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ヌビナイ川

(砂防ダム〜キャンプ場)

9月例会2日目は、初日に予定していたヌビナイ川を下る。
昨日ヌビナイを下った旭川カヌークラブの人の話によると、増水して落ち込みは殆ど潰れていたそうである。
歴舟本流の水位は昨日より10センチ下がっていた。
スタート地点でミーティング途中のヌビナイ橋から川の様子を見ると、昨日より水位は下がったみたいだが、濁りは取れていなかった。

ところが、スタート地点までやって来ると、そこでは何時もと同じくエメラルドグリーンに染まった美しいヌビナイ川が私達を出迎えてくれた。
水量もそれ程多くはなく、水の透明度もまずまず。
これで晴れていれば、ヌビナイ川はもっと美しい姿を見せてくれるはずなのだが、今日も上空にはどんよりとした雲が広がっていた。

この日の参加者は26名24艇と、昨日以上の大所帯である。
この他に、トシ君が連れてきた畜大カヌー部の学生が10名加わる。
さすがにこれだけの人数が一緒に下るのは無理なので、別々に分かれて下ることとなった。


河原は大賑わい   エメラルドグリーンに染まるヌビナイ川
スタート地点の河原は大賑わいだ   学生組が先にスタート

先に学生グループが下っていった後、簡単なミーティングを済ませて、私達もスタートする。
直後のアリー潰しの落ち込みは、何時もと同じく大きな玉石の間をゴツゴツとカヌーをぶつけながら通過。
これならば、何時もより少し水が多い程度と言った印象である。

支流の水の濁りその先で突然川の水が濁ってしまった。
下っている時は何で突然濁ったのか分からなかったが、家に帰ってからGoProの動画で確認してその理由がハッキリと分かった。
途中から流れ込んでいた川の水が灰色に濁っていたのである。
地図で確認すると、その川はポンニの沢川となっていた。
川沿いには林道も通っているので、この川の上流で何か工事が行われていると考えて間違いないだろう。
去年下った時の動画と比較してみても、川の合流部にできている砂利の河原は去年よりも大きく広がっていた。
工事が終わるまでは、ヌビナイ川も他の川と同じく、ちょっとした雨で濁ってしまう川になってしまいそうである。


アリー潰しの落ち込み上流   アリー潰しの落ち込み
アリー潰しの落ち込み直前   水は多いけれど、やっぱり石だらけ

集いのプールに浮かぶ流木正面衝突の瀬、岩盤の左カーブなど、私が勝手に名付けた瀬を下りながら、集いのプールまでやって来た。
最初は、水量は何時もより少し多い程度と感じていたが瀬の波は結構迫力があるし、岩避けにもそれ程苦労しないし、やっぱり水は多いと言えそうだ。

集いのプールも、何時もならば殆ど流れが無いのに、今日は水面に漂っているだけでどんどん流されていく。
集いのプールからは左岸側の分流を下ったが、この分流を下るのは今回が初めてかもしれない。

次の岩乗りの瀬が最初のちょっとした難所になる。
右岸の岩壁に沿って川が右カーブしているので、先の見通しがきかず、ここを下る時は何時も緊張させられる。
以前、アリーで乗り上げたことのある岩に、またしてもカヌーの側面をぶつけるが無事にクリア。
ここで皆と一緒にサーフィンにチャレンジするも、あえなく敗退。


激突の瀬   ヌビナイ川を下る
激突の瀬を下るガンちゃん   これが何処の瀬かは不明

岩乗りの瀬下流のプール
岩乗りの瀬下流のプール

やけくその瀬その先に大きな波の立つ瀬があり、たっぷりと水を汲んでしまう。
その付近には名前を付けた瀬は無かった筈だけれど、水が多い時は時々そんな流れが出現するのである。

やけくその瀬は、右岸側に真っ直ぐに下れる流れができていたので、特に事件は起きず。

渓石橋の下で突然G藤さんが現れたのでビックリした。
今日は少し遅れて到着したので、ツールド北海道の交通規制に引っ掛かってしまったらしい。
私達が泊まっているキャンプ場やヌビナイ川の近くを通る道路が、ちょうど今日行われているツールド北海道のコースになっているのだ。


渓石橋の渓谷
渓石橋の渓谷も美しいところだ

G藤さんが加わり、総勢27名となって次のローラー滑り台の瀬を下る。
私のイメージでは、昔はここの滑り台は滑走面がもっと長かったような気がする。
それが現在は、滑走面が短くなって、その分傾斜がきつくなっているのだ。
滑り台と言うより、落ち込みのイメージである。
ここでちょっとしたスリルを味わったところで昼の休憩となる。

休憩した河原は真っ白な大きな玉石が積み重なり、その前を流れる川はエメラルドグリーンに染まり、黒々とした岩肌の上には緑の木々が茂っている。
ここに澄み渡った青空が広がれば申し分のない風景となるのだが、雲が取れないのが残念である。

休憩後も次々に瀬が現れ、その度にカヌーの水抜きをしなければならない。
大きな波の中を下っても水を全く汲まないこともあるのだが、今日は瀬を下る度に水が入ってきてしまうのだ。


河原で昼食
休憩した河原も素晴らしい風景だった

瀬を下っていくと、その先で噴水の様に水が吹上っているのが見えてきた。
川の流れが隠れ岩にぶつかって水しぶきを上げていたのである。
慌てて進路を変えてそこの瀬をクリア。
岩に乗り上げたkenjiの姫さん後続メンバーの写真を撮っていると、kenjiの姫さんがソロで漕いでいるカナディアンが、まともにその岩に乗り上げてしまった。
後ろから下ってきたN野さんに押してもらってその岩から外れたが、カヌーは大きく傾き沈は確実。
と思ったら、何事もなかったようにカヌーは元に戻った。
姫さんの場合、何時もこんな感じで、ソロで乗っている時に沈した姿は記憶にない気がする。

最後に下ってきたIW田さんは、この噴水岩につかまって沈脱。
それにしても、上流から見れば絶対に近付きたくない噴水なのに、それに正面からぶつかっていくのだから川には魔女が住んでいるのかもしれない。

実は私は、これが惨劇の瀬だと思ったのだが、本物の惨劇の瀬はこの先で待ち構えていたのである。
私達が瀬に突入したところで早くもホイッスルの音が聞こえてきた。
先に下っていたカヤックが沈しているのが見える。
最後の落ち込みを下ったところでまたしても水をたっぷりと汲んでしまい、必死になってカヌーを岸に寄せる。
その間にも、またホイッスルの音が聞こえてくる。
自分の事で精一杯で気が付かなかったけれど、カヤックの3連沈も有ったらしい。
大きなカナディアンは大丈夫なのだが、カヤックは落ち込みの下のホールに巻かれるので、難所のようである。

蟻地獄ホールで水舟にY谷さんのカヤックが流されたので、それを追いかけて何名かがその先の蟻地獄ホールまで下っていってしまった。
その流されたカヤックも無事に回収できたようで、下流川からOKサインが出る。
撮影班をやろうと思って私達が最初に下る。

ここでは大きなカナディアンはホールに巻かれることも無いと分かっているので、敢えて一番大きな波の立っている場所めがけて突っ込んでいく。
しかし、それが失敗だった。
その大波に突っ込んだ瞬間、カヌーはガンネル部分まで水没。
殆ど操船もできない状態のまま下流まで流されてしまい、撮影班は勤められずに終わってしまった。

蟻地獄ホールの岩の上では、I上さんとイケイケS藤さんが後続メンバーに下るルートを指示していた。
その指示するルートは、私達が下った大波の上。
勿論、沈を期待してのことである。
しかし、それを知ってか知らずか、敏感なメンバーは殆どがチキンルートに逃げてしまい、二人の希望どおりにはならなかったのである。


蟻地獄ホール   蟻地獄ホール
あっと言う間に水舟になった   左岸寄りはチキンルート

これで最大の難所が終わったのだけれど、まだまだ気を抜けないのがヌビナイ川である。
倒木が現れたり、瀬があったり。
瀬の中で岩に引っ掛かってカヌーが後ろ向きになってしまう。
後ろ向きのまま下ろうとしたら、その下流では太い枯れ枝が上からぶら下がって待ち受けている。
慌ててそれを避けて岸に上がる。

ロープを投げたが・・・そこへN島さんが流されてきたのでレスキューロープの準備をするが、その前に誰かの投げたロープにN島さんは既につかまっていた。
すると今度はガンちゃんが沈、それに続いてN野さんも沈。
N野さんは、ぶら下がったいた太い枯れ枝にぶつかり、その枯れ枝がバキッと大きな音を立てて川の中に落ちる。

二人が流されてくるがロープは1本しかない。
ここで、二人の女性の誰に向かってロープを投げるかは、後々で大問題となる可能性もある。
幸い、先に流れてきたガンちゃんは既にボートレスキューされていたので、私は頭を悩ますことなくN野さんに向かってロープを投げることができた。

こんな沈脱祭りが終わる頃、上空にはようやく青空が広がってきた。
祭りの余韻を楽しみながら、その後はのんびりと下っていく。
今回くらいの水量のヌビナイ川は、下るのが本当に楽しい川である。

ヌビナイ川の動画 

2014年9月14日 曇りのち晴れ
当日12:00歴舟川水位(尾田観測所) 102.50m


青空が広がった
ゴール間近になってようやく青空が広がってきた

合流部   到着
三つの川の合流部   キャンプ場前の河原に到着

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