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支湧別川

(名の分からない橋〜新平和橋)

カヌークラブ6月例会初日は湧別川を下る予定だった。
2週間前に下見をしたメンバーは上流の支湧別川から下っていて、その時は水も多くて大変楽しい川下りをしていたようである。
しかしその後は雨があまり降らずに、特に最近一週間は局地的な夕立が降る程度で、まとまった雨は全く降っていなかった。

花をバックに集合写真川の水量が気になる中、集まったメンバーは16名。
下るコースは当然のように変更されて、支湧別川からのスタートとなる。

私がクラブの例会で初めて湧別川を下ったのは10年前。
その時は、有志だけが支湧別川からスタートして、その他のメンバーとは湧別川本流の幽仙橋で合流する計画になっていた。
結局その時は、スタート時間が遅れて全員が幽仙橋からのスタートとなったのだが、当時の支湧別川は、限られた人だけがチャレンジするような川として位置づけられていたのである。

それがいつの間にか、例会で普通に下る川になっていて、去年などは今回よりももっと上流部から下る例会が企画されていた。
その例会は、あまりにもデンジャラスだったために途中で中止となり、カヤックを1艇紛失する散々な結果に終わっていた。

スタート地点の様子今回のスタート地点は、その紛失したカヌーを翌日になって奇跡的に回収できた場所の直ぐ下流である。
そのカヌーの持ち主であるK岡さんはとても感慨深そうにしていた。

カヌーを回収する時も河原には美しい花が沢山咲いていたが、今年もスタート地点の河原はムシトリナデシコの花で一面がピンクに染まっていた。
その花をバックに記念撮影をして川下りが始まった。
天気も良くて楽しい川下りができそうである。

心配していた通りに水は少ないが、カヌーで下れないほどでもない。
過去2回、私が支湧別川を下った時はいずれも増水気味で川幅も少し広がっていた。
もともとがクリーク状の幅の狭い川なので、水が減ると余計に狭く感じる。
でも、川幅が狭いおかげで両岸に生えている樹木が頭上を覆い、まるで緑のトンネルの中を抜けていくような感覚を味わえるのだ。


支湧別川の緑のトンネル
緑のトンネルの中を下るような支湧別川

幅の狭い支湧別川5年前に下った時の川下り日記を読むとウォータースライダーと言う表現を使っていたが、今回のウォータースライダーは、滑っている間にゴツゴツと岩に何度もぶつかってしまうので、あまり快適ではなかった。
途中には、カナディアンがギリギリで通過できるくらいの幅の狭い場所もあって、ヒヤッとさせられる。
それを見ていた人が「良く通れたね」と他人事のように言っていたが、今回も大型カナディアンでの参加は我が家だけなので、誰も頼りにはできないのである。

途中のエディは小さいものばかりで、全員が留まっていることができず、必然的に快調なペースで下っていくことになる。


支湧別川の様子   支湧別川の様子
水が少ないので下れるコースが限られる   ちょっとヒヤリとするポイント

そんな中で、先頭を下っていたT津さんから上陸の指示が出だされた。
倒木があるとのことだが、流れの先にそれらしい倒木は見当たらず、歩いて様子を見に行こうとする。
苔が美しい支湧別川するとまたT津さんから「どうせポーテージなんだからカヌーも一緒に持ってきた方が良いよ」と言われた。
倒木があるのは流れが見えなくなっている更に先らしいので、かなりの距離をポーテージすることになりそうだ。

ポーテージする途中に河原の石が苔に覆われている場所があった。
下見をした人達の写真にその様子が写っていたので、その場所を見るのも楽しみの一つにしていた。
想像していた通りに美しい苔だったが、ポーテージの途中でじっくりと楽しめなかったのがちょっと残念だった。

ようやく倒木の正体が分かった。
それ程太い木ではないけれど、1本の倒木が見事に流れを遮るように川を塞いでいるのだ。
倒木が無かったとしても、そこはかなりの難所となるような流れである。
支湧別川でポーテージ前回下った時も、ここの写真を何枚か写していたはずである。
そんなところを下ってきて、いきなり目の前にこんな倒木が現れたらパニックどころではない。
こんな川を下る時は下見が大切であることを改めて感じさせてくれるような倒木だった。

ポーテージで疲れきったメンバーは、そこで小休止。
倒木を越えたところから再スタート。
K岡さんがそこでいきなり沈。
必死になってロールで起き上がったところ、目の前には大岩が迫っていた。
堪らずに沈して、その先の落ち込みの中へ。
その様子に、見ていたメンバーは大笑い。
「こんな時に限って誰もカメラを回していないんだよな〜」
他人の不幸をこれだけ素直に笑えることって、カヌー以外のスポーツでは絶対にあり得ないと思う。


支湧別川の倒木
こんな倒木が突然現れたら堪らない

函状の地形の中を気持ち良く下っていくと、いつの間にか白滝の市街地まで来ていた。
コンクリートの擁壁が無ければ、川のすぐ隣に住宅が迫っていることにも気が付かずに通り過ぎてしまいそうだ。
我が家はこの落ち込みはパスここにちょっとした落ち込みがあって、水の多い時でなければ大型カナディアンでは下ることができない。
右岸側にカヤックならば降りられそうな岩盤の切れ込みがあるが、横から岩が飛び出ていてちょっと嫌らしい。
今回は殆どのメンバーが左岸寄りのチキンコースを、カヌーの底をズリズリと擦りながら下る中、Y須賀さんが右岸のヒーローコースを見事に下り降りた。

S良さん父子のお父さんが、ここで力尽きてリタイア。
S良さんの車がスタート地点に停めてあるので、そこまで一人で歩いて戻ると言う。
前日からあまり寝ていないところに、延々と続く瀬と途中の倒木ポーテージに体力を奪われたのかもしれない。


集落の横を流れる支湧別川   町の中でも美しい流れの支湧別川
我が家はポーテージ、直ぐ後ろには民家が迫る   町の中でも美しい流れのまま

湧別川本流と合流し、本来のスタート地点であった幽仙橋まで下って来た時、時間は既に午後1時半になっていた。
ここでもう終わりにしても良いくらいに疲れているのに、そのちょっと下流で今度は堰堤越えが待っているのだ。
大型カナディアンのポーテージは楽ではない。

支湧別川で堰堤越えそれはカヤックメンバーも同じで、堰堤の下にカヌーを降ろした後、しばらくの間小休止となる。
疲れてはいるけれど、この付近の川相も大変美しい。

湧別川本流を下った時の記憶で強く印象に残っているのは、この堰堤越えとこの先で待ち構えているクランク状の瀬くらいである。
それなので、下見をしたメンバーの「本流もなかなか面白かったですよ」との話を聞いても、今一つピンとこなかった。
でも、下ってみると確かに楽しい瀬と美しい風景が続き素晴らしい川であることが分かった。
水が増えれば瀬の波ももっと高くなり、更にスリリングな川下りとなりそうである。
川下りの記憶は、楽しかったことより苦労したことしか残らないのだと改めて感じてしまう。

そしてそのもう一つの記憶である、クランク状の瀬までやってきた。
私達夫婦は過去2回ここを下っていて、一番最初はポーテージ。2度目は私一人でチャレンジ。
3度目の今回で、かみさんも初めてこの瀬を下ることになった。

支湧別川クランクの瀬ここでの一番のポイントは、瀬の最後で岩壁にまともにぶつかっている本流の流れから上手く抜け出せるかどうかである。
抜け出せずにいると、そのまま岩壁に押しつけられてしまうことになる。
最悪なのは、そこまでたどり着く前の瀬で沈をすることだが、さすがに今回はそんなメンバーはいなかった。
私達も何とかクリアできたけれど、しっかりとドローを入れるかみさんに対して、私は正直言ってどうやって漕げば良いのか分からなかった。
おざなりのスイープストロークをするだけで、結局は舟のスターンが岩壁にぶつかりかけてしまう。
クリアしても、何となくすっきりできなかった。(クランクの瀬を下った動画

岩や倒木が大嫌いなガンちゃんは、ここまで岩と倒木だらけの川を何とか下ってきていた。
しかしここでとうとう、巨大な岩壁の胸の中に自分から飛び込んでいくこととなったのである。


クランクの瀬入口   クランクの瀬を下るガンちゃん
クランクの瀬の入口もちょっと怖い   この後、岩に抱きしめられたガンちゃん

またまた倒木今回のゴールはこれまでよりも遠い新平和橋になっていた。
さすがに体も疲れてくる。
途中リタイアしたS良さん父が、もしもそのまま下り続けていたら、この辺りで体が動かなくなっていたことだろう。

疲れがピークに達する頃、再び倒木が待ち構えていた。
商業ラフトが営業していない川なので、倒木があるのは覚悟しなければならない。
こんな川を下る時は自分たちでノコを用意して、障害物を自分たちで片づけながら下ることも必要かもしれない。

湧別川の黒曜石ここでは先にポーテージを済ませて、河原で黒曜石探しをする。
白滝はジオパークにも指定されていて、黒曜石の露頭が有名である。
そこを流れている湧別川なので、河原を探せば簡単に黒曜石を拾えるのだ。
ただ、切断面の黒々とした部分が露出していれば直ぐに分かるけれど、そうでなければ慣れが必要である。
でも、湧別川を下る度に黒曜石を拾っていたら家の中が石だらけになってしまいそうだ。

2014年6月28日 晴れ時々曇り


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