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千歳川

(第一鳥柵舞橋〜スポーツセンター前)

 今年のカヌークラブの例会始めは例年通りに千歳川である。
 去年は趣向を変えて尻別川の例会から始めてみたが、この時期の北海道の川は何処も雪解け水で増水しているので、安心して下れるのはやっぱり千歳川しかないのである。
 おまけに例会前日から強い雨が降り続き、もしも他の川を下る予定をしていたら例会中止になるところだった。
 その雨も朝にはあがって、我が家が千歳川に向かう頃には青空も広がってきた。
川の上は大賑わい 少し早めに集合場所に到着したところ、カヌー関係者らしき人が既にたくさん集まっていて驚かされる。
 それに、かなりお年を召されたふうの方達も多かったので、一体何の集まりなんだろうと思って話しを聞いてみたら、カヌークラブ「ノーム」の皆さんである事が判明。
 私たちのカヌークラブの中にもノームに入っている人もいて、北海道の川で出会う人達は大体はどこかで繋がっているのである。

 上空はすっかり青空となり、その青空に釣られるかのようにクラブのメンバーも続々と集まってくる。
 そこに、これから新入生の練習会をやるという某大学のカヌークラブの人間もやってきて、シーズン最初から千歳川は大賑わいだ。
 そこへやって来たカヌーとは全然関係無さそうな人が面食らった様子で「今日はここで何かあるんですか?」と聞いてきた。

N浜さん 車の回送を済ませて、川の上にカヌーを浮かべる。
 いつもと同じメンバーばかりなので、先頭や最後尾を誰にするかも決めずに、適当に下りはじめる。
 去年からクラブに入ったばかりのN浜さんは名古屋への転勤が決まり、今日が北海道最後の川下りとなる。
 将来有望な若手会員が入ってきて、これで少しはクラブの高齢化が解消されると喜んでいたら、次の年には本州へ転勤になってクラブを辞めてしまうケースがここしばらく続いている。
 結局我がクラブの平均年齢は毎年1歳ずつ増えていくこととなるのである。


千歳川の川下り  

 話は逸れるけれど、自作の木製カナディアンを所有し、湖で乗った事はあるけれど川は未経験だと言う72歳の方から、入会希望のメールが先日我がクラブに届いた。
 これ以上クラブの平均年齢が上がってしまうのだけはどうしても避けたくて、私がその方に対して入会をお断りするメールを書いたのだけれど、そのメールの内容が素晴らしいと他の人からお褒めの言葉をいただいた。
 その志を尊重しながらも、相手を傷付けることなく、やんわりと婉曲的に入会を断らなければならない苦労。
 それを褒めてもらえて、とても嬉しかったのである。
 (注:北海道ウィルダネスカヌークラブでは年をとった人の入会を断っているわけではありません。現に、年寄りで若者以上に元気な会員もたくさんいますし。ただ、流水未経験でファルトボートやカナディアンで例会に参加するとなると、それをサポートするのは今のクラブの体制では難しいという事です。カヤックならば何とかなると思います)

千歳川の川下り N浜さんは千歳川を下るのはこれが2回目。初回ははkenjiさん家に誘われてご夫婦で下り、新しくなった魚道で沈したそうである。
 ちょっと心配していたけれど、とても2回目とは思えないパドリングで千歳川の風景を楽しんでいるようだ。
 昨日の雨空を見ていると気分は全然盛り上がらず「明日の例会は中止にするしかないかな〜」なんて考えていたのが、こうして青空の下で美しい川の上にカヌーを浮かべるとそんな沈んだ気持ちも何処かへ消えてしまったようだ。
 「やっぱり川は良いな〜」と思いながら、水の流れにカヌーを任せて下っていく。

 あっという間にマナブまでやって来た。
 手を濡らすのもためらわれるくらいに冷たい水をものともせず、カヤックのメンバーはロールを繰り返す。
 学生さん達はまだ水の上には出てこないで、地上で新入生にパドルの扱い方を教えていた。今日初めてカヌーに乗るという新入生も多いのだろう。学生の頃からそうやってカヌーを始める彼らが羨ましく思える。
  マナブでひとしきり遊んだ後、再び下り始める。


千歳川マナブ
マナブで一休み

千歳川の新魚道 新しくなった魚道をクラブの例会で下るのは初めてである。
 今回は頭首工のゲートが何故か無くなっていて、そのために水位が下がってコンクリートの水制が剥き出しになっていた。
 全く迫力のない流れに拍子抜けしてしまう。
 水が無くなった分、魚道の構造が良く分かる。
 でも、工事の際はカヌーの通過にも配慮してくれるような話があったが、何処をどう配慮してくれているのかさっぱり分からなかった。

 その先の蛇篭の落ち込みは真っ先に下って、皆の動画を撮影する。
 以前よりは落差も小さくなったようで、難易度も下がったような気がする。
 これでは事件が起こる可能性もなく、皆の楽しそうな表情しか写っていなかった。



スポーツセンター前で上陸 蛇篭を過ぎれば、後はスポーツセンターの前までのんびりと下るだけだ。
 いつの間にか空には雲が広がってきていた。
 まるで私達が下るのに合わせて青空が顔を見せてくれていたようである。
 今回下ったメンバーの中の誰かが晴れ男or晴れ女なのかもしれない。
 それが自分だったら良いんだけど。

2011年4月24日 晴れのち曇り 
当日12:00千歳川水位(ふ化場観測所) 30.20m 



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