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千歳川

(第一鳥柵舞橋〜スポーツセンター前)

夏の暑い一日、混雑を避けて涼もうと思えば千歳川に出かけるのが一番である。
夏の太陽がギラギラと照り付け、まさに千歳川の川下り日和。
今回は初めて、車の回送手段としてランニングを取り入れることにした。
下る区間はスポーツセンターまで。最初は高速道路下までにしようと考えたが、それでは走る距離が4キロ程度にしかならない。
物足りないので、スポーツセンターまでに変更したのである。
走る距離が短いことを不満に思うなんて、ちょっと前までの我が家からは考えられない変わり様である。

サイクリングロードを走るスポーツセンターの駐車場に車を停めて、自転車道を走り始める。
最初のうちは木漏れ日の下を気持ち良く走っていたが、河川敷部分に出てくると遮るものが何も無くなり、夏の陽射しに直接晒される。
でも、私たちは何時も早朝に走っているので、たまにこうして太陽の陽射しを浴びるのも、身近い距離ならば嬉しく感じてしまう。

O橋パパがほうきを持って家の前をウロウロしていた。
「ヤッホー」って手を振ると、口をあんぐりと開けてこちらを見ている。
車道に出てくるとカナディアンを2艇積んだ車に追い越された。
「ヤッホー」って手を降ると、運転していたkenjiさんがびっくりしている。
走っていると、色々な人に出会うのである。

川の中に入ってクールダウンキロ6分ペースで走っていると、ほとんど疲れることもなく出艇場所まで到着した。
でも、さすがに汗は噴き出してくる。
ランニングシューズを脱いで、そのまま川の中に飛び込む。走った後に千歳川の中でクールダウン。最高に気持ちが良い。

kenjiさんはカナディアンのお友達3艇とのダウンリバーである。kenjiの姫さんは大雪に登って走っているらしい。
そう言えば去年は山の上で姫さんに会って、今年は川でkenjiさんに会うなんて、偶然にしては出来過ぎた話である。
川流れのグループやファミリーを乗せたラフトなど、さすがに夏の千歳川は賑やかである。
それらのグループを見送った後、私達だけでのんびりと下り始める。
一週間前に岩だらけの赤岩青厳峡を下っていたのと比べると、まるで天国のような川下りである。

先行グループに追いつくkenjiさんグループに追いついた。
ああだこうだと言いながらパドリングの練習をしている。
「かのあ」と言うところでパドリングを習っているらしい女性は、さすがに漕ぎ方が美しい。
カナディアンの漕ぎ方を教えてくれるようなところが昔からあれば、私達も習いに行ったかもしれない。
一度だけ「ドッグパドル」で教えてもらったことがあったが、今にして思えばカナディアンの漕ぎ方を習いに行くようなところではないのだ。
周りに教えてくれるような人もいなくて、結局は、理論よりも体を張って覚えるしかなかったのである。

今日は一生懸命漕ぐ気は全くないので、先にプカプカと流れていくことにする。
まなぶは見慣れた顔の人達ばかりだった。
まなぶで泳ぐかみさんかみさんが泳ぎ始める。
私はその間にソロのパドリングの練習。漕ぐ気はないと言いながら、まなぶに来ると何となく練習しなければならない様な気になるのである。
そうして軽く汗をかいたところで、私も川に入る。
川を下るよりも川に浸かりに来たようなものである。

その先、カワセミ撮影ポイントで休憩。
カナディアンのシートに横向きに座って水の中に足を浸ける。
この日の千歳は29度まで気温が上がったみたいだけれど、千歳川の上は別世界である。
温くなってしまった飲み物も、湧水の流れる沢に浮かべておけば、直ぐに冷える。
昼食はナイベツ川にカヌーを浮かべて食べようと思っていたが、気持ち良いのでここで食べることにする。
ファミリーラフトが下ってきたり、シュノーケルを付けた人間が流れていったりと、川の上は賑わっているけれど、彼らが通り過ぎてしまうとこの快適な空間をまさに独り占めである。
とっても贅沢な涼み方と言えるだろう。


千歳川で涼む
千歳川の上で涼む

千歳川の風景   川流れの人達
カワセミポイント前の風景   川の中を人が流れていく

魚道を下るkenjiさんグループが追い付いてきて、そこからまた一緒に下る。
魚道の手前の倒木には木製カナディアンの残骸が引っ掛かっていた。
年に何人かはこの千歳川で手痛い目に遭っている人がいるのだろう。
魚道は、南長沼用水が取水していないせいなのか、初めて見るような迫力のある流れになっていた。
でもやっぱり、昔の魚道の様な面白さはない。

皆はナイベツ川湧水で休憩するようなので、我が家はそのまま下り続ける。
澄んだ水の中でバイカモの白い花が揺れている。
バイカモは清流の中で生育するイメージがあるけれど、所々で淀んだ場所にも咲いていたりする。
それでもその花が清楚で美しいことに変わりはない。


水中に揺れるバイカモ
バイカモが揺れる美しい川の風景

トンボが羽を休める   清流に咲くバイカモ
ニホンカワトンボ   清流に咲くバイカモ

蛇籠の落ち込み蛇籠の落ち込みは、右岸側が素直な波の落ち込みになっていて、以前と比べると随分下りやすくなった気がする。

市街地まで下ってくると、河川敷で盛大にバーベキューをやっていたり、川の中に入って水遊びをしたいたりと、夏らしい川の風景が広がっていた。

濡れていたウェアもすっかり乾いて、このまま川下りを終えると、せっかく涼しくなっていたのが上陸後にまた一汗かいてしまいそうだ。
あまり人目に付かないところにカヌーを止め、そこで一泳ぎしよとしていたら、突然、川岸の木の間から自転車に乗った女性に声をかけられた。
O橋ママである。
突然の不意打ちに驚かされたけれど、千歳川を下っていると、知った人に会う機会が本当に多いのである。


賑わう夏の川べり   最後の瀬
夏の川べりは大賑わい   最後の瀬で遊ぶ

気分はカワセミかみさんが川面に倒れ掛かった木の上に登って、そこから川の中に飛び込んだ。
カワセミが木の枝から川に飛び込む様子と似ていないこともないが、カワセミの様な美しさが全くないののは言うまでもない。
そうしてずぶ濡れのままスポーツセンター前に上陸。
駐車場のアスファルトを照らす太陽の陽射しがありがたく感じるくらいに、涼しい夏の一日を楽しむことができたのである。

2012年7月29日 晴れ 
当日12:00千歳川水位(ふ化場観測所) 30.18m 



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