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シーソラプチ川

(ラフトスタート地点上流5キロ〜国体コース)

スタート地点の川原 カヌークラブの8月例会は定番となったシーソラプチ川と空知川を下る。
 今年の例会は何時も参加者が少なく、土曜日のシーソラプチ川も集まったメンバーはベテランばかりの11名。
 そこでこの日は、いつもスタートしている場所の上流も面白いとの情報を得て、そこから5キロ程上流に遡った地点からスタートすることになった。
 砂利道を走っていくと、途中の道の真ん中にまだ新しそうな熊の糞が落ちていて気分を盛り上げてくれる。
 上流のスタート地点には4台分程度の駐車スーペースしかないので、少人数のツアーでちょうど良かった。
 今回はカヤック3艇でカナディアンが6艇。
 何時もの例会ではカヤックに囲まれて下っているので、カナディアンが多いのはちょっと嬉しかった。


カナディアンが多い   集合写真
久々にカナディアンが集まった   天気も良くて皆楽しそう

清流を下る その水は本当に無色透明だった。
 水の透明な川は沢山あるけれど、そこに溶け込んでいる成分によるものなのか、川底の石によるものなのかは分からないが、微かに色づいて見える川が多い。
 それが、ここを流れる水には全く色が感じられず、無機質な透明度とでも表現すれば良いのだろうか。
 何時ものスタート地点でさえ文句の付けようのない清流なのに、こんな川を下れるなんてパドラー冥利に尽きると言うものだ。

 上流部でも、クランクの瀬やトラウマの瀬のような難所があるわけでもなく、何時も下っている区間よりは安心して下れる感じだ。
 それでも波の高い瀬が延々と続き、そこに突然倒木が絡んでいたりするので気を抜くことはできない。


清流を下る
汚れを知らないシーソラプチ川を下る

 何時も下っている区間はラフトも営業しているところなので、危険な倒木等はしっかりと処理されているので、大増水の翌日でもない限りは安心して下れる。
倒木地帯の始まり しかしこの上流部は普段は下る人さえいないところだから、その先に何が待ち構えているかは全く分からないのである。
 特に一か所だけ酷い場所があって、まさに流木地帯。
 洪水時に川を流れてきた流木はその付近に全部溜まってしまうのかもしれない。
 川が消えてしまっているのだ。
 残された細い分流を下っていくと突然その先が川に向かって倒れかかった樹木で塞がれていたので、慌てて着岸する。
 その部分は流れも緩くなっていたので、枝を数本折っただけでカヌーに乗ったまま通り抜けられた。
 でも直ぐその先で今度は流木の根が川を塞ぎ、そこはカヌーから下りて歩くしかなかった。
 とにかくそこら中が倒木に流木だらけなのである。


行くてを塞ぐ倒木   流木を避ける
倒れかかった樹木が行く手を塞ぐ   流木を避けながら歩く

川原で休憩 倒木地帯を抜けた後は再び快適な川下りが始まる。
 途中の中州に上陸して昼の休憩にする。
 O橋さんが「これまでと比べたら今回は随分底を擦るよね」と言うので、「まだ何時もの場所までは下ってきてないよ」と教えてあげる。
 するとI山さんが、GPSを見ながら「あれ?もう部長の瀬を過ぎているみたいだけど」と言うので、私も自信が無くなってきてS吉さんに確認する。
 結局は、まだ何時ものスタート地点までも下ってきていなかったのだけれど、緑に囲まれた回りの風景が殆ど同じなので、そんな錯覚に囚われるのである。
休憩を終えて再び下り始めると、気が付いた時には何時ものスタート地点を通り過ぎていた。


気持ちの良い瀬   ちょっとした落ち込みも
気持ちの良い瀬を下る   ちょっとした落ち込みも

五流の瀬の落ち込みを下る 今回のシーソラプチも水量は多めで、五流の瀬もカヌーの底をぶつけることなく、左岸側からすんなりと下ることができた。
 後続のメンバーも左岸側を次々と下ってくる。
 ここでは右岸側の岩盤の切れ込み部分を下ってくれると、色々とハプニングも起きるのだけれど、皆もそれが分かってきたようで、誰もそちら側には行ってくれない。
 水が多い割にはそこから先で、何度もカヌーの底を擦ってしまう。
 二ヶ月前に下った時と比べて、川底の形状が微妙に変わった気がする。
 多分、お盆頃に一度大増水しているので、その影響なのだろう。
 今までは無かった大きな分流もできていて、そちらに水を取られて本流の方は冴えない流れに変わっていた。
 クランクの瀬ではカヌーの底が思いっきり岩にぶつかり、その衝撃でカヌーのシートを止めているボルトが外れてしまう。
 何とか元には戻せたけれど、岩にぶつかる度にシートが外れてしまうのは困ったものだ。

トラウマの沈 その状態でも、次のトラウマの瀬は何とかクリアできた。
 二ヶ月前にはここで228君が沈をして、その時に太股を痛めてしまい、我が家のカナディアンに乗せて落庵まで搬送する事件が起こっていた。
 既に228君の傷は癒えていたけれど、心の傷はそのまま残っているようだ。
 「左寄りから入った方が良いんだよね」などと言いながら、下る前からびびっている。
 皆で見守っていると、「あれ〜?どうしてそっちに行っちゃうの?」と思えるくらいに左に寄りすぎた場所から落ち込みに入って、やっぱり今回も沈。
 今まで何回も下っているところなのに、前回の沈をきっかけに228君にとってのトラウマの瀬に変わってしまったのである。

 今回のツアーリーダーであるS吉さんの計画では、何時もより上流からスタートしたので国体コースの手前でツアーを終了することになっていた。
三段の瀬を下る ところが思っていたとおり、今回の参加メンバーで国体コースを下らずに止めてしまう人なんているわけがない。
 S吉さんの奥さんはそこで上がったけれど、我が家のかみさんは何とか踏みとどまった。
 嫌だ嫌だと言っているくせに本当はやっぱり瀬を下るのが好きなのだろう。
 そして三段の瀬をすんなりとクリア。
 苦手とするパチンコ岩も、その左を回り込み、渡月橋の落ち込みも狙い通りのコースから進入して、これで国体コースを完全クリア。
 シーソラプチ川のダウンリバーはやっぱり、国体コースを下って終了するのが良いのである。


渡月橋の落ち込み
渡月橋の落ち込みを下って、これで国体コースを完全クリア

2011年8月27日 晴れ
当日12:00 空知川水位(幾寅観測所) 354.05m


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