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歴舟川

(坂下堰堤〜キャンプ場)

スタート地点へ移動GWに企画された歴舟川でのミニ例会。
初日は歴舟川の上流部を下ることとなる。
雪解け水により増水も治まってきて、川下りを楽しむにはちょうど良い水量となっていた。
ただ、初日のこの日は、川下りよりもネギ(行者ニンニク)の収穫を目的にしているメンバーが多そうである。

午前10時にカムイコタン公園に集合し、そこでカヌーを積み替えてスタート地点へと向かう。
例年より早い春の訪れで、途中の道沿いでもサクラが満開となっていた。

坂下の堰堤下から14名13艇で下り始める。
水量は適当、水の透明度は一番澄んでいる時と比べるとやや落ちるが、十分な清流と言える。
ちょっと曇りがちだけれど、まずまずの川下り日和だ。

皆で川にカヌーを浮かべ、そろそろ下り始めようという時に、なんでもない場所でO川さんがいきなり沈脱。
新しい舟にまだ慣れてないらしいけれど、殆ど静水と言っても良い様な流れである。

歴舟川上流以前の例会でI田さんが下り始めた途端に沈したことがあったけれど、今回はまだ下り始める前なので、最も早い沈の記録かもしれない。
いや、そう言えば、皆で下り始めようとしたら上流からI山さんが流れてきたこともあり、 理論上それを破る記録は有り得ない。
上には上があるものなのである。

最初のちょっとした瀬を下り、いよいよ岩壁に囲まれたゴルジュ状の地形の中へと入っていく。
皆が瀬を下ったのを見届けてから先へ進もうとしたら、瀬をクリアしたはずの228君がいつの間にか沈脱していた。
OC-1からカヤックに乗り換えてから、川を下るのはこれが2回目。ロールがまだできないので、沈=沈脱なのである。


O川さん沈脱   228君沈脱
O川さん1回目沈脱   228君1回目沈脱

228君のレスキューは他の人に任せて、その下流の瀬を先に下り、そこで皆を待つことにする。
しかし、そのもっと下流にネギの生えていそうな場所が見えていた。
山菜命のmarioさんが、それを見逃すはずがない。
最初のネギ畑を見聞「あそこ生えていそうですよね。行きますか!」
黙って後続を待っているのも無駄なので、先にそこまで下ってネギを収穫していることにした。
N島さんも後に続いてきた。

予想通りそこはネギ畑となっていたが、少し大きくなりすぎていた。
それでもかみさんは、小さいのを選びながら収穫していた。
ところが、marioさんもN島さんも、何故か目の前のネギに手を出そうとしない。
どうやら、これまで何度も川を下りながらネギを収穫していたので、もう普通のネギでは飽き足らなくなっているらしい。
狙うのは極太で、完全に葉が開く前のネギだけ。もしくはウドかタランボ。
ターゲットは既に次の山菜へと変わっていたのである。

ネギ探し全員が揃ったところで再び下り始める。
しかし、そこから100mも下らないうちに次のネギ場を発見。
勿論、marioさんもそれを見逃す訳がなく、真っ先に上陸。
広い川原だったので、ここでは全員が上陸した。
ここのネギもやや育ち過ぎの感があって、眺めるだけで済ます人が多かった。
本当に贅沢になったものである。

皆がネギを採っている対岸は、花を咲かせたエゾヤマザクラで所々がピンク色に染まっていた。
山菜よりも花が目当てで参加しているK島さんは、そちらの写真を撮るのに一生懸命だった。
他にエゾヤマツツジも花を咲かせている。


桜咲く歴舟
桜咲く歴舟川

それぞれが目的を果たした後は、ゴルジュの瀬の中を快適に下っていく。
岩場で可憐な花を咲かせるヒダカイワザクラを見つけ、その写真を撮るために上陸。
このヒダカイワザクラは日高地方の固有種らしい。

私達の隣ではN島さんが急斜面をよじ登って、ネギの収穫に余念が無い。
これまでのネギ場では収穫する素振りも見せなかったのに、余程上物のネギがそこに生えているのだろう。

何時の間にか他のメンバーの姿が見えなくなっていた。
私達も、しばらくは崖の上から下りてきそうにもないN島さんを見捨てて、皆の後を追いかけることにする。
ところが、その先の岩場を回ったところで、今度はI山さんが崖によじ登っているところだった。
こちらではウドを見つけたらしい。
このペースで下っていたら、キャンプ場に着くのは夕方頃になってしまいそうだ。


ウドを収穫   歴舟川を下る
ウドを見つけたらしいI山さん   楽しい瀬もある

桜咲く歴舟川
美しい風景の中を気持ち良く下る

桜咲く歴舟川
桜の木の下で一休み

ゴルジュの中の瀬
この瀬の先にゴルジュ出口の瀬が待ち受ける

既に昼を過ぎていたので、途中の川原で昼にする。
そしてその後に待っているのはゴルジュ出口の瀬。

ゴルジュ出口の瀬でO川さん去年の秋に下った時は、もっと水が多くて岩が完全に隠れ、その真ん中を真っ直ぐに下ることができた。
今回も岩の上に水が被っていたが、上流からその姿を確認できるので、それを避けながらスラロームのように下っていく。
皆が出口の瀬をクリアできるかなと思ったが、ここでO川さんが2度目の沈脱をしてしまった。

ゴルジュを抜けた後は倒木も多くなってくる。
事前情報で危険な倒木があると聞いていたが、それらしい場所も倒木で塞がれているのとは別の分流を下って問題なく通過。

結構大きな波の立っている瀬も時々現れるが、嫌らしい障害物もないので、素直に下ることができる。
ところが、そんな瀬の一つで前を下っていたO川さんが沈。
一度は起き上がったものの、その先で再び沈して、結局は3度目の沈脱。
そのまま下っていくと、その先では228君が岸に上がってカヤックの水抜きをしていた。

この辺りまで下ってくると蛇籠で護岸された場所が目立ってくる。
経費をかけずに川岸の洗掘を防ぐ蛇籠なのだろうが、それがそのまま長い間機能しているのを見たことが無い。
228君何度目の沈?必ず、どこかが崩れだすのである。
そして、流された蛇籠は邪悪な障害物となって、川を下ってくる人間を待ち受けているのである。

その蛇籠に引っかかったわけではないけれど228君が3度目の沈脱。
二人の沈脱バトルは、とうとう3対3のイーブンとなったのである。

そんな二人の過酷な争いに、他のメンバーは全く参加する素振りも見せず、3時間かけてキャンプ場まで戻ってきた。
二人のバトルの結果は、最終的に4対3を持ってO川さんの勝利となったらしい。
それにしても、舟が変わると、それまでのカヌー経験は全く関係なくなるみたいだ。
私はやっぱり、最後まで大型カナディアンに乗り続けたほうが良さそうである。

2015年5月4日 曇り時々晴れ 
当日12:00歴舟川水位(尾田観測所) 102.60m 


ゴルジュの中で休憩   歴舟の土壁
ゴルジュの中で昼の休憩   歴舟らしい土壁


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