トップページ > カヌー > 川下り日記

 

千歳川

(第一鳥柵舞橋〜スポーツセンター)

例年ならば4月下旬は、川で遊ぶにはまだ少し早い時期でもある。
実際に一週間前は、雨模様で冷たい北風が吹く天候の中で震えながら厚田川を下っていたのである。
カヌークラブ恒例の4月千歳川例会は、その一週間後とは思えないような好天に恵まれた。

駐車場は早くも大混雑そんな天気に気を良くして、早めに自宅を出発。
それでも、集合場所である第一烏柵舞橋横の駐車場は既に満車で、隣の道路脇に車を停めるしかなかった。
アウトドアシーズン到来を告げるかのように、釣り人やモトクロスのグループなどがここを利用し、そしてやっぱり一番多いのがカヌー関係者である。
今日は学生のグループも来ていたので、余計に混雑していた。

冬の間も毎週のように顔を合わせていたメンバーもいれば、去年の千歳川例会以来一年ぶりに会うメンバーもいる。
毎年この4月例会は、他の月の例会に比べても参加者が多いのである。
それだけ皆から親しまれている千歳川ということなのだろう。

スポーツセンターへの車の移動を済ませ、集合写真を撮ってからそれぞれ川へと漕ぎ出していく。
参加者は26名22艇。
これだけ数が多いと、まとまって行動することは無理なので、それぞれが自分の判断で下っていくしかない。
今回は気にかけるような初心者もいないので、それで全く問題はない。
私達もマイペースで下っていく。


出艇準備   スタート前の一時
賑やかに出艇準備   久しぶりの川下りに心も弾む

エディに全員集合そして最初の大きなエディで、ようやく全艇が揃うことができた。
何時ものことながら、これだけ沢山のカヌーが揃うと壮観である。
単独での川下り、少人数での川下りと、それぞれの楽しみがあるが、これだけ大人数での川下りもまたお祭りのような楽しさがある。

今回は、新しく買った防水コンデジのTG-3をかみさんに持たせていた。
二人で山に登るときなどは、それぞれが違う視点で撮影するので、別々にカメラを持つ意味が出てくる。
ところが、二人で同じカヌーに乗っていては、2台のカメラがあっても写す対象はほぼ同じ。
あまり意味が無いような気がした。

T山さんは、この千歳川例会の時だけ、二人の娘さんを連れてきてカヌーに乗せている。
お父さんを真ん中にして3人でカヌーに乗る姿は、とても微笑ましい。
お父さんは「何も教えていないのにクロスを漕いでいた」と喜んでいたが、果たして何時までお父さんと一緒にカヌーに乗ってくれるのだろう。
クラブの中には、二人の娘さんを持つお父さんが他にも2名いるが、その例を見る限りでは、明るい未来はなさそうである。


ファミリーカヌー   コロちゃんもまったり
正しいファミリーカヌーだ   コロちゃんもカヌーの舳先でまったり

カナディアンが多い
カナディアンの参加者も多い

マナブが近づいてきた。
3月にここを下ったときは、マナブの直ぐ手前に新たな倒木が発生していて、かなり厄介な状態になっていた。
その状況は今も変わていないようで、他のクラブの掲示板等でも注意を促す書き込みがされているところだ。
スタート前のミーティングで、N島さんから「本流を下る時は左寄りで、或いは、手前から左の分流に入れば良い」との注意があった。
マナブ手前の分流私の前を下っていた人たちは、そのまま本流を下っていく。
「えっ?、そっちに行っちゃって大丈夫?」と思いながら、私は左の分流に入る。
後続メンバーも、続いて分流へと入ってくる。
流れが速いので、分流に入るもの難しいかと思ったが心配することはなかった。
結局はトラブルも無く、全員がマナブで合流。

下り始める前に、マナブの下流の急カーブのところでファルトボートが張り付いているとの情報を聞いていた。
右カーブの外側に倒木があって、これまでにも多くのカヌーがその倒木の餌食になっている場所である。
どんな状態なのかちょっと期待しながら下って行ったが、既にその姿はなくなっていた。

私達の前に下っていたグループにより救出されたのだが、その時の様子がフェイスブックにアップされていた。
驚いたことに、そのファルトに乗っていた人はウェーダー(胴付長靴)を身に着けていたのである。
ファルトは買ったばかりだったらしい。
買う時に店の人から何かアドバイスは無かったのだろうか?
それに、ネットで検索すれば千歳川は簡単に下れる川ではないことくらい直ぐに分かるはずである。
買ったばかりのファルトがクシャクシャになってしまったのは自らが招いた結果だが、怪我をしなかっただけラッキーだったと言えるだろう。

傾いた樹木カワセミポイント前の傾いた樹木の枝の間を漕ぎ抜ける。
「こんな倒木、あったっけ?」
そう言って驚いている人もいたが、昔の写真と比べてみると、確かに以前よりは傾きが大きくなっているようだ。。
千歳川には他にも傾いた樹木が何本もあるが、それらはその状態のまま何年も変わっていない。
しかし、この樹木は近い将来、完全に倒れてしまいそうな気がする。

湧き水ポイントの周辺では、エゾエンゴサクが涼しげな花を咲かせていた。
そこから上に登った山の斜面にネギのような緑色の植物が見えていたので、カヌーから降りて確認してみたが、バイケイソウばかりだった。
ネギ命の人たちが川の上から「あっちの方にもネギみたいのがあるんだけど」と指令が飛んでくるが、全て空振り。
人の歩いた踏み分け道もしっかりとできていたので、もしもここにネギが生えていたとしても、全て取り尽くされてしまうに違いない。


エゾエンゴサク  
涼しげに咲くエゾエンゴサク   ネギかと思ったらバイケイソウばかり

川岸のネギを収穫カヌーに戻ってくると、既に他のメンバーは先に下っていったので、一番最後からのんびりと付いていくことにした。
その時、反対側の川岸に緑色の植物を発見。
今度はネギに間違いなかった。
他のメンバーはどうせこの先の魚道で止まっている筈なので、ここは収穫していくことにした
上陸できそうな場所にカヌーを止めて、そこから歩いて上流に戻る。

川に面した垂直の土手に生えていたので、これでは川の上から出ないとその存在には気が付かない。
それほど大きな群落ではないけれど、今夜のおかず分を収穫するのには十分すぎる量だった。

内別川魚道で皆に合流した後は、内別川で休憩となる。
暖かな日差しに照らされながら、各々が好きな場所でおにぎりやパンを頬張る。
キラキラと輝く澄んだ水の中では、サケの稚魚たちが泳いでいる。
何とものどかな一時で、かみさんはカヌーの上で眠りそうになっていた。

この辺りはサクラも綺麗に咲くのだが、その蕾はまだ固そうだ。
コブシがちらほらと咲いている程度で、既に満開を迎えている札幌とは随分違っていた。

その後は蛇籠の瀬まで淡々と下っていく。


内別川で休憩
暖かな日射しを受けながら内別川で昼食休憩

サケの稚魚
もうすぐ海へと旅立つ鮭の稚魚達

蛇籠の瀬では後続メンバーの写真を撮るため、瀬を下ったら直ぐに右岸に上陸。
以前は私も、ここを蛇籠の落ち込みと呼んでいたけれど、最近は落ち込みと言うほどの落差も無くなり普通の瀬になってしまった。
蛇籠の瀬それでも今日は、水量が多いので中央部分では大きな返し波が立っている。
写真を撮る側にしても、できれば迫力のある写真を撮りたい。
そんな私の期待に応えて、ど真ん中を豪快に下ってくれたのはN島さん、marioさんとタケさんだけだった。

右岸寄りを下ってしまうと、それこそ落ち込みも無く、単純な瀬と変わりない。
もっと真ん中に寄ってと一生懸命指示を出すが、皆は左岸側に寄ってしまう。
何故かと思ったら、その下でY田先生が、左に寄れと指示を出していたのである。
Y博さんが私の指さす方に下ってきてくれたが、右岸側に寄りすぎて今一迫力足らずだった。


蛇籠の瀬   蛇籠の瀬
蛇籠の瀬を下るタケさん   蛇籠の瀬を下るmarioさん

のんびりと下る千歳川蛇籠を過ぎれば後はスポーツセンターまでのんびりと下っていく。
高速道路を過ぎると、右岸の所々にネギが生えていた。
我が家は既に今日の夕食分は確保していたので、眺めるだけ。
他のメンバーはここぞとばかりに収穫していた。
左岸側は住宅街になっているが、右岸は急な崖なので、川を渡らなければそこのネギは採れないのである。
ここはカヌー用のネギ場と言えるだろう。

スポーツセンター前では、何時も上陸する場所よりもう少し下流側に上陸。
こちらの方が陸に上がりやすく、駐車場は砂利敷きだけれど、そこまでカヌーを運ぶのも楽である。

シーズン初カヌー。
わが家にとっては今年3度目のカヌーだけれど、春の暖かな日射しの中で皆と楽しく川を下れて、いよいよカヌーシーズンが始まったなと実感できた一日だった。

2015年4月26日 晴れ 
当日12:00千歳川水位(ふ化場観測所) 30.35m 


千歳川最後の瀬   今回のゴール地点
千歳川最後の瀬を下る   なかなか良いゴール地点だ


戻 る