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千歳川

(第一鳥柵舞橋〜スポーツセンター前)

 札幌のこの日の予想最高気温は35度、こんな日は川で遊ぶに限る。
 本当は今日から朱鞠内湖キャンプへ行くつもりがそれが中止になってしまったので、躊躇うことなく千歳川へと出かけることにした。
 札幌は朝から快晴で気温も高く、この調子だと一体何処まで気温が上がるのだろうとニヤニヤしていたら、次第に雲が広がってきて気温の上昇もストップしてしまった。
スタート地点にも釣り人の姿が目立つ 千歳の上空にはまだ青空が広がっていたものの、札幌ほどの暑さではなく、スポーツセンターに車を止めて自転車でスタート地点まで戻ってきても汗もかかない。
 それでも、川の中に入ると水の冷たさが気持ちよかった。
 親子連れが水遊びをしていたが、まさに今日は水遊び日和である。
 今年の6月から第1烏柵舞橋の上流も禁漁が解除された影響なのか、ここにも釣り人の姿があった。
 本来ならばこの辺りで少しパドリングの練習をしたいところだが、釣り人の邪魔をしても悪いので直ぐに下り始める。


クールダウン   直ぐに下り始める
火照った体をクールダウン   釣り人を避けて直ぐに下り始める

 そして釣り人の姿が見えなくなったところでエディに入り一休み。
 早速かみさんが、用意してきた箱めがねを手にしてカヌーから下りる。去年のカヌー運動会で手に入れた賞品の箱めがねである。
 秀岳荘で賞品を買い出しした時、自分でこれを選んで、狙い通り自分のものにできたのだ。今日がこの箱めがねのデビュー。
 付近の川底はバイカモが茂って緑色に染まっていた。かみさんがその様子に歓声を上げている。
 今日はこんな調子で遊びながら下るつもりである。


箱めがねで水中をのぞくかみさん   バイカモ
箱めがねで川の中を覗くかみさん   流れに揺れるバイカモ

夏の千歳川 周りの森は真夏の緑に染まっている。
 それを映す千歳川の水面もまた緑に染まっている
 そして水中に揺れる緑のバイカモ。
 そんな夏の千歳川の風景の中を気持ちよく下り続ける。
 気になるのは、緑に包まれた風景を壊すように所々に茶色くなった葉を付けた木々が目立つことだ。
 ここ数年大発生しているハンノキハムシに食べられた葉なのだろう。
 それだけではなく、葉が殆ど無くなってしまったような樹木も沢山ある。
 これはマイマイガに食べられたものだろうか。
 とにかく最近の虫の発生は異常である。
 でも、こんな虫たちも川の中に落ちて魚の餌となったりして、自然の生態系の一部として生きているのだから、それ程気にする必要もないのかもしれない。
 緑のトンネルを抜けてまなぶまで下ってきた。
 何時もカヌーの姿を見かけるまなぶだけれど、さすがに今日は平日だけあって人の姿は無かった。


夏の千歳川の風景
青い空と木々の緑が目に眩しい

千歳川の風景   千歳川の風景
緑に包まれた風景が美しい   まなぶへと出る木々のトンネル


倒木の上でお昼 川岸の倒木に腰掛けてコンビニで買ってきたお弁当を食べる。
 その直ぐ隣ではミヤマカワトンボが羽を休めていた。
 いつの間にか空には雲が広がっていて、予想していた程には気温も上がっていないようだ。
 カヌーへの再乗艇の練習でもしようと水の中に入ってみたが、その冷たさに体が縮み上がる。
 水の中で長い間遊ぶためには、真夏でも北海道ではドライスーツが必要になるのだ。
 それでも一度濡れてしまうと、その冷たさも大して気にならなくなる。
 パドリングや再乗艇の練習をして、しばらく時間を過ごした。


パドリング練習   ミヤマカワトンボ
まなぶでパドリング練習   赤い羽が美しいミヤマカワトンボ

 再び下り始める。
 倒木ポイント手前の大きなエディに入る。
バイカモの花 ここではバイカモが可愛らしい花を咲かせていたが、千歳川のバイカモもそろそろ花の終わりの時期を迎えているようだ。
 流れが岸にぶつかっている場所を慎重に通り抜ける。
 ここは千歳川の中でも一番危険なポイントで、最近もクラブのメンバーがここの倒木に張り付いていたカヌーを助けたそうである。
 その先の岸から倒れ込んでいた倒木は誰かが幹を切断してくれたようで、川の真ん中をすんなりと通れるようになっていた。


名前の分からない草   誰かが切ってくれた倒木
名前が分からないけれど、姿の美しい植物だ   誰かが倒木を切断してくれたので通りやすくなった

湧き水の流れ込み カワセミ観察用のテントが張られた場所までやって来た。
 テントが一張り増えていて、その前には魚の入った生け簀まで用意されている。
 そこの小さな流れ込みに入ってみた。
 この流れ込みは湧き水がその源流となっているらしく、水がものすごく冷たい。
 足がその冷たさで痺れてくるのを我慢して、上流へと歩いてみる。
 水と空気の温度差が大きいので、水面には川霧が立ちこめ幻想的な風景を作っていた。
 もっと奥まで行きたかったけれど、蚊の猛烈な攻撃を受けて途中から逃げ帰ってきた。


湧き水の流れ込み
ひんやりとした空気に包まれ、ここだけが別世界のようだ

新しい魚道 魚道の工事現場までやって来た。
 新しい魚道は既に出来上がっていて、現在は旧魚道などの取り壊しが行われている最中だ。
 この新しい魚道については他の人のブログなどで大体の様子は分かっていたので、下見をしないでそのまま下っていく。
 流れが結構複雑になっていて、少しだけ冷やっとさせられた。
 左岸に上陸してその様子を見てみると、三段の堰になっていてそれぞれがV字状の形態で、その低くなっている部分を下れば良いようだ。
 しかし、その場所が中央、右、左と振られているので忙しくパドリングしないとその部分を下るのは難しいだろう。

 最後の難所である蛇篭の落ち込みは、左側から進入すると素直な流れになっていてあっさりと下れてしまった。
 ここでスリルを味わうのならば、右側から入った方が面白そうである。
住宅地の前の流される この後、何時もならば高速道路の下で上陸するところだが、今回はもっと下流のスポーツセンターまで下る。
 小さな落ち込みが一カ所あるだけで、住宅街の横を抜ける面白みのない区間だけれど、澄んだ水の上を流れていくだけで気持ちがよい。
 そうしてスポーツセンターの前に上陸。
 それを待っていたかのように雲が晴れて真夏の太陽が姿を現してきた。
 札幌の気温は今頃35度を超えているのだろうか。
 千歳川を去るのが本当に名残惜しい気がした今回の川下りである。

2010年8月6日 晴れのち曇り 
当日12:00千歳川水位(ふ化場観測所) 30.23m 



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