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千歳川

(第一鳥柵舞橋〜スポーツセンター)

土曜日にカヌークラブのN島先輩からマッドリバーのMEを譲り受け、来週の例会に備えて、日曜日は千歳川でMEに乗る練習をすることにした。
当日の千歳の最高気温予報は30度。
ゴール地点からスタート地点へは、走って移動するつもりだったので、気温が高くなる前にと朝の7時前に自宅を出発。
走って移動カヌーを下ろして、車をスポーツセンターの駐車場に移動し、走り始めたのは午前8時過ぎ。
その時で既に、千歳の気温は25度を超えようとしていた。

最初の方だけは川沿いの林間部分を気持ち良く走れるのだけれど、途中から強烈な陽射しを遮るものが何もない河川敷となり、そこを過ぎると今度は国道の歩道を走る事になる。
普段は早朝にしか走っていないので、この暑さと陽射しには参ってしまう。

それでも、スタート地点までの距離は6キロ程度なので、暑さ以外は大して苦にならない。
スタート地点まで戻ってきたら、カヌー装備に着替えて直ぐに川の中に飛び込む。
これができるから、こんな日でも走っての移動が苦ではないのである。


走って移動   走って移動
河川敷を走る   国道の走りが辛い

そこへカナディアンのグループがやって来た。
その中に、一緒に川を下ったこともある千歳の頑爺さんがいて、最近の川の情報を教えてもらう。
水がかなり減っていて、頑爺さんは蛇籠の落ち込みで舟に穴を開けてしまったとのこと。
確かに、走ってくる途中に見た千歳川はかなり減水している感じだった。

千歳川で涼む他の方々も、私のホームページを以前から見てくれているらしく、挨拶をされる。
先週の支笏湖キャンプでも、隣にテントを張っていた方から同じように声をかけられた。
それだけなら良いけれど、先週も今回も相手の方がホームページを持っていて、以前に私の掲示板に書き込みしたこともあると言われると、こちらも当惑してしまう。
「ああ、あの時の、お久しぶりです」とか言って、話しを合わせるけれど、先週に何処の川を下ったかも直ぐに思い出せないのに、そんな昔の事などほとんど忘れてしまっているのだ。

ところが、かみさんは普段から他の人のページもチェックしているので、結構覚えているのである。
「確か、そのお友達がおでん屋だったはずよ」とか「ワンちゃんを買っていて、奥さんは絵が上手なのよ」などと、やたらに詳しいのである。
普段の生活では、私よりもボケ症状が進んでいるんじゃないかと思えるくらいに物忘れが激しいのに、何故かこの辺の記憶力だけは優れているのだ。

水辺の風景見送りを受けて、千歳川に漕ぎ出す。
確かに何時もよりも水は少ないが、下るのには全く支障がない。

フェリーグライドをしたり、小さなエディに入ったりと、一つ一つカヌーの動きを確認しながら下っていく。
ただ、ここでそんな練習していても、実際に岩の多い急流を下る時は、あまり約に立たない気もする。
「そんな事はない!」と怒られるかもしれないが、急流を下るのに必要なのは、テクニックよりもチャレンジ精神である。

自分はカナディアンカヌーにしか乗れないけれど、それで下れる川ならば何処でも下ってみたい。
そんな気持ちが強いから、カヤックのメンバーにくっ付いて、新しい川にチャレンジしてみるのだ。
今度のMEが、そのチャレンジを手助けしてくれるのか、それとも逆に沈の回数が増えるだけになるのか。
次の例会で、大体の結果は見えてきそうだ。

バイカモ走っている時は暑さに閉口していたのに、川の上にいるとその暑さを全く感じない。
千歳川の水は何処までも澄んでいて、川底の石がキラキラと光って見える。
所々でバイカモが茂って、川底が緑に染まっている。
そのバイカモがちょうど花の時期を向かえ、水の中で白い花がユラユラと揺れている。

練習の事など直ぐに頭の中から消え去り、浅瀬でカヌーから降り、川の中をジャバジャバと歩き回る。
バイカモの花の水中撮影にチャレンジするが、川の流れで揺れているので上手く写せない。

河畔の木々も枝葉を伸ばし、川の上に覆いかぶさる。
その枝葉が水面に映り込み、川面を緑に染める。
そんな風景も美しい。



カナディアンが多い
水深が浅いところでは川の中を歩き回れる

緑に染まる千歳川
緑の染まる川の風景に癒される

カワシンジュガイカヌーで流されながら、水中のバイカモの動画撮影にもチャレンジ。
その時には気付かなかったけれど、後で動画を見ると川底にびっしりとカワシンジュガイが並んでいる様子が映っていてびっくりした。

バイカモもカワシンジュガイも、共通するのは水温の低い清流でなければ生息できないことだ。
絶滅危惧種にも指定されていて、それらが普通に見られる千歳川の環境はやはり素晴らしいのである。

赤い羽根が特徴のニホンカワトンボも沢山飛んでいる。
川岸に茂った葦、大きなエディの中で一箇所だけ群落を作っているフトイ、水面に顔を出しているバイカモ。
それらにとまったトンボの写真を撮ろうとするが、カヌーでそーっと近づいても、直ぐに気付かれて飛び立ってしまう。
トンボにからかわれている気がしてくる。


フトイにとまったニホンカワトンボ
フトイの花にとまったニホンカワトンボ

ニホンカワトンボ   ニホンカワトンボ
バイカモの上にとまったニホンカワトンボ   葦の葉にとまったニホンカワトンボ

マナブの入り口の倒木は、相変わらず邪魔くさい。
水が少なくなって通りやすくなるかと思ったが、余計に邪魔な枝が増えたようだ。
バイカモの美しい場所で一休みシーズン中はパドラーの姿が絶えないマナブだけれど、さすがにまだ時間が早くて誰も来てなかった。

バイカモの美しい場所を見つけては、カヌーの上から眺めたり、カヌーから降りて川の中を歩いたりと、今回はバイカモがメインの川下りだ。

川の水は確かに少なく、家に帰ってから過去の水位と比べてみると、水位の記録を付けている2010年以降では、やっぱり今日の水位が一番低かった。
それでも、この日の午後になると急に10センチ近く水位が上がり、多分上流のダムの放流によるものなのだろう。
普段は意識することはほとんどないけれど、千歳川もやっぱりダムの影響は受けているのだ。


バイカモの咲く千歳川
清流にはバイカモが良く似合う

バイカモの花   川底を埋めるバイカモ
バイカモが花盛り   川底を埋め尽くすバイカモ

魚道ではそれ程水位の低下は感じなかったが、蛇籠の瀬までやって来て、その水の少なさにびっくりする。
左岸側は落ち込みさえなくなってしまっていた。

蛇籠の落ち込み頑爺さんがカヌーに穴を開けたと話していたものだから、かみさんが下見をするといってきかない。
しょうがないので手前で一旦岸に上陸するが、その上陸した場所さえ、今までは水面下にあって見たこともないようなところだった。
何のスリルもなく蛇籠の瀬を通過。

そのままのんびりと住宅街の横を流されてゆく。
林東公園の手前にテトラの入った小さな落ち込みがあるが、そこの方が蛇籠の瀬より迫力のある流れになっていた。

冷たい水の中でもう一遊びしたかったけれど、周りの風景を眺めているうちに、そのままスポーツセンター前まで流れてきてしまった。
最高気温が30度を超える中、美しい流れに癒され、バイカモが咲きトンボが舞う夏の千歳川の魅力をたっぷりと楽しめた納涼川下りとなったのである。

2015年7月12日 晴れ 
当日10:00千歳川水位(ふ化場観測所) 30.15m

バイカモの咲く千歳川の動画 


千歳川の風景
天気も良くて最高の川下りを楽しめた

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