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空知川

(落庵〜山畔橋)

いきなりの難所が クラブの例会で空知川を下る時は国体コースの上流からスタートするのが普通だったけれど、体が慣れる前にいきなりの国体コースは大変だからと、ツアーリーダーのS吉さんが気を使って落庵の裏からスタートするようにしてくれた。
 でも、そのせっかくの気配りもにも関わらず、スタート直後の橋の下でN島さんと228君がいきなり沈してしまった。
 私も6月に下った時、ここでは危うく沈しそうになったところである。
 本流が橋の護岸の川岸にぶつかり直角に流れを変えた先が、川を斜めに横切る小さな落ち込みになっているのだ。
 前を下っていた228君が我が家の進路を塞ぐようにそこで横向きになる。
 「こんなところでサイドサーフィンやってる場合じゃないだろ!」と思ったら、彼はその落ち込みに填って焦っているところだったらしい。
 そんなハプニングがありながらも、何時ものスタート地点まで下ってきて、そこで記念撮影をする。
 今日の参加者は12名。
 昨日のシーソラプチ川を下ったメンバーから3名が減って4名が増えていた。
今回はカナディアンが多い そして驚くべき事に、この中でカヤックは2艇だけで他は全てOC-1かOC-2である。
 最近の例会では何時もカナディアンが少数派だったので、何だかとても新鮮に感じる。
 それにメンバーも、今年初めて例会に参加できたK島さん、二人の娘さんもそれ程手間がかからなくなってようやくお父さん一人で遊ばせてもらえるようになったT山さん、最近は他のクラブで漕いでいることの多いN島さん、そして東南アジア方面から一時帰国中のBBさんと、何時もとはかなり違っている。
 国体コースは水も多いため、BBさんの提案により、まず先にBBさんとF本会長が先に下り、他のメンバーはその合図により1艇ずつ下っていくこととなった。
 例会でこんな下り方をするのは何年ぶりだろう。
 最近は例会参加メンバーもほぼ同じで、お互いの力量も分かっているし、殆どの場所は行け行けドンドンで下ってしまっているのだ。
 たまにS吉さんが先に行くのは、レスキューよりも写真撮影が目的。
 そしてF本さんが先に行くのは、I上さんの「F本を先に行かせて様子を見てみよう」との人身御供的行為だったりするのだ。
 今日のメンバーの半分以上は、昨日も沈することなく国体コースを下っているのだけれど、レスキューにかけてはプロとも言えるBBさんの提案に反対する人は誰もいない。
 三段の瀬は全員が颯爽とクリア。


三段の瀬   三段の瀬
三段の瀬を下るN島さん   三段の瀬を下るO橋さん

 パチンコ岩から渡月橋の落ち込みも全員が無事に下ったようで、一番最後に我が家が下る。
 パチンコ岩の左川を回り込む漕ぎ方は昨日完璧に身に付けたので今日も全く問題なし。そして渡月橋の落ち込みも昨日と全く 同じルートで進入し、これで国体コースを二日とも完全クリア、と思った瞬間にカヌーが大きく左に傾いた。
渡月橋の落ち込みで沈 必死に持ち堪えようとしたものの、とうとう沈。
 何でこんなところで沈をしたのか全く理由が分からず、カメラを意識して最後に私が余計なクロスを入れたのが原因じゃないかとの事になり、かみさんから冷たい視線を浴びせられる。
 ところが家に帰ってからS吉さんに撮ってもらった動画を何度も確認して、カヌーのシートの左側取り付け部分が落ち込みに入った瞬間に外れ、それが原因で左に大きく傾いたことが判明。
 これでめでたく、私の疑いは晴れたのである。
 昨日のシーソラプチ川で壊れたその部分をプラスチックのタイバンドで補修しておいたのだけれど、やっぱりそれでは無理だったようだ。

楽しく瀬を下る 国体コースを終えたところでI田さんとT山さんが抜けて、残り10人でその先を下り続ける。
 今日は朝から気温が上がっていたので今シーズン初めてドライスーツを脱いで川を下ったのだけれど、こんな時に限って沈するのである。
 30度近くまで気温が上がれば濡れても気にならないのだが、この日はせいぜい24、5度までしか上がらず、さすがに日陰に入ると寒く感じる。
 北海道ではドライスーツに頼らずに川を下れる期間は本当に僅かしか無い
 夏から秋への移ろいを感じさせる青空、心地良いホワイトウォーター、そして川底の石がはっきりと見える澄んだ水。
 快適な川下りが続く。


秋を感じさせる空   澄んだ水
秋を感じさせる空   澄んだ水が美しい

休憩時間にロープ投げの練習 途中の川原で昼の休憩。
 食事を終えた後でレスキューロープ投げの練習をする。
 先月に行われたレスキュークリニックで、ロープ投げの未熟さを痛感して、例会の度に練習しようと決めていたのだ。
 特に、1投目を外した後に素早く2投目を投げる練習。
 クリニックに参加するまでは、2投目を投げる時はロープを収納している袋に水を入れて、それを重りにして投げるものだと信じていた。
 ところが現在は、それでは時間がかかるので、1投目を投げたらそのままロープを巻いて、2投目はそのロープの手元の部分を投げるのが正しい技術らしい。
 レスキューロープは飾りではなく、それを正しく使えなければ持っている意味が無いのである。

噴水の瀬 そうしてやって来た噴水の瀬。
 上流側から見ても、その名の通り勢いよく噴水を吹き上げているのが見える。
 水が多い時の噴水の瀬は迫力満点である。
 ここでもBBさんが先に下って、レスキュー態勢を整える。
 今回は下見無しで下るのが嬉しかった。
 下るルートは決まっているし、ここでの下見は恐怖心を煽るだけの意味しかないのだ。
 自分達の順番になってカヌーを漕ぎ進める。
 そして瀬の寸前までやって来て、高く吹き上げる噴水の迫力に驚いてしまう。
 その下には岩が隠れているはずで、ぶつかるのを覚悟したが、衝撃も感じずに最初の噴水の中を通り抜ける。
噴水の瀬を下る その後がまた凄い迫力だった。
 後でS吉さんに写してもらった動画を確認すると、大きなカナディアンが飛び上がるように波を越えるシーンが映っていた。
 そこでたっぷりと水を汲んで、ヨロヨロしながら岸までたどり着くとN島さんが流れてくるのが見えて、慌ててカヌーから飛び降りる。
 先にBBさんの投げたロープをつかみ損ねたらしい。
 ここで私がロープを外してしまうと、またしばらく流されることになる。
 声をかけてお互いに確認しあってからロープを投げると、一投目でピタリと決まった。
 瀬をクリアしたことより、このレスキューロープ投げで練習の成果が出たことの方が嬉しかった。

嫌らしい倒木 その後はゴールの山畔橋までのんびりと下ろうと思っていたら、最後の左カーブのところに瀬があるのを忘れていた。
 そしてそこには嫌らしい倒木まであってヒヤリとさせられる。
 速い流れの瀬をそのまま下っていくと川の中に刺さり込んだ太い倒木にまともにぶつかることになる。
 状況によっては死亡事故にも繋がりそうな危険な倒木なので注意が必要である。

 そこを過ぎれば今度こそ何も無くなり、のんびりとゴールを目指して漕ぎ下る。
 これで今年の夏も終わりかなと思うと、ちょっとだけ寂しさを感じてしまった。


ゴールは間近
夏の終わりを感じさせる空知川

2011年8月28日 晴れ
当日12:00 空知川水位(幾寅観測所) 354.04m


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