合流部の川原で体勢を整えてから再び下り始める。
途中で、川岸の倒木に向かって本流がぶつかっている場所があった。反対側に寄るように合図を送ってからエディに入って後ろを振り向く。
するとJOさんは合図に気付かなかったのか、本流に乗ったまま真っ直ぐに下ってきていた。
「あっ、まずいかも」と思ったら、さすがにJOさんもその手前で危険が迫っていることに気付いたようで、慌てて本流から抜け出そうとする。
「漕いで、漕いで〜」と皆から声をかけられながら寸前でその倒木をかわすことができた。
JOさんの乗っているダッキーは小回りが利かないので、流れの先を読みながら下らなければならないのだ。
水量が多いと所々に大きな波ができている。
そんな波を見るとサーフィンをしなければ気が済まないF本さんは、必ず寄り道をする。
せっかく良いウェーブがあっても、先頭を下るG藤さんがどんどん先に下っていってしまうので、F本さんは途中でサーフィンを切り上げ無ければならず残念そうだ。
まあ確かに、増水して流れは速くなっているもの、今日下る距離は16キロと何時もの例会より長めなので、F本さんのペースで遊んでいると何時になったらゴールできるか分からないのである。
一つ目の橋である大雄橋が見えてきた。この橋の上流右岸側もスタートするのに良い場所となっている。
次第に雨足が強くなってきて、川の風景も霞んでしまう。
途中の川原の砂地には鹿や親子熊の足跡が沢山付いていた。完全な野生動物のテリトリーの中に入ってきたようだ。
でも、後で地形図で確認してみると、その川原の背後には畑が広がっていて農家も何軒かあるような場所だった。
正確には野生動物と人間が背中合わせで生活している空間なのだろう。
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