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シーソラプチ川

(ラフトコーススタート地点〜国体コース)

カヌークラブ8月例会の2日目はシーソラプチ川である。
当初の計画では8月例会は白老川と尻別川を下る予定だったが、白老川が水が少なそうなので、途中で十勝川、シーソラプチ川に変更となっていた。
7月の例会でもシーソラプチを下っているけれど、人気のある川なので、誰からも文句は出ない。
我が家は、去年のシーソラプチ川例会と、先月の例会も欠席していたので、2年ぶりにシーソラプチを下れることになり、その変更は望むところだった。

集合場所の落合までやってきて、直ぐに渡月橋の上から川の様子を眺める。
昨日見た時よりも、少しだけ水位は下がったようだが、相変わらず渡月橋の下の岩は水の中に隠れたままである。
私がここの水位を見る時は、大体はこの岩の状態で判断しているが、今日は快適でスリリングな川下りが楽しめそうである。

参加者は20名、18艇。
カナディアンタンデムが昨日の十勝川に続いて、我が家とよしひろさん夫婦。
その他に大型カナディアンのソロが、kenjiさんとkenjiの姫さん。そして、正式にクラブに入会したばかりのビンバさん。
日帰りカヌーなら奥様の許可をもらいやすいタケさんもOC-1で参加し、今日はカナディアンの数が多い。

時々陽も射すまずまずの川下り日和川の水は澄み、雲の切れ間から時々射していくる陽の光が、川底の石を美しく照らし出す。
水量も十分で、気持ち良く川の上に漕ぎ出した。
最初の五竜の瀬は、何時もの水の少ない時の感覚で左岸寄りから下ったため、カヌーの底を岩にぶつけてしまった。
この日の水量ならば、真ん中から楽に降りられたところだ。

カヤックのガンちゃんが落ち込みの水に巻かれて沈。
そのすぐ後ろから下ってきたよしひろさん夫婦のカナディアンが、ガンちゃんを轢いてしまう。
水の中で逆さになってもがいていたガンちゃんは、轢かれたことにも気が付かなかったようである。
もしもこれがロールで一発で起き上がったりしたら、その瞬間に後ろからきたカナディアンにぶつけられていたかもしれない。
沈脱も、たまには良い結果をもたらすこともあるのだ。(この時の動画

渡月橋の上から川の様子を確認
五竜の瀬   五竜の瀬を下る
五竜の瀬もこれだけ水が多いと何処からでも下りられる   この後、ガンちゃんを轢いてしまうよしひろさん艇

倒木がらみのカーブ2年前に下った時、本流の流れが変わっていたところがあって驚かされたが、今回もまだそのままの流れになっていた。
大増水しない限りは、今後もしばらくはこの川筋のままなのだろう。
少しだけ流木の絡んだ場所があったので、今日のツアーリーダーであるN島さんが、岸から下るコースを指示する。

今日はカメラマンが少ないので、なるべく前の方を下って、私はカメラマン役に徹する。
水が多い分、瀬の迫力も増して、格好良い写真が撮れるので、カメラマン役をしていても写し甲斐がある。
勿論、沈シーンも期待しているのだが、こればかりはなかなか思うようにいかない。


シーソラプチ川の瀬   シーソラプチ川の瀬
この左カーブは先の様子が見えないので
ブラインドカーブの瀬と名付けよう
  後ろの方で1艇が沈

名前の付いた瀬の中で次に現れるのがクランクの瀬。
水が多いので、上流から見た瀬の様子は何時もと違っていた。
そのためにかみさんがパドル操作を誤り、クランクの瀬を岩にぶつかりながら真っすぐに下ってしまった。
反省する暇もなく、直ぐにカヌーを降りて撮影ポジションに移動する。
他のメンバーはクランク状の流れの中を格好良く下っていき、そこを真っすぐに下る人は一人もいなかったのである。


シーソラプチ川クランクの瀬   シーソラプチ川クランクの瀬
クランクの瀬を下るIW田さん   久しぶりの例会参加I田さん


次がいよいよトラウマの瀬である。
ここは水が多い方が楽に下れる気がする。
ガンちゃんレスキューされる水が少ない時は、落ち込みの手前で座礁しないように、難しい角度で落ち込みに入らなければならない。
それが、水が多いと座礁する心配も無いので、流れの方向に向かって真っすぐに落ちることができるのだ。
すんなりとトラウマの瀬を下り、急いで撮影ポジションまで向かう。

その途中で早々とガンちゃんが流されてきたので、慌ててカメラを向ける。
ガンちゃんは無事にO橋さんに釣り上げられたが、釣れた魚が大き過ぎてO橋さんが危うく川の中に引きずり込まれるところだった。

ひっくり返るタケさんその様子を確認してから再び上流へ移動しようと振り替えると、今度はタケさんが流されてきていた。
ガンちゃんのレスキュー中だったので、タケさんには誰もロープを投げてくれない。
それを見たI上さんが、慌てて上流に向かってストップの合図を送る。

トラウマの瀬の下流は大きな瀞場になっているので、安心して沈できるのだが、それでも連続して沈脱者が出てくると慌ててしまうのだ。

私もようやく適当な撮影ポジションに付き、次々と下ってくるメンバーの雄姿を撮影する。
ここでビンバさんがようやく轟沈を披露してくれた。
そのまま皆が待ち受けている下流の瀞場まで流れていく。
久しぶりに見る沈の花道の風景だった。

9年前、クラブの例会時にトラウマの瀬で沈をしてそこを流されたことがある。
その時は他のクラブの例会も重なり、もっと大勢の人達が注目する中をプカプカを流れていったのである。
その際に思いついた言葉が「沈の花道」だった。
沈の花道クラブ入会者にとって、この沈の花道を流れることは非常に名誉なことでもあり、入会後最初の例会でこの栄誉に浴したビンバさんは、これでカヌークラブの立派な会員となったのである。

N野さんのカヤックが落ち込みを落ちたところで、ひっくり返った。
そのままロールするのかと思ったが、ひっくり返ったままで動かない。
岩の上で合図係をやっていたI上さんが「あっ、やばい!」と声を上げた。
沈したまま、何処かに引っ掛かって、カヤックから出られないでいるのかもしれない。
私も直ぐに撮影を止めて、そこに向かう。

岩の上に取り残されたN野さん幸い、カヌーからは抜け出せたようだが、ホールに巻かれてそこから出られないでいた。
カヤック、パドルと順々に流れ出てきたが、人間だけはまだ残ったままだ。
何とか岩の上に這い上がったものの、そこから行き場がない。
私がロープを投げても良いけれど、そこから下流まで自分で泳いでもらった方が手っ取り早い。
と言うことで、N野さんは自ら岩の上から飛び込むこととなる。
川で流された時の泳ぎ方にもテクニックがあるはずだが、N野さんの泳ぎ方は見事としか言い様がないもので、感心してしまった。

トラウマの瀬で追いついてきたダッキーのグループの方も沈をして、久しぶりの沈脱祭りとなったトラウマの瀬。
でも、沈しても皆で助け合いながら下るのが例会の楽しみでもあるのだ。

昼食その先の小さな河原で昼食の休憩。

そこからしばらく下っていくと、川縁にPの看板が立っている。
そこがレストラン「たるきぃとな」の駐車場(駐艇場)である。
そのうちに我が家単独でシーソラプチを下ってみようと考えているので、その時には是非ここにカヌーを停めて、「たるきぃとな」で食事をしてみたいものである。

その先、橋の袂で流れが岸をえぐり取っているところがある。
手前から左岸に寄れば楽にかわせるので、敢えてそこの中に入る人はいない。と思っていたら、よしひろさん夫婦だけがその中を下ってきた。
昨日の十勝川から引き続き、相変わらずアグレッシブなご夫婦である。


駐車場看板   アグレッシブなご夫婦
レストラン「たるきぃとな」の駐車場   普通の人はここは避けるんだけど・・・

ちょっとした落ち込みの先で本流がまともに岩壁にぶつかっている場所がある。
ここの瀬にはこれまで名前は付けられていなかったが、他と区別するため適当に「岩壁の瀬」と名前を付けることにする。
岩壁の瀬では、岩壁にぶつかった後流れが左に変わる。
岩壁を怖がって左寄りに下ろうとすると、そちらには岩が多いのでトラブルになる可能性が高い。

一人だけヒーローコースを下るビンバさん N島さんは、まだ川に慣れていないビンバさんに、左には寄らないようにと指示を出していたらしい。
他のメンバーが正しいルートを次々と下りおりる中、そのビンバさんが突然左岸の岩の上に姿を現した。
「あら!、なんでこっちに来ちゃったの?」
その後の気の毒な姿を頭の中に思い浮かべながらカメラを向けていると、するりと岩の間をすり抜けて私の目の前に下ってきたのである。
結果的に、1人だけヒーローコース?を下ったビンバさんだった。

そしていよいよ国体コースへと入り、まずは三段の瀬。
私達のすぐ前を下っていたタケさんが沈。
そのままパチンコ岩へ向かって流されていったが、かろうじてその手前の河原に上陸し、事なきを得る。
先日の増水した鵡川で沈しないで見事に漕ぎきったタケさんだったけれど、今日はこれが3度目か4度目の沈である。
長い間、川を下っていると、たまにこんな日もあるのだ。
他の人達は皆豪快に三段の瀬をクリア。


空知川三段の瀬   空知川三段の瀬
女優の顔が水浸しのガンちゃん   飄々と下る姫さん

上流から見たパチンコ岩その先のパチンコ岩は、増水していて上流側から見た様子が何時もと違っていた。
一番手前の岩の左側にも流れができているので、その岩がパチンコ岩に見えてしまう。
その先にあるはずの本来のパチンコ岩は、盛り上がった波に隠され、その様子がハッキリと分からない。
一番簡単なのは、右岸寄りに真っ直ぐ下るコースである。
さすがにそれではチキンになってしまうので、私達は何時もどおり右岸側から入ってパチンコ岩の左へ入るコースで行くことにした。

ここまで沈しないで下ってきたけれど、シーズン初めての沈をここでやってしまうパターンが結構多い私達なので、若干の不安があった。
ポイントは手前の大波を如何に上手くかわせるかである。
なるべく右側から入って、そのまま一気に大波を越えてパチンコ岩の左へ。
パチンコ岩の手前で右に寄せられてしまったそんな作戦だったけれど、私達の意に反してカヌーは大波の方へと引き寄せられ、そして最後には大波に跳ね返されてカヌーは右岸へと寄ってしまった。

こうなってしまうと、格好悪いけれどチキンコースに進むしかなく、そのまま渡月橋の落ち込みもすんなりとクリア。
沈はしないで済んだけれど、納得できない結果に終わってしまった。

後続のメンバーは殆どが右岸よりのコースを下る中、ここでもよしひろさん夫婦は新たにできた左岸コースを敢えて選択。
最後の最後までチャレンジャーなご夫婦だった。

渡月橋の落ち込みで一名沈脱した以外は、全員がここをクリア。
今回はやっぱりトラウマの瀬が最大の難関となったようである。
これくらいの水量の時に下るシーソラプチ川は本当に楽しい川である。

2014年8月24日 曇り時々晴れ
当日12:00空知川水位(幾寅観測所) 354.10m

トラウマの瀬の動画
クランクの瀬の動画
渡月橋落ち込みの動画


渡月橋の落ち込み   渡月橋の落ち込み
難しいところから下るY須賀先輩   最後は決めたタケさん

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