている光景に思わず笑ってしまって、急いでカメラを構えた。

エディに巻かれているO橋さん渡月橋の落ち込みで沈脱したO橋さんが、その横のエディで巻かれていたのである。
回りの岩はツルツルなので、そこからは登れず。
本流へ出ようとしても流れに押し戻される。
どうしようもないままに、そこで一人グルグルと回っていたようなのだ。

気の毒だったけれど、私の役目はレスキューよりも例会の正確な記録なのである。
「助けて〜っ!」と叫ぶO橋さんを無視して、カメラのシャッターを切るしかなかった。

この落ち込みではI山さんも捕まってしまった。
誰かが「そんなところで遊ぶんじゃない」と声をかけていたが、それは明らかに、遊んでいるのではなく、もがいている様にしか見えない。
最後には沈脱して、人間だけは何とかホールから抜け出せたけれど、カヤックは巻かれたままで全然出てきそうな様子が無い。

渡月橋の落ち込みで張り付くビンバさんそこへカナディアンのビンバさんが下ってきた。
カナディアンがぶつかれば、カヤックもホールの中から出るかもしれない。
期待しながら見守っていたら、何とそのビンバさん、横向きになったままカヌーの前後が岩に引っ掛かってしまったのである。
舟を揺すって岩から外そうとするが、どうしようもなくそのまま途方にくれるビンバさん。
結局最後はひっくり返って、同じくホールの餌食となる。(渡月橋落ち込みの動画

人数が多すぎて、自分が見れた範囲の沈しか話題にしていないが、後でI山さんの撮った動画を見てみると、そこら中で沈脱祭りが繰り広げられていたようで、沈してない人は数えるくらいしかいなかったみたいだ。
我が家もたまたま沈しないで下れたけれど、夏の川下りでは、一緒に祭りに参加した方が楽しいのである

2015年7月19日 曇り時々晴れ 
当日12:00空知川水位(幾寅観測所) 353.90m

I山さん撮影の例会動画 
I山さん撮影の国体コース動画 


色々と事件のあった渡月橋の落ち込み
この程度のトラブルは見ていても楽しいです

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