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天の川

(湯ノ岱大橋~天の川橋)

 上ノ国町を流れる天の川は、そのロマンチックな名前からも以前から一度は下ってみたい川の一つに入っていた。そこで、GWの3連休にカヌークラブのミニ例会として天の川川下りを企画し、メンバーに参加を呼びかける。
 しかし、GWど真ん中の3連休に家族を振り捨てて川へ遊びに行くなど、普通の家庭では許される筈がない。それでも数名が、日帰りならば許してもらえそうだとこのミニ例会に参加してくれることになった。
 ただでさえ参加者が少なそうなのに、そこへ今日の空模様である。
もんじゅの駐車場に集合 夷王山でキャンプしていた我が家は夜中から吹き始めた強風で危うくテントを壊されそうになり、途中で降りだした雨は明け方には上がったものの、集合場所の道の駅もんじゅの駐車場にやって来ても風はまだ、そこに立っている旗を大きくなびかせていた。
 札幌の方はもっと強い雨が降っているようで、これで果たして本当に誰か来るのだろうかと心配になってきた。
 そこへ最初に現れたのが、予想外のO橋さん。数日前の天気予報を見て「天気が良さそうなので参加します」と言っていたO橋さんなので、この天気じゃ来る訳ないだろうと思っていたのだ。
 次に到着したのが函館の娘さんの家に泊まっていて、そこから駆け付けたY谷さん。
 最後に集合時間から大きく遅れてF本会長とI山さんが到着。
 「天気が良かったら参加します」と言っていたK島さんはやっぱり欠席のようで、集まったのは我が家を含めて6名。まあ、ミニ例会なのでこんなものだろう。

集合写真 ゴール地点の天の川橋近くの公園の駐車場に車を1台デポして、スタート地点の湯ノ岱温泉へと向かう。
 山に入るに従って空が暗くなってきて、とうとう雨まで降り始めてしまった。それも本格的な降り方である。
 湯ノ岱大橋横の河川敷に到着しても、しばらくは外に出るのをためらってしまうくらいだ。
 覚悟を決めて外に出て、出艇の準備をする。
 一旦濡れてしまえば、雨など大して気にもならない。でも、ドライスーツを着ていても、濡れると寒さが身にしみてくる。
 まずは記念撮影。
 そこの対岸に湯ノ岱温泉からの温泉水が流れ込んでいる場所があったので、下り始める前にそこに近付いてみる。
 この寒さなので、そのまま浸かってしまいたくなるくらいに暖かく感じて、まるで川の中の露天風呂だ。
 そこで冷えた体を温めて、いよいよ天の川の川下りの始まりである。


湯ノ岱温泉からの温泉水   天の川川下りのスタート
川の中の露天風呂?   湯ノ岱大橋の下をくぐって川下りの始まり

 川は雪解け水で増水気味だけれど透明度はそれ程失われていない。
 流れも速く、漕がなくてもカヌーはどんどんと進んでいく。
川を塞ぐ倒木 何もしないでいると体が冷えてしまうので、しょうがなくパドリングする感じである。
 前方に川を完全に塞ぐような倒木が現れた。
 ポーテージするにも上陸できそうな適当な場所が無い。
 先行していたF本会長が倒木の間を通り抜け、「カナディアンはギリギリかな~」と教えてくれた。
 かみさんもポーテージする気は無さそうなので、F本さんの言葉を信じてそのまま倒木に向かって漕ぎ進み、本当にギリギリで通り抜けることができた。
 初めての川を下る時はカヤックのベテランが一緒だと心強い。

 途中から本流よりも大きそうな支流が合流し、川の水は更に増えてきた。
 地図を見るとそれが上の沢川らしい。
 その先で流れが護岸にぶつかっている場所があった。
 時に気にもしないで近付いていったら、流れを中に吸い込むタイプの護岸だったので、慌ててそこから離れる。
 こんなタイプの護岸はあまり作らないでほしいものだ。


上の沢川との合流   嫌らしい護岸
右から流れ込んでいるのが上の沢川   護岸がスリットになっていて水が吸い込まれている

流れは山間部へ 水量が増えても大きな波の立つ瀬も無く、流れは相変わらず穏やかである。
 川は山間に入り、大きく蛇行しながら流れていく。
 蛇行する度に風景が次々と変化する。
 I山さんとF本会長はそんな風景にみとれているように見えて、実は何処かにネギが生えていないか、それだけを必死に探しているだけなのである。
 エゾエンゴサクが群生しているところもあったが、彼らにとってはあくまでも「花よりネギ」である。

 この区間で知内線の鉄橋の下を2回通過する。
 最初の鉄橋の手前にこの区間で唯一の瀬らしい場所があった。
 カヤック組は直ぐにそこで遊び始めるが、全然迫力はない。


天の川の瀬?   一つ目の鉄橋
鉄橋手前の瀬?   一つ目の鉄橋

 道路上を走ってきたキャンピングカーが私達に気が付いて車を停め、手を振ってくれた。
 アウトドア好きな人なのだろう。こちらも手を振り返す。
 二つ目の鉄橋では大勢の人が保線作業をしているところだった。
 それでこの鉄橋が現役で使われている事が分かるが、どう見ても廃線後何年も経過した鉄橋にしか見えない。


キャンピングカーから手を振ってくれた   二つ目の鉄橋
アウトドア好きな人ならこの楽しさを分かってくれるのだろう   なかなか渋い廃線の鉄橋に見える

山菜を見つけて斜面をよじ登るメンバー 鉄橋から少し下ったところでいかにも山菜が沢山ありそうな斜面を見つけて皆で上陸する。
 そこは予想通り山菜の宝庫だった。
 皆の狙いは行者ニンニクだけ。
 我が家はアズキナの方が好みなので、主にそちらを収穫する。
 山菜以外にもエゾエンゴサクやカタクリ、エンレイソウなど、春の草花も沢山咲いている。
 一眼レフカメラを持ってきたかったところだ。
ある程度収穫したところで再び下り始めるが、直ぐにまたもっと沢山山菜がありそうな場所を見つけて再上陸。
 もう川下りどころではなくなってきていた。
崖のような急斜面でO橋さんが足を滑らせ、危うく滑落しそうになる。
 「山菜採り中に崖から転落死」なんてニュースをこれからのシーズンは毎度耳にするようになるが、その度に「たかが山菜のために命を落とすなよな~」なんて思ってしまう。
 しかし、目の前で繰り広げられているシーンは正にその状態と言えるだろう。
 そこから少し下ったところに良い川原があったので、そこで昼の休憩を取ることにした。
 その川原の後ろには、これまた山菜畑が広がっているものだから、食事もそこそこに再び山の斜面を登っていくメンバー。
 スタートしてから2時間半が経過したのに、まだ全行程の3分の1も下っていなかった。


山菜を探しながら川を下る
川下りよりもネギを探すことに夢中なF本会長とI山さん

川原で休憩   春の草花も咲いている
休憩で上陸した川原でも山菜採りが始まる   山菜と一緒に春の草花も沢山咲いていた

 雨も上がって空が明るくなってきた。
 宮越橋を過ぎた先に頭首工があるけれど、前日の下見でそこの堰は無くなっている事を確認していたので気にせずに漕ぎ下る。
 ところが堰の跡を過ぎた先に、川幅一杯に広がった小さな落差が連続して現れて驚かされる。
 そこで遊ぼうとしたO橋さんが川底のブロックに引っかかって素沈。油断は禁物である。


頭首工下流の小さな落差   素沈
頭首工下流には小さな落差が続く   素沈

 頭首工を過ぎると遠くに夷王山の夜明けの塔が見えてくる。
 それが山間部を抜けた合図である。
 ここから先は西風が吹くと向かい風となり、下るのに難儀するらしい。
追い風に吹かれてのんびりと下る ところが今日は東風。川の流れも速く、追い風に吹かれて、ダラダラと下っていてもカヌーはどんどん進んでくれる。
 山間部でネギ採りに夢中になっていた時は一体何時にゴールできるのだろうと心配していたが、快調なペースで下り続け小さく見えていた夜明けの塔も次第に大きく見えてくる。
 上ノ国町の市街地に近付いてくると、鳥の数も増えてきた。
 カヌーに驚いたカモの群れが次々と飛び立っては頭上を旋回する。岸辺の草むらからは大型のサギがゆっくりと羽ばたきながら飛び立ってくる。
 そうして上ノ国橋の手前で上陸。
 太陽の日射しを浴びながらネギと一緒に最後の記念撮影。
 最初はどうなることかと心配した天の川のミニ例会だったが、終わってみれば本当に楽しい川下りであった。


夜明けの塔を目指して
前方に夷王山の夜明けの塔が見えてきた

天の川橋が見えた   記念撮影
ゴールの天の川橋が見えてきた   ネギと一緒に記念撮影

2011年5月4日 雨のち晴れ
当日12:00 天の川水位(天野川観測所) 2.23m



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