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千歳川

(第一鳥柵舞橋〜高速道路下)

週末土曜日の札幌の最高気温予報は16度。
樽前山での山スキーの誘いもあったけれど、かみさんが川へ行きたいと言っているので千歳川を下ることにした。
我が家のカヌー初めは、厳冬期の釧路川下りを除けば、4月下旬のカヌークラブ千歳川例会と相場が決まっていた。
3月のこの時期に川を下るなんて初めてのことである。それだけ今年は春の訪れが早いのだ。

雪に覆われた駐車場ところが、札幌の雪は既に解けていたのに、今年は千歳の方が雪が多かったようで、第一烏柵舞橋の駐車場はまだ雪に覆われていた。
そこでカヌーを下ろしてから、千歳市スポーツセンターの駐車場に車を停めにいったら、ミニバスの全道大会が行われているようで駐車場は大混雑。
おまけに、雪解け直後の土の駐車場は、ぬかるんで田んぼのような状態である。
駐車場の整理員から頼まれて、泥の中でスタックしていた車を牽引して救出した後、そこは諦めて高速道路下の駐車スペースに車を停めることにした。

そこからは、サイクリングロードを走ってスタート地点へ戻るつもりだったが、そのサイクリングロードもまだ雪の中。
しょうがないので、普通に道路を走っていくと、4.1キロでスタート地点に着いてしまって何だか物足りない。
それでも、気温が高いので結構汗をかいてしまって、汗が引くのを待ってからドライスーツを着込む。
川岸にはまだ雪が残り、川の方も雪解け水で増水気味だ。
キツツキのドラミングの音が響いてくるだけで、他の物音は一切聞こえてこない。


走って出艇場所へ   雪の残る川岸
走って出艇場所へ戻る   雪の残る川岸で出艇準備

河畔の木々は裸のまま足を濡らさないように川岸から直接カヌーに乗り込む。
気温は高いけれど、さすがに今の時期では身体はなるべく濡らしたくないのである。
川の流れも速く、カヌーはどんどん進んでいく。
適当なエディを見つける度にカヌーを乗り入れるが、特に見るものも無いので直ぐにまた流れに戻る。
何時もの休憩ポイントは釣り人に占領されていたので、そのまま通り過ぎる。

あっという間にマナブの手前まで下ってきた。
ここでは、去年のシーズン終了間際に、川を完全に塞ぐような倒木が新たに発生したとの話を聞いていた。
慎重にカヌーを進めていくと、川がやや左カーブしている先にその倒木が姿を現した。
川の中央から右岸側が完全に塞がっている。
直ぐにバックストロークでカヌーの進みを止める。
マナブ手前の倒木左岸側からも樹木が倒れこんできていたが、その下に通り抜けられるスペースがあったので、何とか通り抜けることができた。

ある程度カヌーを操作することができる人ならば、特に問題はないと思われる。
しかし、初心者にとってはこの倒木はかなり厄介だ。
カーブの先にあるので、直前までその存在が分からないのである。

ベテランが一緒のツアーで、なるべく左岸寄りに下るようにサポートしながらならば、何とか下れそうだ。
それよりも、ここには左側への分流もあるので、水の多いときならばそちらを不だったほうが安全である。
初心者が何も知らずにここを下れば、確実にその倒木の餌食になることだろう。


マナブ手前の倒木   川下りの様子
横から見た倒木   水が多い時は、こちらの分流を下るのが安心

ふきのとう休日にカヤックの姿が見えないことはないマナブだけれど、さすがに今日は誰もきていなかった。
そこで一休みしていると、岸辺に芽を出しているフキノトウを見つけた。
この後、所々でフキノトウを収穫しながら下っていくこととなる。
今晩の食卓にはそれがフキノトウ味噌となって出てくるのだ。

これからの時期ならば、フキノトウはそこら中に生えているのだけれど、同じ食べるにしても、何処でそれを採ったのかが重要なのである。
千歳川を下りながら収穫したフキノトウならば格別に美味しく感じることだろう。


マナブで一休み
マナブで一休み

カワセミ撮影用のテントカワセミ撮影ポイント手前にも大きな倒木があるが、こちらは余裕で避けられる。
カワセミ撮影ポイントでも一休み。
ここの撮影用テントの設備も数も、年々立派になって増えてきている気がする。
いつも千歳川を下っている中で、ここの風景が私は一番好きなのだが、そこにある撮影用テントがどうも目障りに感じてしまう。
一張りだけテントがポツンとが張られていた頃は大して気もしなかったが、これだけ仰々しくなってくると、カモフラージュしていても自然の中の異物としか思えないのだ。

そこを過ぎると、こちらは本物の異物である頭首工が現れる。
できたばかりの頃は抵抗感も大きかったが、現在は割り切ってここの魚道をちょっとしたアトラクションとして楽しんでいる。
現在の頭首工に作りかえられてから、何故かここにはカモメが集まるようになっていた。
ちょうど私達が下っていった時、釣り人が魚道で大きな魚をリリースしているところだった。
もしかしたらカモメ達もここで魚が取れることを知っていて集まってきているのかも知れない。


千歳川の倒木
カワセミポイント前の倒木

カヌーの上からふきのとうを収穫次は内別川の流れ込みで一休み。
何度も下っていると、パターンは大体決まってくるのだ。
ここでもフキノトウを収穫。

内別川の清冽な水の流れの中では、海への旅立ちを間近に控えたサケの稚魚たちが元気に泳ぎまわっていた。
その姿を撮影しようと、カヌーに乗ったままで防水カメラを水の中に入れて闇雲にシャッターを切る。

陽射しも暖かく、お昼の弁当を持ってこなかったことを後悔した。
こんな日にカヌーの上で弁当を食べていると、たとえそれがコンビニ弁当でもとても美味しく感じてしまうのだ。


サケの稚魚
旅立ち前のサケの稚魚

蛇籠の落ち込み最後のアトラクションは蛇籠の落ち込み。
蛇籠が崩れて最近は迫力が無くなったと言われる落ち込みだが、今日は水が多いので中央部分では結構大きな返し波が立っていた。
ここでも濡れるのが嫌なので、左岸寄りをスルーして下る。
この後は一旦上陸して、落ち込みの様子を確認するのが何時ものパターンだが、落ち込みの下流の流れが右岸寄りに変わってしまい、上陸できないまま通りすぎる。

気温が高くて気持ち良く下れた3月末の千歳川だったが、河畔の風景はやっぱりちょっと殺風景だった。
次に千歳川を下るのは、カヌークラブの4月例会になるのだろう。
その頃にはもう少し春を感じさせてくれる千歳川に変わっていることだろう。

2015年3月28日 晴れ 
当日12:00千歳川水位(ふ化場観測所) 30.33m 


川面   コケ
川面に映る木々   美しいコケ


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