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千歳川

(第一鳥柵舞橋~スポーツセンター前)

ゴールデンウィークが始まる一週前の週末。
春と言うには、まだ肌寒すぎる時期でもある。
カヌークラブの4月例会は、例年その週末に合わせて計画されるので、寒さに震えながら川を下ったことは数知れない。
それが今年は、最高の天気に恵まれる例会となったのである。

集合写真この、シーズン始めの千歳川例会は毎回参加者が多いのだけれど、今年もこの陽気に誘われ27名23艇での賑やかな川下りとなった。
T山さんは、小さなお嬢ちゃん二人を連れての参加である。
ここ最近は、ファミリーでの例会参加が途絶えていたので、何だかとても新鮮に感じる。
老若男女が入り混ざっての川下りは、カヌークラブならではの風景だと思うのだ。

新会長の何とも心許ない挨拶で、今年もカヌーシーズンが幕を開けた。
大人のクラブなので、この緩~い雰囲気がちょうど良いのである。

参加者が多いと、全員が川の上に出てくるまで時間がかかる。
それを待ってから三々五々と言った感じでスタートしていく。
川面に色とりどりのカヌーが浮かぶ様子は、カヌーシーズン到来を告げる良い風景である。


川下りの様子   川下りの様子
ようやく全員が川に出てきた   賑やかな川の上

ビンバさんの枝沈最初のカーブを曲がったところで、ゲスト参加のビンバさんが挨拶代わりの枝沈。
風も無く日射しも優しい。
しかし、川の水は雪解けの水も入って、まだまだ冷たい。

去年4月の千歳川例会で、初参加のM上君が数え切れないくらいに沈しても、懲りた様子もなく最後まで楽しそうに下っていたことは、まだ記憶に新しい。
ただしそれは、非常に稀なケースであって、普通の人間ならば足が濡れることさえ避けたいのである。

最初の大きな溜まりで、ようやく全部のカヌーが集まることができた。
その後は春の日射しに照らされながら、のんびりと下っていく。
皆の顔にも自然と笑顔が浮かぶ。


川下りの様子
大きな溜まりに皆が集まる

川下りの様子   川下りの様子
正しいファミリーカヌー?   川岸には雪も残る

カヌー犬コロちゃん川の水は夏よりも澄んでいるように感じる。
カヌーの下を川底の石が飛ぶように流れていく。

kenjiさんのところのコロちゃんは、立派なカヌー犬になっていた。
カヌーの舳先にすくっと立って、水先案内人を勤めているようだ。

皆から遅れてマナブに入っていくと、ゲスト参加で今回が初めての川下りという女性がカヤックの水抜きをしていた。
水は冷たいけれど、今日の天気と水の美しさならば沈もまた楽しである。

カモメが群れる魚道魚道では今日も沢山のカモメが群れていた。
ここのカモメは年々増えてきているような気がする。
海からは20キロも離れているこの場所に、どうしてこんなにカモメが集まるのか、不思議でしょうがない。

途中の川岸では完全に白骨化しているエゾシカの残骸を発見。
それも、川岸に建つ民家の直ぐ近くである。
こんな場所でクマに食べられた訳でもないだろうし、カラスに突かれただけでこれだけ見事に骨だけになってしまうのだろうか。

このまま街の中へと流れ込む千歳川だけれど、素のままの自然が色濃く残っていることを実感させられる。


川下りの様子   川下りの様子
のんびりと下る   透明な川

魚道を下る   シカの屍
カヌーの中に身を隠すコロちゃん   川岸にはシカの骨が

捕まるわけがない内別川の流れ込み部で休憩となる。
その流れの中ではサケの稚魚が群れ泳いでいた。

新会長がヘルメットでその稚魚を生け捕ろうとしているが、こんなところで新会長に捕まえられるようでは、これから始まる長い旅で生き抜ける訳がない。
稚魚たちに軽くあしらわれている会長であった。

蛇籠では皆の写真を撮影するため、右岸への上陸を試みる。
流れの速いところで上手く右岸のエディに入れるか不安だったが、少し下流に落とされながらも何とか蛇籠の後ろに入ることができた。

昔は蛇籠の落ち込みと呼んでいたけれど、最近は落ち込みという程の落差も無くなり、大型のカナディアンは煽られることもなく瀬を下っていく。
蛇籠を下るカヌー犬コロちゃんここで沈をしていた頃が懐かしく感じられる。

カヌー犬コロちゃんは、流れの穏やかなところでは舳先に立っているのに、瀬が近付くとカヌーの中に逃げ込むのが面白い。
この蛇籠では、カヌーの後ろにまで逃げて身を伏せていたが、降りた瞬間に顔を出して瀬の様子を確認しているのには笑ってしまった。
きっと野生の本能で危険を察しているのだろう。
素晴らしいカヌー犬である。


サケの稚魚
サケの稚魚が群れている

最後の小さな落ち込みこの後は、ゴール地点のスポーツセンターまでプカプカと流されていくだけである。
途中、小さな落ち込みが一カ所あるけれど、ちょっと退屈な区間でもある。
でも、何もしなくても川の流れがゴールまでカヌーを導いてくれるのだから不満はない。

何とも穏やかな今シーズンのカヌー初めとなった。
この調子で、今年一年穏やかな川下りが続けば良いのだが。

2014年4月20日 晴れ 
当日12:00千歳川水位(ふ化場観測所) 30.24m 



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