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余市川

(大江橋〜鮎見橋)

集合写真 カヌークラブの5月例会は5年ぶりの余市川。
 前回は桜の花を愛でながらのダウンリバーと銘打っていたものの、雪解け水による増水で花見どころではなかった。
  今回はその時の反省から若干日付を遅らせて、新緑を愛でながらのダウンリバーを楽しむことにする。
 しかし、当日の水位は前回より40センチ程下がっていたものの、雪解け増水は相変わらず続いていた。
 集まったメンバーは14名。
 札幌からも近く、新緑の良い季節なのに、その少なさにちょっと拍子抜けである。
 仕事が忙しくなる人もいれば、子育てに励まなければならない人、高齢化による体力の衰えの著しい人など、それぞれに様々な事情があるようで、私のように例会出席率が100%に近いのは恵まれている方なのだろう。

大江橋の下から出艇 大江橋の右岸からカヌーを出す。
 前回の余市川例会では、その時のツアーリーダーだったI山さんが橋のやや上流から出艇し、いざスタートしようとしている皆の前を一人で流れていってしまうと言う珍事件が発生。
 ツアーリーダーがスタート前に沈脱して流される前代未聞の例会は、その後も色々と事件が起こったのだけれど、今回は何とか全員無事にスタートすることができた。
 川岸の柳は淡い緑に色付き、その先には春紅葉に染まった山が迫る。
 そんな風景の中を増水して灰色に濁った余市川が勢いよく流れていく。
 前方に白波が見えている。
 前回は水が多すぎて途中の瀬もほとんど潰れていたけれど、今回は水位が下がった分、瀬の波は逆に高くなっているようだ。
 ちょっと緊張しながらその波の間を漕ぎ下り、エディに入って後続のメンバーを待つ。


新緑と白波   波を避けて下る
新緑と白波   波の高い場所を避けて下る

 すると「I山さんが沈脱した」との情報が飛び込んできた。
 スタートしてからまだ数百メートルも下っていないのに、余市川I山伝説の復活である。
 それからやや暫く経って、I山さんが恥ずかしそうに下ってきた。
 その先も更に瀬が続き、なかなか気を抜けない。
沈脱したI山さんを見守る そこでまたしてもI山さんが沈。
 ロールで直ぐに起き上がるだろうと見ていたら、そのまま沈脱。
 岸に近い場所だったけれど、流れが速くて上陸できず、そのままどんどんと流されていく。
 最初の沈シーンは見られなかったけれど、今度は目の前での沈である。慌ててカメラを構える。
 何とか足の立つ場所まで流れ着いたようなので、私も対岸のエディに入る。
 するとそこではK岡さんがニヤニヤしながらカメラを構えていた。私が「あれ?K岡さん!嬉しそうな顔して何を写してるの?」と聞くと、K岡さんはいたずらを見つけられた子どものような表情を浮かべて慌ててカメラを仕舞い込んだのである。

 実はI山さんは、ダブルパドルを使って川を下るのは今日が初めてなのである。
 最初は我が家と同じアリーに乗っていて、そのご一人乗りのカナディアン、そしてシングルパドルのカヌーと変遷してきていた。
 一般的なカヤックは膝を伸ばして座りダブルパドルで漕ぐのが普通だけれど、そこに膝を折った姿勢で乗り込みシングルパドルで漕ぐのをカヌーと呼ぶらしい。
 両者の違いが未だに分からない私である。


カヌーの時のI山さん   カヤックに転向のI山さん
シングルパドルで颯爽と下っていた頃のI山さん   ダブルパドルに変わった途端に初心者に逆戻りしたI山さん

 I山さんは、年齢とともに膝を折る体勢が辛くなってきたという切実な理由によりカヤック派へと転向するとのこと。
 舟に変わりはなくても、技術的には全く違うようである。
 「カヤック初心者です」と本人は言っていたものの、誰もがその言葉を冗談としてしか聞いていなかった。
 しかし、簡単にコロコロとひっくり返りロールもできずに沈脱するその姿は、非の打ち所のない完璧な初心者。20年以上の輝かしいカヌー経験は何の役にも立たないのである。

余市川Sウェーブ やがて前方に横一列に連なった大きな白波が見えてきた。
 後で知ったのだけれど、それが増水時だけに現れるSウェーブと呼ばれるサーフィンスポットらしい。
 「何?、あれ!」とかみさんが脅えた声を上げる。
 集合場所に向かう前の下見で、鉄橋下の落ち込みの激しい流れを目の当たりにしているかみさんは今日は最初からびびり気味なのである。
 かみさんは必至になって岸よりのチキンルートに逃げようとするので、しょうがなく私もそれに合わせるしかない。
 結局、岸よりの小さな落ち込みを越えただけで、全然面白くないコースを下らされることになってしまった。


余市川Sウェーブ
余市川のSウェーブを下流から振り返る

青空には絹雲が 真っ青な空にはほうきで掃いたような絹雲がたなびいている。
 少し前の週間予報では雨マークも付いていた日曜日。
 札幌を出る頃は低い雲が垂れ込めていたのに、青空が広がっていた。
 今年のカヌークラブでの例会は、天気予報は悪くても最後には晴れるパターンが続いている。
 一緒に下っているメンバーの中に強力な晴れ男、いや、雨払い男がいるのだろう。
 私はそれがO橋さんだと信じているのだ。
 これからの例会でもそのパワーを保ち続けてもらいたいものである。

 山肌の新緑も美しい。
 この付近の山は紅葉が美しいところだけれど、そんな場所は決まって春紅葉の風景も美しいのである。
 川の流れが穏やかになれば、そんな風景を眺めながらのんびりと下る。
 楽しい瀬に美しい風景。
 全く退屈しない川下りが続く。


新緑の余市川
春紅葉に色付く山を眺めながらの快適なダウンリバー

然別大橋を過ぎる   残雪と新緑
然別大橋を通過   遠くの山にはまだ雪が残っている

恐ろしい頭首工 途中にある頭首工は水門が閉まっていたため、左岸からポーテージする。
 水門が閉まっているのにその下に隙間があるのか、水が水門の下に吸い込まれている。
 もしもここに填ったりしたら重大事故に繋がるのは間違いないだろう。
 前回下った時は水門が開いていてその下を通り抜けられたけれど、5月中旬には閉まってしまうらしい。

 そして頭首工を過ぎると、この区間で最大の難所である鉄橋下の落ち込みである。
 このあたりの障害物の配置は何となく千歳川に似ている気がする。
 でも、千歳川の蛇篭の落ち込みと、増水した余市川の鉄橋下の落ち込みとではその迫力が全然違う。
 集合場所へ向かう前に下見をしたのだけれど、ここを下るのかと思うと何となく胃が重たくなってくる様な気がした。
 かみさんに至っては、下見しただけで手のひらを汗でべっとりと濡らしている始末である。


鉄橋下の落ち込み全景
鉄橋下の落ち込みの全景、一番左岸側が下りやすい

 車をゴール地点へ回送する時にも、その直ぐ下流の月見橋の上から全員で下見をしたのだけれど、結局落ち込みの前で全員が上陸し、もう一度間近から落ち込みの状況を確認する。
 そうして一人ずつ順番に下る。
鉄橋下の瀬を下る I山さんが無事に下ったように見えたが、下のボイルでバランスを崩して沈。ロールもできずに沈脱。
 そのまま下流の橋脚まで流されるかと思いきや、舟をを確保しながら岸に向かって猛然と泳ぎ始めた。
 まるでセルフレスキューの見本の様な泳ぎに見惚れていたために、せっかくのシャッターチャンスを逃すことになってしまう。
 ここでは、I山さんの沈を嬉しそうに見ていたK岡さんも仲良く沈。
 そして最後に私達の番である。
 落ち込みの入り口部分に立っていた流木を目印にして慎重にカヌーを進める。
 その流木を回り込んだところでようやく落ち込みの全貌が目に入る。
 意外と素直な流れだった。まるでウォータースライダーを滑っている気分で、最後には両手を挙げながら波を越え、無事に落ち込みをクリアした。



余市川鉄橋下の落ち込み   余市川鉄橋下の落ち込み
颯爽と波を越えるY谷さん   右に寄りすぎて危なかったI田さん

昼食休憩 鉄橋下の落ち込みを全員が下り終えたところで、その直ぐ下流の川原で昼食休憩にする。
 空は雲一つない青空に変わっていた。
 春の日射しが心地良い。
そこから下流でも退屈しない程度に小さな瀬が現れる。
 その中の一つでI山さんがサーフィンにチャレンジ。
 周りで見ていた皆が一斉に声を上げた。
 「格好悪〜!」
 ウェーブの中に留まれないのはまだしも、まるでアヒルが池の中でバタバタと羽ばたきしているようにしか見えないのである。

 ゴールの鮎見橋が近付くにつれて、風向きが向かい風に変わってきた。
 そうなるとシングルパドルで漕ぐ一人乗りのカナディアンは辛くなってくる。
 I山さんがここぞとばかりに、「シングルパドルは大変ですね〜」と言いながら、苦労するカナディアン組を追い越していった。


ちょっとしたアクセントの瀬   砥ノ川橋
退屈しない程度に瀬が現れる   橋の上から興味深そうにこちらを見ている車

鮎見橋下流左岸に上陸 そんな風にふざけ合いながら、のんびりと下ってゴールの鮎見橋に到着。
 本当に気持ちの良い川下りだった。

2011年5月22日 晴れ
当日12:00 余市川水位(然別観測所) 23.41m


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