足寄陸別間の国道242号線を走っていると、蛇行して流れる利別川を何度も渡ることになる。 スタートとゴールは、kenjiさんが事前に目星を付けてくれていた。 天気は曇り空だが、今日の帯広の予想最高気温は26度。 水量は、この川にしては多い方なのだろう。 水の透明度はまずまず。 池田町の南で十勝川へと流れ込む利別川は、足寄から陸別の間は川の中流域と言えそうだ。 瀬と言える様な場所も殆んど無い。 隠れるか隠れないかは、コロちゃんが瀬の音などから自分で判断している様子なのが面白い。 クラブの中にはそんな川を「退屈するだけだ」と嫌う人もいるが、この川はスリルを求める川じゃなくて、その風景を楽しむ川だと思う。 その流れも、決して単調ではなく、川幅が狭まって波が立っている場所もあれば、倒木に塞がれてポーテージを強いられる場所もある。 かみさんが「あっ!タモギダケ!」と声を上げた。 しょうがないので上陸することにしたが、かみさんは流木の山をものともせずに歩いていき、タモギダケをゲット。 交通量の比較的多い国道が並行して走り、流域に畑が広がる利別川だが、その中を蛇行して流れる様子は自然河川そのままである。 |
両岸から樹木が倒れかかる | 風景を眺めながらのんびりと下る |
様々な奇岩、いや、奇土壁?が姿を現す |
前方に巨大な土壁が見えてきた。 土壁の対岸にちょうど良い川原があったので、そこに上陸して一休みする。 |
不思議な割れ目を見せる土壁 |
カヌーフィールドとしてはほとんど知られていない利別川だけれど、釣り人の間では結構有名な川らしい。 釣り人が遠くから私達の存在に気付いてくれると良いのだが、中には釣りに夢中で、直ぐ近くに行くまで全く気付かない人もいる。 その方から、「ここでカヌーを見たのは初めてだ」と言われる。 これで、利別川を下る人が多くなってくると、その対応も違ってくるような気がする。 再び美しい土壁の向かいに川原があったので、そこで再び小休止をとる。 |
たまにこんな障害物も現れる | 不思議な木の根だ |
思い描いていた通りの素晴らしい川だと実感しながら、再び下り始める。 一目見ただけでは、何のための工事なのかさっぱり分からない。 やっと工事区間を通り過ぎてホッとしたが、その先に広がっていた広大な川原を見て、この工事の目的が判った気がした。 河川工事の事には詳しくないが、恐らく洪水時の流量を増やすための河道拡幅と言われる工事が行われていると思われる。 河道を拡幅すると言うことは、現状の河畔林を含めて、そこの土を丸ごと掘り取ってしまうことである。 複雑な思いに駆られながら、殺風景な川を下り続ける。 そんな思いのまま、車をデポしてある橋まで下ってきた。 既に13時を過ぎていたが、もっと景色の良い場所を見つけて、そこで昼を食べる事にして後半戦のスタートとなる。 おまけに南西の風も強くなってきた。 |
広々とした風景も良いものだ |
そのうちに、小さな川原だけれど、風も陽射しも遮られ、隣には美しい沢が流れ込む、格好の休憩場所を見つけて上陸する。 沢が流れ込んでいるところは数メートルの土壁となり、沢の奥の方にも土壁が続いていた。 何時までも留まっていたくなる様な、本当に気持ちの良い川原だったが、まだまだ先は長い。 この先にいよいよクライマックスが待ち構えているはずだ。 |
最高の休憩場所 |
この沢もなかなか美しい | 遠くには入道雲が |
その真っ白な土壁が、目の前に次第に迫ってきた。 カッパドキアとか、似たような風景を雑誌やテレビ等でで見たような気がする。 そこから先、楽しみが終わってしまうと、ゴールまでがひたすら遠く感じてくる。 |
圧倒的な迫力の土壁 |
今回の下った距離は約30キロ。 時間さえ気にしなければ、何もしないで浮かんでいるだけでカヌーは流れていく。 午後3時半、無事にゴール地点までたどり着いた。 2015年6月14日 曇りのち晴れ |
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